オリエンタルラジオの中田敦彦氏の動画『あなたの知らない高級腕時計の世界!』を拝観致しました。
まず「高級腕時計とは機械式の腕時計であり、工業製品ではなく美術工芸品の扱いである」という話から入っていきます。
つまり「時刻や時間を知る機能を持つ道具(普通の時計)ではなく、ついでに時間もわかる芸術品」なわけです。
10:30ぐらいまでは、この機械式の腕時計の説明になります。
それ以降の字幕をメモとして切り出してみました。
で、最も核となるところは、20:00~の「大富豪の気持ち」ですね。
大富豪は心の中でこんなことを思っていても決して口には出さないでしょうから。
何故、大富豪は“一億円の腕時計”を買うのか?
「その理由は、一言では説明できない」
と、中田氏は仰っておられますけれども、あえて私は一言で説明します。
「それは“信用(信頼)の証し”だから」
……って、さっぱり意味がわかりませんよね。
やっぱり無理がありましたわーあははははは。
というわけで、もうちょっと書き加えてみます。
“一億円の腕時計”は時計という道具ではなく“信用(信頼)の証し”です。
「“一億円の腕時計”は、誰もが売ってもらえるものではない」
「“一億円の腕時計”は、重量で金額が決まるものではない」
故に、いざという時(戦争などの緊急時)に持ち運ぶのが容易です。
ちなみにこの“一億円の腕時計”に対するものとして、中田氏は「金(きん)」を例に挙げています。
金(きん)は、基本的にお金さえあれば誰でも売ってもらえるものです。
しかし金額が大きくなればなるほど、金(きん)に換えた時の重量は重くなりますので、いざという時に大量の金(きん)を持って移動するのはかなり大変です。
これを言い換えると「金(きん)はお金の信用(日本円とか米ドルとか)のみで買うことのできるものですが、“一億円の腕時計”を売ってもらうには、売り手との信頼関係、つまり家や個人の信用が必要」となります。
何代も続く由緒正しい名家なら、そのお家の信用でその腕時計が買えます。
信用がないお家の個人の大富豪は、一代でその信用を築く必要があります。
なので、その一億円の腕時計を売ってもらうために、それ以外の腕時計を買って信用を築く必要があるのです。
このように滅多に売ってもらえないものなので、その一億円の腕時計には希少価値があり、いざという時に売ろうとすると「買った時と同等かそれ以上の値段が付く」わけです。
さて、ここで。
せっかくなので、中田氏が仰っていない話を追加します。
世界三大雲上ブランドとは以下の三つのブランドですが。
1,パテック・フィリップ(Patek Philippe)
2,オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)、
3,ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin)
あえて世界一を決めるなら、1番の「パテック・フィリップ(Patek Philippe)」です。
パテック・フィリップ(Patek Philippe)だけ別格なんですね。
何故かと言いますと「永久修理を掲げていること」と「創業者が貴族である」からです。
永久修理は「自社製品ならどんなに古いものでも動くように修理する」というものですが、もちろんそれなりのお金が必要ですし、部品も当時のものを再現するのではなく最新のものと交換されます。
それでも「どんなに古いものでも動くように修理すること」を掲げているからこそ、子や孫の代、それ以上の末代まで安心して持つことができますので、その「信用」も含めてお客さんに売っている、とも言えます。
あと、創業者はアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランチシェック・チャペックですが、前者のアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックがポーランドの亡命貴族(伯爵)でした。
以上の二つの理由が他の二社と異なるところですが、やはりパテック フィリップ(Patek Philippe)が世界一なのは「永久修理」でしょう。
「おじいちゃんから受け継いだ腕時計を何とか修理して欲しい、お金はいくらかかってもかまわない」
そんな腕時計はもはや腕時計ではなく、おじいちゃんの思い出の品という特別なものになるわけですから。
さて、ここまでで何回も「信用(または信頼)」という単語を使ってきましたが。
まとめると「高級腕時計の世界は、業者さんとお客さんと信用を用いて繋がっている世界であり、その証しが一億円の腕時計」という話にもなるわけです。
(一億円の腕時計を買うことのできるお客さんはその分、他のお客さんよりも多大な「信用」がある、とも言えます)
しかし、これは大富豪のようなすごいお金持ちだけの話ではありません。
実は、これからそれが庶民に下りてくるんですよね。
Web3.0にメタバース、暗号資産にDAOに……あと、なんだっけ。
ここら辺のものを使うには、由緒正しい家に生まれたとか大金持ちであるとかは、一切関係ありません。
(例えば腕時計以外の趣味等の世界をテーマとするメタバース上に、同様の世界が広がるとどうでしょうか。
その世界で「使う能力がある人だけが適応できて幸せ」という状態になります)
要するに、使うためには「使う能力があるか」だけが問われるようになります。
この能力は「手段」として、つまり暗号資産やWeb3.0などのテクノロジーの知識や使い方ともう一つ。
今回の話のような「目的」として、つまり「それを使って何をするのか」の使い方の能力も問われることになります。
で、今回の“一億円の腕時計”の場合は「資産の保全」と「いざという時に持ち運べる」という使い方をしているわけですが。
これは我々一般人の常識的な腕時計使い方、つまり「時刻や時間を知る」という使い方ではありませんよね。
「常識的ではない、だから間違っている」という短絡的な考えに陥りがちな人は、今から気を付けた方が良いでしょうね。
でないと、Web3.0の世界に適応できない恐れがありますので。