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その6 プラス利子による経済格差拡大とベーシックインカム

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  • tsugumi
  • 2019/11/12 13:04
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夕暮れの月

久しぶりの続きです。きちんと書かなきゃと気負うほどに筆が進まなくなっていました。語りたいことがたくさんあって頭の中をぐるぐるしていたのですが、なんだかひとりよがりになってしまい上手く書けません。なので、余分なことは切り落として短くしました。

人と自然とその模倣に少し触れてから本題に入ります。

人がずっと昔から宇宙や自然の仕組みを知ろうとしてきたのは、怖れの克服であったのかもしれませんね。どうしても敵わない。だから、観察し学び対応してきた。

まあ好奇心の塊のような生物でもあるんだろうけれど、それはまた別の話。

現代は、お金さえあれば生きられるかのような社会になっていて、自然のことを無視していても日常には関係ないように思えてしまうかもしれません。でもそれは、見えていないか、見ようとしていないだけなんです。

お金で廻る社会だからこそ、お金に自然を模倣した設計を投影させなければ、知恵を無くした集団運動を続けてしまうでしょう。

 

サスティナブルな通貨

その3 既存金融との違い の「無利子又はマイナス利子」の中で「自然は全てが減価する」という考えに疑問を感じていることは書きました。メモしておいたふたつがこちら。

_φ(・_・   命をつなぐ行為はサスティナブル

_φ(・_・   米を"食べる"目的の中に閉じ込めておくのが価値の保存≒通貨

このことから、閉じ込めきれないエネルギーは対象の外に出るけれど、出て行って消えるのではなく、他の働きへと移行するのではないだろうか。ですから、通貨にマイナス利子を採用するのなら、マイナスされた分は「サスティナブルにするための何か」に利用するのが、今考え得る中では最善な気がしています。まだはっきりとは描けていないので、マイナス利子については一旦ここまでにします。

 

プラス利子と時間が拡げる経済格差

さてここで、プラス利子は経済格差を拡げるよね? という問いです。ここで言う経済格差は個人所有の差を指すものではなくて、金融構造そのものが拡げる差のことです。

 

ミヒャエル・エンデはこのように話しています。

『ある人が西暦元年に1マルク預金したとして、それを年5%の複利で計算すると、その人は現在、太陽と同じ大きさの金塊を四個分所有することになります。別の人が西暦元年から毎日8時間働き続けてきたとします。彼の財産はどの位になるのでしょうか。わずか1.5Mの金の延べ棒一本に過ぎないのです。』

 

収入が少ない人は、収入の大部分がそのまま支出となり市場に流れます。

収入の多い人は、支出以外に、資産を所有します。

プラス利子経済での資産は基本的に増えます。

小さな物事より大きな物事の方が変化のスピードは遅いですね。ですから、給与や物価等の市場価格の変化は、富める者の資産が順当に増えるのと比べて遅いでしょう。

市場価格の変化が追いつく前に増えた資産はさらに増やすことが可能であり、経済が成長するほど差額としての数値が拡大し、人々の経済格差も拡がっていくのではないかと考えています。

(他の要因も様々あるでしょうがここでは省きます。)

 

プラス利子とベーシックインカム

上の問いが仮に正しいとすると、プラス利子経済においてベーシックインカムを導入した場合、経済格差がより拡がる恐れがあります。

最低生活保障が一律に支給されると、初めは貧困層の生活は楽になります。しかし、自由経済における合意性による市場価格は徐々に上昇してくるでしょう。そうなれば、貧困層の生活は元通りに切迫してしまうのです。そしてより一層格差は拡がっていく。もし、基本的人権保障のための通貨が、自由経済に飲まれ格差拡大へとつながってしまうのであれば、ベーシックインカム本来の目的とは完全に乖離してしまいます。

このことから「ベーシックインカムはマイナス利子で行うべきである」と提案します。定期的な通貨の供給に対し常に減額を行えば  ・通貨の供給過剰  ・余分な通貨の滞留  ・市場価格の異常な上昇  を防ぎ、そして必要とされる場には届くはずです。

 

経済社会における敗者は、人の可能性も価値も通貨により制限されています。

国家概念の理想はどうであれ、法定通貨の現実での流通は、空間や人的背景などが発行元に近いほど手に入りやすく遠いほど手に入らないという、シンプルな様相を呈しています。

 

ここで私が特に問題視しているのは「金銭的見返りを期待できる行為"以外"の死」です。金銭的な見返りを求める行為が、一人一人大切にしている価値感を上回ってはいけないのではないでしょうか。

基本的人権はもちろんのこと、全ての人の可能性を活かすことは、ひいては社会全体にも寄与するものだと考えます。

 

物質的豊かさを求めた時代は過ぎゆく

日本の高度経済成長期にものごごろがついていた世代の人たちは、戦後世代の大人たちがどれだけ物質的豊かさを求めてきたか、実感を伴ってご存知でしょう。私自身もその世代です。おかげでそれほど不自由せずに育ったことは素直にありがたいです。

けれども、疑いの無い幸せがその延長にあるのかといえば、違うとしか思えません。少しでも、舵をきることができたらと願っています。

 

ようやくここまで書けました。拙い文章を読んでいただきありがとうございました。

大事な部分だけはお伝えできたかなーと思いつつも、まだまだ説明不足なところはありますし、具体的な課題がいくつも残っています。あとひとつふたつ記事にしていくつもりです。すぐに書ける自信はなくて…気長にお待ちいただければ幸いです。

 

追記 2019.11.16

*ここで示しているプラス利子は、主にインフレ率のことを指しています。イメージに近い解説を見つけたので、結論は私の意見とは違いますが、下記にリンクを貼っておきます。どうぞご参照ください。


なぜ国はあなたのおカネを殺すのか?「インフレ率2%」の真の意味「福沢諭吉半殺し計画」の妥当性

高井 浩章

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58065

 

 

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