
最近はインバウンドの増加を反映してか、日本国内でもいろいろな外国語表記を目にします。中でも特に多いのは中国語ですよね。
私は中国語の知識はまるでありませんが、漢字というものが共通であるがゆえに知らなくてもかなり意味は解るし、意味が解るだけに表現の違いを面白く感じています。
たとえば、これは前に他のところに書いたことですが、中国語では「手紙」がトイレットペーパーのことらしく、では、手紙のことはどう言うのかと言えば「便」だと言うから面白いじゃないですか。ついつい「ベン」と読んでしまうとトイレット関係かと思うのですが、「ビン」あるいは「たより」と読んだらなるほどと思うでしょ?
で、最近なるほどと思ったのは「手机」というのがどうやら携帯電話/スマートフォンのことらしいということ。これには大変感心しました。

手帳は手のひらサイズの帳面のことですが、もはや手のひらサイズで机並みの働きをする、と言うか、手の中であらゆるデスクワークができるということか!とひとり得心していたのでした。
ところが、ふと気づいたのですが、中国語で空港のことは「机場」と書いてあるではないですか。例えば成田空港なら「成田机場」と(もちろん中華人民共和国では「場」も簡体字ですが)。
つまり「机場」=「飛行場」であり、これはどう考えても「机」は飛行機の「機」なんだろうということ。即ち、「同音による書き換え」ではないでしょうか? 日本でも歴史的に見れば数多くの「同音による書き換え」が行われてきました。難しい字を簡単な字で置き換えるのです。
たとえば、「障碍」の「碍」を同じ読みの「害」に置き換えて「障害」としてしまったために、障碍を持った人たちから異論が唱えられるというようなことになってしまったのはその代表的な例です。
同じ読みと言っても中国では「四声」があるので、読みとイントネーションが一致しなければなりません。気になって調べてみると、思ったとおり「机」と「機」は音も四声も一致しています。やっぱり「同音による書き換え」なのだな、と思いながら、もう少し辞書を読み進むと、あらら、「『机』は『機』の簡体字」とあります。
書き換えには違いないのですが、なんと、中国ではもう「機」という字はないのです。昔「機」と書いていたものは全部「机」に改められていたのでした。
こういうのを知ると、これまた面白いです。
で、本日の結論としては、スマホ=「手机」は handy desk ではなく handy machine だったということ。なーんだ、つまらない。
ただし、以上はどれもこれも中国語を知らない私の推測に過ぎません。中国語に堪能な人がこれを読んだら、「いやいや、それは全然違うよ」という反論が来るかもしれません。
それはそれでまた面白いじゃないですか。
私は中国の漢字と日本の漢字の共通性を探ろうとして面白がっていたわけですが、たしなめられて今度は多分、中国の漢字と日本の漢字の相違を知ることになるのですから。
国民性ってそういう両面の学習の繰り返しで知ることになるんじゃないですかね。










