「温故知新」は「過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと。(コトバンク様のデジタル大辞泉より)」という意味です。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と訓読します。
一般的な類義語は見られず、表現の難しいものでは「覧古考新」「承前啓後」「継往開来」「彰往察来」などがあります。
また、対義語は「前車の轍を踏む」あるいは「二の舞を踏む」などが挙げられます。
かつて、学者の落合陽一先生は「テクノロジーの分野では、過去の20年を調べると、次の10年の流れがわかる」というようなことを仰っていました。
テクノロジーのような時の流れの凄まじい分野では、温故知新もこの程度にしか役に立たないようです。
(ましてや、これからさらにその傾向は強くなるわけで。
ITのテクノロジーで言えば、以前は「ドッグイヤー(時の流れは他の分野の約7倍の速さ)」と言われていたものが、今や「マウスイヤー(同約20倍)」ですから)
しかし逆に言えば、テクノロジーの分野であっても役に立つ四字熟語である、とも言えますね。
というわけで、まずはこの段階で評価をしておきましょう。
率直に言って「A」かもしれないと一瞬は思ったのですが、テクノロジー以外ならほぼ万能的に使えますし、やっぱり「S」かなと。
「温故知新」の例を検索してみたところ、以下のページに出会いました。
小学館様の解説サイト内の記事です。
東京スカイツリーは五重塔の建築からヒントを得て造られた、というエピソードが良いですね。
該当部分を以下、引用させて頂きます。
東京スカイツリーは、1300年以上も前に建てられた法隆寺の五重塔に着想を得て建築されたのだそうです。五重塔の中心には、心柱と呼ばれる大黒柱のようなものが立っています。この心柱は、外周部の塔体と直接つながっていないのだとか。
この仕組みが、地震の揺れを軽減させ、塔を倒れにくくしているのだそうです。東京スカイツリーもこの仕組みを参考にして、中心に心柱を立てています。まさに昔の知恵から着想を得たという意味で「温故知新」といえる例ですね。
このように「温故知新」で新たな物を生み出すのも良いですが、対義語の「前車の轍を踏む」または「二の舞を踏む」というようなことをしない、というのもまた大事なことです。
そのためには、過去の歴史を調べる必要があるわけですけれども、そこでインターネットが大活躍となるわけですね。
あー、やっぱこれは明らかに「S」ですわ。
新たな物を生み出すことができなくとも、損害を回避できたらそれだけで「やって良かった」となるわけですから。
書きたかったことは以上ですが、ここからは余談で。
「温故知新」で検索すると、株式会社温故知新様を見つけました。
ラグジュアリー路線のホテル事業をされているようで、ちょっと嬉しくなりました。
(日本もマリオット様に良いようにされているばっかりじゃない……て、感じで)