以前、以下のような記事を書いていました。
上記リンク先の記事では厚生労働省様の「自殺の統計」の中の資料にリンクさせて頂いておりますが、ここでもリンクさせて頂きます(↓PDFです)。
で、前回の記事もここから引用させて頂いていたのですが、今回は前回には取り上げなかった以下の図を引用させて頂きます。
まずは「自殺の原因・背景について」の図から。
この図ともう一つ「自殺の原因・動機別自殺者数の年次推移」のグラフも。
この図には「自殺者一人につき4つまで~中略~単純に比較することはできない」とありますが、私の弟も遺書がなかったので病苦が原因としています(←だから母親に病気だから仕方がなかったと説得)。
図の引用は以上です。
一つ目の図にもありますが、自殺に至る直接の理由に「困り事を抱えていて、精神科で診断がつくレベルのうつ状態になっている」という人が非常に多いことが挙げられるそうです(参考:NIKKEI STYLEアーカイブ『医師が語る 自殺する人と、踏みとどまる人の違い 自殺について考える(上)』)。
で、その状態に至る理由が、前者の図の「多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている」とされているわけです。
この図があまりにも多様過ぎるのではと思ったので、もう少しまとめてみます。
まず、人生の目的は「幸せに生きる」ことであり、これが概ね達成できている時には、自殺を考える必要がありません。
では、自殺を考える必要のない状態とは、どういうものか。
それは生きていく上で、あまり大きな問題がなく、悩みも比較的少ない状態ではないかと想像します。
この部分は人それぞれであり、同じ問題であっても「ある人には多大であり、またある人には些細なこと」となるところです(また、同じ人であっても「その問題が精神的に弱っている時に起こる」と、より多大に感じるということもあるでしょう)。
さて、この問題を解決する上で、人によって「その手段が使えるか、使えないか」という差異があります。
その差異とは何か?
「お金」です。
お金持ちの(=お金のある)人は、お金を使うという手段によって、取れる選択肢が多くなります。
また、今現在の所持金は少なくとも、仕事ができる(=お金を稼ぐ能力のある)人は、自らが働いて収入を得ることで、やはり取れる選択肢を多くすることができます。
お金があるか、お金を稼ぐ能力があるかすれば、未来に対する不安というものが少なくなります。
私はこれまで、昭和・平成・令和の時代を生きてきましたが。
バブル崩壊以前の大量生産大量消費時代までは、とりあえず真面目に働けば人生は何とかなる、という根拠のない自信が心のどこかにあって、時代的な不安というものはあまり感じなかったなと思います。
で、お金があれば、前者の図は以下のようになります。
……ぜーんぶ軽減、または解決できるやないのー。
(お金があれば、経済・生活の問題は解決。
また、お金持ちになることで失恋を回避、家庭教師を雇って学業の不振が改善、給料が下がる異動で仕事疲れを軽減、夫婦関係の不和が改善……などなど)
そこで思い出したのが、高福祉国の国でかつ世界幸福度ランキングでも上位の国、フィンランドです。
以下の記事が検索されてきました。
これって、日照時間が少ないことによって(セロトニン不足になって)引き起こされる冬季鬱が原因では……と思ったら、上記リンク先で否定されていました。
一つは気候が厳しくて日照時間が短い冬が自殺を引き起こす理由ではないかと言われています。
しかし、この説はすでにデータによって否定されています。
意外にもフィンランドで起きた自殺は季節に関係なく、どの月にも比較的に平均的に起きています。
しかも、自殺数が若干高めの時期が5月から7月中旬という期間で冬ではないです。
最も関係する理由は「濫用」と「中毒」です。
アルコール中毒や薬物濫用が自殺者の半分くらいを占めていると言われています。
引用は以上です。
そこで思い出したのは、アルコールや薬物などの依存症は「孤独の病」とも言われていたことです。
孤独を忘れようとアルコールや薬物を摂取し、そのまま依存症にまでなってしまう人が非常に多いと。
そう言えば昔、故・フランク・シナトラが亡くなる直前、彼の枕元で遺族が相続争いをしていた……とかいう記事を読んだことがありました。
歌手として大成功を収め、ものすごい大金持ちになっても、孤独という不幸はお金で解決できない……というよりも逆に、お金によって孤独という不幸な状態になってしまうということもあるのだなと。
(そもそもそんなに大きな成功を収めなくとも、働くとも生きていける程度の成功でかつ仕事にも行かなくなると、孤独に陥りやすくなります。
そこで孤独が辛いタイプの人は、それが自殺に至る原因にもなるかと思います)
というわけで、長くなりましたのでこの辺りでまとめますと。
①自殺の原因・背景を考察すると「お金で解決できるものと解決できないもの」と「不安と孤独」が見えてくる
②上記をさらに考察すると「お金に問題のある不安とお金に問題のない孤独」という組み合わせの場合が、比較的多いのではないか?
以上です。