ユダヤ人というのは、ずば抜けた頭脳の持ち主だということでたびたび注目されています。
現に、ユダヤ人の人口は世界の約0.02%しかいないのに、ノーベル経済学賞受賞者の4分の1がユダヤ人です。
また、アメリカでのユダヤ人は人口は3%未満ですが、企業のCEO(最高責任者)は20%に達しています。
ただ、ここで上げたユダヤ人は一部のユダヤ人です。
全体的に見て、ユダヤ人というのは本当に頭がいいのでしょうか?
イギリスの認知心理学者リチャード・リンは著書「Race Differnces Intelligence(知能における人種的ちがい)」にて、世界各国で行われた知能テストのデータをまとめあげました。
そのデータ(2015年のもの)によると、
ユダヤ人国家であるイスラエルの平均IQは94.2
そして、日本人の平均IQは105.4
実は、日本人の方が高いんですね!
(ちなみに欧米諸国よりも香港や韓国などの東アジアの方が高い数値でした)
ただ、これはあくまでもイスラエルにいるユダヤ人のIQです。
イスラエルの統計によると、ユダヤ人というのは大きく3つに分類されます。
それが「アラブ系」「ヨーロッパ系」「オリエント系」。
「アラブ系」とは建国以前からイスラエルの地でユダヤ教徒として暮らしてきた正統派ユダヤ人です。
「ヨーロッパ系」には「アシュケナージ」と「セファルディム」がいて、アシュケナージはロシア・東欧で暮らしていました。
一方、セファルディムはスペイン系ユダヤ人とも言い、イベリア半島にいたのですがオスマン帝国(現トルコ)に移住したためナチスのホロコーストを逃れています。
そして「オリエント系」ですが彼らは「ミズラヒム」とも呼ばれていて、コーカサス地方(トルコの東、黒海とカスピ海の間あたり)より東に住むユダヤ人ですが、ベタ・イスラエル(エチオピアのユダヤ人)・インドのユダヤなどアラブ・ヨーロッパ系以外のユダヤ系をトータルして用いられています。
では、それぞれの系統の平均IQを見て見ましょう。
アラブ系=86
オリエント系=91
ヨーロッパ系=103
ヨーロッパ系が断然高いんですね!
さらにヨーロッパ系でも、セファルディムは97
アシュケナージには現在ヨーロッパで暮らしてる人とアメリカで暮らしている人がいますが、ヨーロッパは110、アメリカは115です。
ユダヤ人は大昔、国を追われて各地に散らばったのですが、ヨーロッパではキリスト教徒から迫害を受けていました。
理由はイエス・キリストを殺したのがユダヤ人だったという宗教的なものもありますが、選民意識(特別な民族であるという誇り)から各地の人たちに同化しなかったこともその一つです。
迫害された彼らは、キリスト教徒好まない金融の仕事にしか就くことができませんでした。
そこで、生き残るのは数学的な能力に秀でた人たちです。
金融の仕事以外に仕事がないので、計算能力が低いユダヤ人は淘汰されていきました。つまりユダヤ人が頭がいいのは、計算能力の低いユダヤ人が滅んでいったからです。生存バイアスというものですね。
さらに、ユダヤ人は選民意識から同化せず、ユダヤ人同士の結婚を繰り返していたので、知能の高い遺伝子同士が掛け合わさりさらに知能の高い遺伝子を残すようになりました。(これが1000年以上も続いたのです)
なので、アシュケナージだけが跳びぬけてIQが高いんですね。
このようにしてIQを高めていったユダヤ人ですが、その中でもとりわけIQが高く、裕福だった人たちはナチスの迫害を逃れてアメリカへ渡ることができました。
現在ヨーロッパに住むアシュケナージよりも、アメリカに住むアシュケナージの方がIQが高いのはそのためです。
こういった経緯でアメリカへ渡ったアシュケナージはアメリカの金融業やITで成功をおさめ、今でも世界の富をその手に握っているわけですね。
さて、ユダヤ人が成功を収めた理由は彼らが特殊な環境下で何世代もかけて知能レベルを上げていったからですが、知能レベルで収入が決まる社会になったことも要因です。(彼らがそういった社会をけん引したのでしょうが)
今、生きづらさを感じる人が多いのは、この社会のほとんどが頭脳という才能だけで判断されてしまうからですね。(もちろん全てではないですが)
人間は頭脳を進化させることで優位性を確立した動物です。なので、頭脳を基準とする社会が成り立ってしなうのは仕方のないことかもしれません。
でも、現代社会はAIやらブロックチェーンやら、平均的なIQを持った人でも付いていけないほど高度になり過ぎています。
これからの時代を生き抜くためには、頭脳以外で評価される道を切り開くことが必要だと思います。
IQというのは鍛えて伸ばすことも可能ですが、大人になるほど難しくなるでしょう。
慶応義塾大学教授の安藤寿康氏の著書「遺伝マインド」によると一般知能の77%が遺伝によって決まり、あとの23%は子供の頃の友人関係に影響されるからです。
さらに遺伝的影響は年を重ねるごとに影響が増すので、IQを伸ばすことはだんだん難しくなるんですね。
ただ、ワーキングメモリという脳の処理能力を鍛えることは可能です。
運動や軽度の計算、読書などで鍛えれば、IQが上がと言われています。
またストレスや悪い生活習慣によってIQが下がってしまうので、それを防ぐことも重要でしょう。
このようにワーキングメモリを鍛えることは大切ですが、やはり生まれながら天才的な遺伝子を持った人には敵いませんよね。
なので、ワーキングメモリを鍛えるだけではなく、頭脳以外でも評価される道を模索することが重要だと思っています。
幸いなことに、今はゲーム実況などでお金を得ることも可能な時代です。
頭脳勝負に自信がない人は、頭脳で評価される道から外れ、自分の個性を発揮できる道を模索していきましょう!
そのうち、AIがAIを作るような時代になれば、高度な知能を必要とする時代も終わってしまうでしょう。
その時のためにも、頭脳以外で評価される道を見つけることは大切なんですね。
参考
言ってはいけない(橘玲)
もっと言ってはいけない(橘玲)