
今回の結論は前回の追記と言えなくもないお話ですが。
もうちょっとカッコつけて言えば、以下のようになります。
①天然資源→②人的資源→③人的資本
かつ、今の日本は「②番までは上手くいけたのに……」というところです。
(なお、③の別の表現では、アルビン・トフラーの「第三の波」が相当します。
こちらの表現にもご興味ある方は、どうぞ)
石油や鉄鉱石などの天然資源を持たない日本は、国民の各人が優秀な労働者となることで、GDP世界第二位の豊かな国となることができました(今は四位まで後退してしまいましたが)。
この優秀な労働者が「②人的資源」に当たりますが、これからの時代は「③人的資本」まで、国民を育成する必要があります。
……が、国にそれを望むのは無理でしょう。
政治家でここまで理解している先生は、非常に少ないからです。
(というか、それ以前に基本的な経済や経営の知識がない先生がほとんど)
というわけで、この文章をお読み頂いている皆さんだけでも、是非。
②と③の違いは、②は基本的に「需要VS.供給(ミクロ経済)で使い捨て」であり、③は「経済圏(マクロ経済)で分配・循環・継続の対象」です。
②需要VS.供給(←ミクロ経済学の「価格理論」)
労働者は老いて働けなくなったら無価値……となると、捨てられる
③経済圏(←マクロ経済の「経済圏」)
労働以外の生産活動でもお金を稼ぎ、お金を使うことで貢献できる
三面等価の法則(生産、支出、分配の三面いずれからみてもGDPは同値)
GDP=生産(売ったもの、供給)=支出(買ったもの、需要)=分配
(この「分配」のお金が経済圏の中を循環、それが継続)
……GDPをざっと説明するとこんな感じですが、もう少し細かいのを……

……以前に作成した使い回しの図ですが、ご参考になれば。
日本人の労働者に対する考え方は概ね②なので、自らを使い捨ての対象とされないためにも、③のマクロ経済学の基礎知識を身に着けておくことを、強く強くおすすめしたいです。
さすがにこの記事だけでは難しいのですが、できるだけまとめてお話しします。
というわけで、ここでタイトルの「マクロ経済」で、経済圏(分配・循環・継続)を知っておくと良いという話が出ましたが。
諺の方をお話しすると、以下です。
その一、金は天下の回りもの
その二、情けは人の為ならず
(その二を「情けはその人の為にならない」という誤った意味で捉えている人もいますが、正しくは「情けはその人の為ではなく、いずれは自分の身に返ってくる」という意味です)
その一の「金は天下の回り物」という諺は、マクロ経済の経済圏(分配・循環・継続)を表しています。
その二の「情けは人の為ならず」という諺は、その回る物はお金だけではなく、情けという形のない良いものである場合もある、ということを表しています。
ここで、お金の三つの機能の一つ「価値の尺度機能」について。
価値の尺度機能とは、物の価値を比べる時のものさしにできる機能を言います。
物は付けられた値段でおおよその価値をはかることができますが、その値段によって、全然違うものであっても比べることができます。
この「お金で値段を付ける」ということができないものを「価値のないムダなもの」「ゴミ」などと、一般的な日本人は考えがちですけれども。
そもそも価値と価格は違うものであり、価値あるものでも価格が付けられないものはたくさんあります。
そして、昔は「価値はあるが価格が付けられない」とされていたもので、テクノロジーの進歩によって、価格が付けられるようになったものもあります。
その一例が暗号資産やNFTです……が、ここでそれに触れるのは「釈迦に説法」というものでしょうね……恥ずかしやー。
そこで、その二の「情け」です。
これ、お金に換算しにくいものですよね。
しかし、これはある意味、お金以上の価値を持つものだと私は思います。
「情け」とは「人間味のある心」という意味ですが、この中には「ありがとう」という感謝の気持ちも含まれます。
この「ありがとう」を「最強の投資」だという著名な投資家がいます。
レオス・キャピタルワークス株式会社、代表取締役会長兼社長の藤野英人氏です。
大学1.2年生の就活準備サイトのSTART様でこんな記事を見つけました。
上記の記事より以下、引用します。
まわりの人を幸せにすることが、自分の成功や幸せにつながる。そのことに自分自身で腹落ちすることが、成功への一番の近道だと私は思っています。
そのために、一番小さなところで日々実践できるのは、「ありがとう」という最強の投資をすることです。
まわりの人に「ありがとう」と伝えるのは、誰もが簡単にできる上に、コストをかけずに人を幸せにする方法です。
先ほど「金は天下の回り物」と言いましたが、回るものが「ありがとう」という「人の気持ち」であっても、良いものがぐるぐる回るのは良いことでしょう。
また、「景気」の「気」は「人の気持ち」の「気」です。
「景気」を良くするために、「ありがとう」という言葉で「人の気持ち」を良くする、というのは理にかなっています。
実際の話、学生時代に接客のバイトをしていた時に、お客さんから「ありがとう」と笑顔で言われると嬉しい気持ちになって、その後にやる気が出ました。
やる気が出た状態で仕事をすると生産性が上がるのはもちろんですが、その間、その労働者自身も、普段よりちょっと幸せな状態になることができます。
そこで私は今も、お店で何か買った時にはできるだけ、笑顔で「ありがとう」を言うように心がけています(できていない時もありますが)。
というわけで、結論。
日本円の経済圏である日本を豊かにするためには、日本円=お金を使って、そのお金を分配・循環・継続させる必要がありますけれども。
お金ではなく「ありがとう」でも十分、その効果があります。
皆さんも、日本をもっと景気の良い国にするために「ありがとう」を言いましょう!
その「ありがとう」は回り回って、皆さんのところに帰ってきますから。
(ここで触れたお金の尺度機能について、ご興味ある方は以下の記事もどうぞ。
過去に書いた記事です)










