教育用語の年齢主義(ねんれいしゅぎ)と修得主義(しゅうとくしゅぎ)をプロ家庭教師が解説しています。年齢主義(ねんれいしゅぎ)とは、生徒の年齢によって、扱いを決定し、20世紀の日本の学校の標準でした。修得主義(しゅうとくしゅぎ)とは、生徒のカリキュラムの修得によって、扱いを決定することです。
履修主義と課程主義も似ていますが、卒業要件に重点が置かれた制度思想です。
2019年04月03日に経済同友会は、経営者の視点として年齢主義から習得主義への転換を提言しました。(元記事)
【年齢主義とは】
年齢主義(ねんれいしゅぎ)とは、生徒の年齢によって、扱いを決定することです。20世紀の日本の多くの公立学校で採用された制度で、生徒は年齢によって学年とカリキュラムが決定されます。
日本では法律で学齢を定義しており、学齢に合わせて、一斉に小学校に入学し、卒業することが常識となっていました。卒業の要件としては、授業に参加して、一定時間が経過すれば、卒業となります。卒業試験があるわけではありません。
年齢主義は、義務教育においてよく採用される制度思想で、飛び級や原級留置(留年)は認められません。
【修得主義とは】
修得主義(しゅうとくしゅぎ)とは、生徒のカリキュラムの修得によって、扱いを決定することです。修得主義では、生徒の年齢によらず、所定のカリキュラムを履修すれば、卒業となります。修得主義においては、飛び級や原級留置(留年)も可能となります。
【年齢主義と修得主義】
年齢主義と修得主義に加えて、履修主義と課程主義があります。履修主義と課程主義は、どちらも卒業要件に重点が置かれています。
【履修主義とは】
履修主義(りしゅうしゅぎ)とは、カリキュラムを一定期間履修すれば、卒業要件とすることです。学校の出席日数が足りない場合は、卒業させないという考え方は、履修主義になります。
【課程主義とは】
課程主義(かていしゅぎ)とは、カリキュラムの習得を、卒業要件とすることです。テスト成績が赤点の場合は、進級させないという考え方は、課程主義になります。