このシリーズは2003年の1月以来、何回にもわたって私のホームページとブログの両方に書き散らしてきたものです。今回はこれを(これでもw)短めに編集して ALIS に公開し直すことにしました。
ある男子トイレの小便器の上の壁にこんな貼り紙がしてありました。
いつもきれいにお使いいただいてありがとうございます
なんか、これ、引っかかりません? なんか皮肉に聞こえません?
でも、例えば「トイレはきれいに使いましょう」なんてストレートに書いてしまうと、
俺がきれいに使ってないとでも言うのか、ゴルァ!
などと絡んで来る人がいるんでしょうか? まあ、確かにそういう人もいるかもしれませんね。
そんなことを考えていて思い出したのですが、アメリカ合衆国に行くと Thank you for not smoking という表現にお目にかかります。私はこの表現を初めて目にしたとき、ははあ、「禁煙」という日本語と比べるとなんと柔らかい表現だろう、と驚嘆しました。これがフランクで社交的なアメリカ人気質なのかなあ、と感心しました。
「いつもきれいにお使いいただいてありがとうございます」という表現は実は構造的にはこの Thank you for not smoking とよく似ているのですが、しかし、どことなくなんか違うのです。
たとえタバコを吸おうと思っていても Thank you for not smoking に出くわすと、「あらら、先に言われちゃった(笑)」という感じになるのに、便器を前にして「いつもきれいにお使いいただいてありがとうございます」と言われると、なんかそこら中におしっこ撒き散らしたくなるんですよね。
そんなことないですか?(笑)まいっか。今回はこのぐらいにしておきましょう。いつも最後までお読みいただきましてありがとうございます。──ね? こんな風にクソ丁寧に書かれると、ちょっとイラッとするでしょ?
トイレにおいては丁寧よりもユーモアのほうがみんなを公衆道徳に導くのではないでしょうか? 例えば男子トイレで時々見かけるこんな標語(川柳?)のように:
朝顔の中に落とせよ芋の露
一歩前へ 君のはそんなに長くない