初投稿です。
プロフィールに記載していますとおり、腐りかけの某金融系SIer会社に勤務する超絶若手エンジニアです。日々脳みその少ない危機感の少ないおじさんたちを説得するだけのお仕事を粛々とこなしています。
まあいわゆるというか典型的なこの日本のSIerって感じですが、金融系であるということと内販ばかりということも手伝って、本当に開いた口が塞がらないような無知からくる発言・挙動・現象(?)に頻繁に遭遇します。
国内の古くからあるシステムに関わっている方々はよくご存知と思いますが、システムのしの字も知らない白髪すら生えていないおじさん(おじいさん)たちが、親会社から経営層に降ってきます。
いやまあ、それは良い。別に良い。親会社の経営方針に芯があって、それを達成するためには、さあシステムでどういう支援をすべきなんだろうかと考えればいい。当然そのために大本そもそも資産を持つ親会社の脳みその一部がコチラに来るのは構わない。むしろ必要と言っていい。
けれど、今は、それ「だけ」しか居ない。
いわゆるCTOのような考え方が一切無いんです。
ま、まあ、そういう人を経営陣に置かなくても、多少のシステムにかかる動向とか知識とか、それこそ金融系でいうとブロックチェーン騒がれてるなあ弊社ではどういう利活用ができるだろうかーと調べて勉強して考えてくれれば良い(WEB広告にはALISやBRAVEといった破壊的イノベーションが起きつつありますね)。また最近の国内外のエンジニアお抱え企業の待遇はどうだろう(あのNECが初任給1千万ということも有り得るなどとニュースになっていましたね)、評価の仕方はどうだろう(MSやグーグルでは人事部はもはや評価をせずに同僚や上司がポイントを付けるシステムになっているとか)、仕事の進め方はどうだろう(在宅勤務なんて常識ですね)。
一切無い。もう一度言いますが、一切無いです。経営陣、何も考えてない。っていうかなんなら一つもこの話知らないかもです。
書いていて悲しなってきましたが、誇張ゼロ。皆無です。ヤバイ。
でも1000人未満くらい抱えてるんですよね。それがまた怖い。
とはいってもコレってSIerの問題っていうより、日本国内の古くからある企業でアホなところって大抵そうなんじゃない〜?と思われると思います。
それはそのとおりなんですが、今回SIerと紐づけたのは、そもそもSIerそのものが、日本国内の古くからある企業でアホなところだからなんです。
システムに興味の無い皆さん、SIerってなんで存在するか知ってますか?
これひとえに「ユーザがアホだから」なんですよ。
ユーザがアホだから開発ベンダと代わりに話をして、ユーザがアホだから要件定義して、ユーザがアホだから見積もりの精査をするんです。
遠くから言い訳が聞こえてきました。代弁してまいります。
・ユーザはユーザ側の業務に忙しい
これは非常に頻繁に聞かれる言い訳ですね。ただし、これは99%誤りです。
もし忙しいだけなら、開発ベンダに金を払って多くの工程をエンジニア側に渡せば良いんですよ。そんなお金がない?それはビジネスの方向性が誤っているということです。エンジニアに依頼もできない程度の利益で果たして会社が成立し続けると思いますか。
っていうかSIerを雇っている分を払えばいいじゃん。余裕余裕。弊社なんか私達の稼働は工数扱いにならないので、ただ余分に月給払ってるだけですよ。無駄無駄。
・ユーザにはIT知識がないから対応できない
ユーザが使用するシステムを作ろうとしているのに、そのバックグラウンドのことを一切理解できないままに成立すると思ってることが不思議です。
少なくともうちの会社についていうと、要件定義にはユーザ部が参加するんですよ。コレ、当然ですけど、システムの知識求められます。よく騒がれますが、どの程度あればいいんだ、ということではないんです。あればあるほどいい。なければないほどよくない。
それってシステムに限らないじゃないですか。金融系なら投資にかかる商品の知識、金利、将来予測、統計、流行。全部あればあるほどいいですよね?どのくらいあれば許されるとかじゃないんです。お仕事の一環なんですから、知識はあればあるほどいい。ただそれだけのはずです。
新卒採用で入社した文系(※)が何もわからない状態で設計書のレビューをしたりペアプログラミングでコードを書いたりすることは「どの程度知識があれば良いんだ」という議論になるでしょうか?ならないですよね。それと同じです。
(※偏見ではなくエンジニアは文系出身とか関係なく必ず成長しますが、入社したての1年くらいは多少の不利があると思っています)
つまるところ、知識がないというのは甘えなんですよね。誰かになにかの知識を依存するのは甘えです。(専門は別です。”IT”は専門で括れるほど小さい枠ではありませんよね)
こんなものです。
申し上げたこのあたりの話は、規模が極大なシステムだからこそ特に言われる話ではありますが、現場感覚では余裕で改善できることがわかります。
ボトルネックになるのは常に親であり、経営者である。そういう実態が蔓延しています。
自分たちでシステムの知識を増やそうともせずに、SIerに任せて終わり。
そのくせ多くの場合は子会社だったりグループ会社だったりで、技術面にかかるアドバイスが経営に関わっていけない。(CTO?なにそれ美味しいの?)
なにか起きれば叱られる。良いことが起きても褒められない。(稼働率は100%しか許しません!)
ユーザが全て悪いというよりは、SIerという仕組みそのものが、国内の技術進歩を大いに妨げているものと考えます。
日本のSIerは腐っているしこれから更に腐っていく。腐り落ちるときには、それを放置し続けた親会社も腐敗が進んでいます。
全体が腐り落ちる前に、なんとかしましょう。自分の企業のために。この国のために。そして何より、自分自身のために。
技術力さえあればなんでもできる世の中になりつつあります。
皆で頭を捻って、毎日ほんの少しでも世界を良くしていきましょう。
それではまた。
2020/7/22追記:
おそらくコロナの影響下で皆様の目に留まってか、一年前の記事にも関わらず反応を頂戴しております。
そのうち記事で書くかもしれませんが、実は2020年3月末をもってこの会社を退職済みです。4月から、大手ではありますが桁違いのスピード感で働ける会社へ転職いたしました。腐り落ちる前に逃げた形ですね。
とはいえ、環境さえが良ければ能力が自然につくわけでもありませんし、引き続き精進して参ります。
前の会社でも、私を含めかなり多くの若手が流出していることに危機感を覚え始め、人事制度をかなり大きく変えるなど動き始めていると聞きました。悲しいほどに遅い動き出しですが、我々の退職やコロナ禍すらもきっかけと捉え、少しでも良い会社になってくれることを願っています。