旅に出るのに理由は要らないってことは、良く知らない人たちから教えられた。
自分が高校時代の後半、仕事として何をしていこうって時に、思い浮かんだのはアート関連しかなくて。あとは文章か。
アート関連のバイトも色々やってみたのだが・・・レコード屋の広告のパネルを作ったり、デザイン事務所のアシスタントとか・・・・どうも自分はちまちまちまちま細かい仕事に集中が続かないと知った。
デザイナーの友達も割といる方だったが、その人たちは、そういう細かい作業が苦にならないようだ。
画家になりたいけれど、職業にすると絵が嫌いになりそうだから、デザイナーやってるという人もいた。
画家になりたいけれど、イラストレーター、詩人になりたいけれど、コピーライター、などという人も。
自分の場合は、どうもそういう発想と納得ができず。
ものごと、段階が合って、いきなり目標地点には行けない、徐々にステップアップしていくもの
・・・自分のどうすれば?に、そう答えてくれたデザイナーもいた。
浪人中に、美術館でテラコッタ制作の講座を受けていた。素焼きの粘土で何か作る。
人形を作る時に、頭からではなく、まず足スタートで作っていくと、面白いバランスになって、ユニークな形状の作品となると教えてくれた先生がいた。
自分がお世話になることのなかった美術大学の教授だったのだが。
テラコッタで作品製作は、ただ素焼きの焼き物を作るのではなく、
粘土の上に、瓶のガラスのかけらをのせて焼いてみたり、完成したものにも、アクリル絵の具をぶっかけたり、と、アイデアで色々なことができる。
写真撮影、版画や、彫刻、焼き物など色々とやってみたがりだったので、
自分は何って決めない、アーティストになろう、などと安易に考えた。
そして、単純に聞いてみた。テラコッタのその教授に。
アーティストになるには(アーティストとして成功するには)どうすればいいですか?
「毎日作品を作り続けること。一日一つ作る。
石に顔を描いただけでも作品。
そうしてずっと作っていたら、家から作品があふれ出し、誰かが見つけてくれる。
作品を売るのは、作家ではないから。作家は、売れるとか考えずに、作っていればいい。」
例えばピカソとゴッホの人間的な性質の違いを考えてみると、ただ作っていればいいのかどうか、現代美術も、売れるために色々作戦たてるアーティストと、売れることを目的としていない人もいるので、その先生が言ったことが完全に正解だとも思わないが、
ただ日々作り続けるっていうのはまず基本に思える。
さて、せっかく先生に聞いたのに、それ、実践したか?
実践してないし、自分はいわゆるアーティストにはなっていない。
アーティスト、すべての行為はクリエイティブと考えたら、人間みんなアーティストなんだけれどね。
毎日ひとつ、毎日できなくても毎日何か作ろうと意識している。文章もそう。
先生の名前は覚えてない。
読んでくださりありがとうございます!
ちなみにこのシリーズきっかけは、ミカヅキカヅキさんのこの↓記事です。