以前、以下の記事を書いた時にも触れたことですけれども。
日本で消費税が導入された理由は「他国では成功していたから」でした。
しかしやってみてわかったことは「日本では向いていなかった(日本人には向いていなかった)」というものです。
そもそも消費税にもメリットというものがありまして、先にそのお話を。
まず消費税の目的を今の政府の言う「社会保障の安定財源」に限るとしましょう。
これは消費税率10%への引上げの理由とされているものです。
詳しくは財務省様の以下のページをご参照ください。
それならば、以下のことが最大のメリットとなります。
◎受ける側にも幅広く負担して頂くことが可能
つまり、年金の場合なら、年金を受け取るお年寄りにも税金を負担してもらうことが可能になります。
これを例えばすべて所得税で徴収するとなった場合、働いた人だけが負担することになりますよね。
そしてもう一つ、以下の大きな利点があります。
○個人の努力で節税が可能
引き続き上記の例を使いますと、サラリーマンだと節税が難しいですよね。
(できないこともないですけど、手段は限られます。
参考までに、りそな銀行様の以下の記事をリンクさせて頂きます。
ご興味のある方はどうぞ)
消費税の場合は「できるだけ税金を払いたくない」と思ったら、個人でも簡単にできることがあります。
その商品を「買うのやめる」か、より「安いものを選ぶ」か、ですね。
ところがどっこい!
この大きな利点が、日本人の場合はデメリットになりました。
国民が節約し過ぎて、国全体が貧しくなってしまったのです。
ちなみに、我々のこの「節約志向の強い国民性」は、別のところでも貧乏の一因となっています。
所得の増加分より消費に振り向ける部分の割合を「限界消費性向」と言います。
イミダス様の以下の記事をご覧ください。
該当部分を以下、引用させて頂きます。
まず「限界消費性向」の説明から。
臨時収入があった場合、どれだけ消費に回すのかという「財布のひも」を示すのが、「限界消費性向」だ。「限界」とは「追加された…」という意味で、新たに増えた所得の中で、何%が消費に回されるかを示す。10万円の臨時収入があり、その内の8万円を旅行などに使い、残りの2万円を貯金した場合、限界消費性向は0.8(=8万円÷10万円)となる。
つまり、使ったお金の数値ですから、高い方がお金を使う傾向が強いと言えます。
日本とアメリカの「限界消費性向」については以下。
日本の限界消費性向は0.7程度と言われていた。しかし、景気対策の一環として1999年に配布された総額6194億円の地域振興券の場合、消費に回されたのは32%だったと政府は推定している。地域振興券の限界消費性向は0.32だったことになる。
また、2009年に打ち出された総額2兆円の定額給付金について、民間のシンクタンクは限界消費性向を0.2程度と予測している。限界消費性向がこの程度なら、「財布のひも」が固すぎて、消費を増やそうという景気刺激策は、ほとんど役に立たないことになる。
一方で、アメリカの限界消費性向は、日本に比べてかなり高く、0.7~0.9程度とされている。「財布のひも」が緩いアメリカでは、消費を増やす景気対策が、日本よりはるかに効果を上げている。
引用は以上です。
お客さんがお金を使って物を買うことで、そのお金の一部が物を売った先の会社(製造業や小売業等)で働く労働者のお給料にもなるわけです。
そのため、この限界消費性向が低く節約しがちな国民性を持つ我が国では、このような「景気対策の効果があまり期待できない国」であると言えます。
(ま、そんなことを言われても、要らないものは要らないしお金は大事ですよね。
そこで私は「自分への投資」に当たるものを買う、ということをおすすめしていますけども、それも私の書いたものを読んで頂いた人に限られるんだなぁーこれが。
アメリカのような限界消費性向の高い国民だと、そうやって消費する中で「自分への投資」に気付く人もたくさんいると思います)
というわけで、結論と致しましては「消費税は日本人には向いていない。何故なら節約志向の強い国民性が、消費そのものを停滞させることに繋がったから」でした。