1/6、米連邦議会議事堂で襲撃事件が発生し、それを扇動したとしてトランプ大統領(当時)のツイッターやフェイスブックのアカウントが凍結されました。
僕が、ALISへやってきたきっかけがこの事件です。
このトランプ派に対する言論統制はツイッターやフェイスブックだけではなく、アップルやグーグル、アマゾンまで及びました。
アップルやグーグルはアプリストアからパーラーと呼ばれるトランプ支持者が集まるSNSを削除し、パーラーにサーバーを提供していたAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)はパーラーへのサービスを停止。それによりパーラーは現在使用不可能になっています。
この巨大テック企業の連携による言論統制は、何が問題なのでしょうか?
「規約違反なら追い出されても仕方がない」という意見を聞きますが、それは一般論です。
巨大テック企業はもう、一般的なインターネットサービスを提供している企業ではなく、世界中で独占禁止法に抵触するのではないかと訴えられるほど支配的な企業です。
ツイッターもフェイスブックもユーチューブ(グーグル傘下)も、言論のインフラになっていて、それらがないと世界中に自分の言葉を生で発信できる手段はほぼありません。
だから、この問題が表現の自由を奪う行為だと問題になっているんですね。さらに、この言論統制は独裁的な権限奪取です。
一企業によって、表現の自由を奪っているわけなので。
ドイツのメルケル首相も同じ考えで、今回の騒動についてこういった発言をしています。
「表現の自由は、基本的権利として重要」として、その制限は「法に従うべきであり、民間の企業が決めることではない」
つまりこれは、表現の自由を規制するならば民主的な手続きに則った「法」として行うべきで一企業が独裁的に行うべきではないということ。
僕は、陰謀論を含む都市伝説をツイッターで発信していたので、ツイッターの規制にビビり、Gab(ギャブ)という検閲が一切ないSNSのアカウントを取得していました。
ただ、規制されない空間ではあからさまなデマ情報が多く、やはりある程度の規制は必要ではないかと考えていました。
そして、メルケルさんの言葉を聞き、民主的な監視によって行われるブロックチェーンを用いたSNSに興味を持ち「トークンエコノミー」という発想に惹かれて「ALIS」にやってきたわけです。
トークンによってそれぞれの発言が評価される世界は、民主的だと言えます。ツイッターなどの中央集中型とはちがい、分散管理なので一部の人の独断で排除されないし。
ただ、ブロックチェーンというシステムは、思想的には少し問題があると思います。
なぜなら、ブロックチェーンは無政府主義だから。
中央集中型ではないことはメリットでもありますが、それは国家による管理さえ拒否するシステムです。また中央集中型では責任の所在が明確ですが、ブロックチェーンの基本的な考えでは責任者がいません。
「ALIS」のシステムについてはそんなに詳しくないのですが、基本的にブロックチェーンは国家の否定する「クリプト・アナーキスト(暗号無政府主義者)」と呼ばれています。
国家というものは、基本的に一度受け入れた人間は最後まで面倒を見なければなりません。働けなくなったら生活保護で面倒見なければなりませんし、犯罪を犯したら刑務所で管理しなければならない。
でも、無政府主義というのはそういった責任がないんですよね。
これは巨大テック企業にも言えますが、彼らが人を追い出すことができるのは、人を最後まで面倒をみる責任がないからですね。やっぱり最後は国家が責任を負わなければならない。こういったベースの上に成り立ってるからこそ、規則に従わない人などを排除することができるのです。
クリプト・アナーキストたちは、ブロックチェーンを使い自分たちの理想国家をデジタル空間に作り上げようとしていますが、最終的な受け皿を作らない限り、おままごとで終わってしまうでしょう。
「国は国民を見捨ててる」とか叫ばれていますが、まだ受け皿の機能はあります。最終的にそれは刑務所かもしれませんが、国には社会に排除された人を受け入れる用意があります。
本来ならば、巨大テック企業の言論規制は、メルケル首相が言うようにそれぞれの国の法に基づいて行われるべきだと思いますが、今は巨大テック企業の権力が強くなりすぎて制御できない状態です。(米大統領さえ追い出せる様態)
「ALIS」を始め、ブロックチェーンで構成される「トークン・エコノミー」はやがて信用スコアと結びつくと考えています。「トークン・エコノミー」はまだ退出自由な空間なので問題があれば辞めれますが、信用スコアになればそうもいかないでしょう。多くの大手企業が取り入れるからです。(そうじゃないと意味がない)
信用スコアはトークンエコノミーのように評判で信用度が決定し、信用度が低いと受けられるサービスが限られてしまいます。(コンビニさえ出禁になるかも)
すると、信用度からあぶれてしまった人たちは、自由な経済活動から除外されます。その時に無政府主義によって国家というものが否定されると、あぶれてしまった人たちは「自己責任」だと非難され生活保護も受けられず路頭に迷ってしまうでしょう。(最低限の保障としてベーシックインカムが導入されそうですが)
ブロックチェーンとSNSはもう結びつきました。次はきっと信用スコアと結びつきます。そうなうとSNSは今まで以上に影響力が増すでしょう。
「これからのSNSはどうあるべきなのか?」
真剣に考える時代が来ましたね!
以上、【都市伝説系社会科学】ゆーごでした!
twitter:@yugohonjo