BTCはベアラーアセットであると言われます。
では、ベアラーアセットとは何でしょうか?
普通の資産と考えて下さい、と書きました。
これはペンやコップ等です。
AさんがBさんに渡せばBさんのものになります。
Aさんが持っているとき所有者はAさんであり、だからそれはAさんのものです。
AさんがそれをBさんに渡せば所有者はBさんになり、だからそれはBさんのものです。
至極当然のことだと思われると思います。
デジタル資産で考えてみます。
私が写メを取りました。
そしてAさんに送りました、と。
そこでその画像はどういう状態かというと、私のスマホにもAさんのPOP3サーバー(メールサーバー)にもある状態です。コピーされたんですね。
これはデジタル資産がその性質上、設計図を送っている仕組みになっているからです。
「コンピューターよくわからん」という方も、画像を細かく分析するとゼロイチの集合体であることはご存知かと思います。
私がAさんに送ったのは画像そのものではなく画像の設計図(どういうゼロイチの集合体か)です。
もっと言えばメッセージアプリやメールで「あ」という文字を送ったとしても、それは文字そのものを送ったのではなく、相手側で「あ」と表示させるために必要な情報を送ったのですね。
別の具体例を話します。
クローン技術が発達したとします。
記憶やなんやかんや、すべてが解析されて人間の設計図ができますよ、と。材料さえ揃えば、その設計図に合わせて、精巧なもう一人を作ることができちゃう状況です。
「2018/10/11 6:00:00 a.m.(JST)のAさん」を、記憶もそのままに作ることができる状況です。すごい!
そんな時代、私がフランスに遊びに行ったとします。これが「bearer assets」の移転です。日本からフランスへ私が移動しました。
一方で、
私が日本にいる状態で、フランスで私のクローンが作られました。日本にもフランスにも、私がいるんです。これがデジタル資産の性質です。
じゃぁ、仮想通貨はなぜ「bearer assets」たり得るかというと、保存している対象が設計図ではなく「どのアドレスにいくら仮想通貨があるのか」という「持ち分量」という情報だからです。
ビットコインというファイルがあって、それがインターネット上でやり取りされるとなると、複製し放題です。テキストファイルのコピペ、できますよね?貨幣の偽造です。二重支払いができてしまいます。
そうではなく、ビットコインは、全体の総量とどこからどこに移転したかという情報(と送金料)をもって、どこにどれだけビットコインがあるのかという持ち分量という情報を保持しています。(マイニングでの採掘分は省略)
「じゃぁ、楽天ポイントなんかと同じじゃない」というとそうではありません。私と楽天との間には信頼関係が一応成立していると思う(思いたい)のですが、楽天が不正をして、私の楽天ポイントを減らしたりすることだって考えられます。システムの権限を持っている人が圧倒的な権力者なのですね。これは第三者が介在したときも同じです。そのシステムの権限を持っている人は権力者であり致命的なセキュリティホールになり得ます。ハクられて私の楽天ポイントが0になることだってあり得ます。
そこで、システムとしてのビットコインは、プログラムであり意思も権力もイデオロギーも欲も、何も持たないただ作業するだけのシステムとして、その設計思想だけを拠り所として、作られました。
その設計思想は堅牢でトラストレスなDBを作り上げるものに他なりません。だから改ざんできません。ビットコインのシステム内で「そのアドレスに1BTCある」と記録されているのであれば、それはそのアドレスの所有者に1BTCが帰属していることを示すのです。
(トラストレスへの疑義や、改ざんできないではなく、難しいという表現にすべし、という異議は正しいと思います。でもこの文脈では言い切ります。
楽天ポイントとの違いを示すために、システムとしてのビットコインが持つ情報を絶対的に正しいものとして示す根拠を表現するからです。
アドレスの所有者ではなく秘密鍵を知っているもの、ではありますが表現方法としてこちらを選びました。)
だから、BTCをはじめとする仮想通貨は「bearer assets」なんです。
え?わかんないですか、そうですか。
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