ちょっとこの数年、特に小説は余り追えていないので、本については語るまいと思っていたのですが、つい語りたくなってきたので書かせて下さい。
文句なしで、最高傑作と言えるのは獣の奏者です。
完璧な満足感を得たい場合には、ⅠとⅡで読むのを止めて下さい。
ただ、多分続きが読みたくて仕方なくなるので、全部読んでしまうでしょう。(笑)
全世界で大ヒットしてもおかしくない、歴史の残る名作だと思います。
世界観の作り込みが凄くて、多分、アニメにしてもVRにしても決して再現出来ない完璧な世界観がそこにあります。
以降は次点について。ここからは特に順位はありません。
恒川光太郎というのが日本風の歴史ファンタジー書かせたら天才なのですが、金字塔なのが金色機械です。解説するとあれなので、解説しませんが、滑らかな描写と心に残る残照に加えて奥深さとストーリーがあるのがこの作品です。
ホラー小説の印象が強い、貴志祐介が描く残酷なまでに美しい情景。というのはキレイ過ぎる修辞句で、歪な、やや異物が残る描写が芸術になっているという作品です。サイコキネシスとか言う解説があるので、なんじゃそりゃって感じがしますが、割と1000年後の日本という説明文の方が重要です。
早熟の天才だった伊藤計劃。僕は二部作だと思っていて、『残虐器官』と『ハーモニー』です。別世界というか異空間なのに飲める込める世界。
全部同じ解説なんですが、まぁ読んでくれ、と。
以上、国産ファンタジー小説についてでした。
ファンタジーってアニメにしちゃった方が分かりやすいんですが、微妙な空気感や感情の描写は文字でしか表せない部分があって。
その奥行きが魅力ですね。