以下の記事を書いた時に初めて、この「クズネッツ・カーブ」を知りました。
えっ?!
そんなことも知らなかったんですか?!
……って、言われちゃいそうですけども。
そうなんですよー。
知りませんでした。
独学の恐ろしいところはまさしく、こういうところなんですね。
穴があるのに気づかない、穴があれば入りたい気分ですが、仕方がない。
ま、気付いて良かったと、前向きに考えますか。
というわけで「クズネッツ・カーブ」について。
別の呼び方で「クズネッツ曲線」や「クズネッツの逆U字曲線」というのもありました。
この「クズネッツ・カーブ」とは、ノーベル経済学賞の受賞もされたアメリカの経済学者サイモン・クズネッツ先生が提唱したもので、ウィキペディアの説明を拝借するとよると以下のようなものです。
この仮説の下では、経済発展の初期段階では経済成長によって所得不平等が拡大するが、経済発展の後期では成長によって格差が縮小する。横軸に経済発展の水準、縦軸に社会の不平等を測る指数をとったときに、逆U字型の曲線となる
冒頭のリンク先の記事では、トマ・ピケティ先生の『21世紀の資本』について書いていましたけれども。
この『21世紀の資本』をムリヤリ三行でまとめますと、こうなります。
①200年以上の膨大な資産や所得のデータを積み上げて分析
②長期的にみると「R(資本収益率)>G(経済成長率)」である
③格差を是正するため、世界的な資本に対する累進課税を導入すべき
①について、近年になって従来の常識だった「クズネッツ・カーブ」が当てはまらなくなったそうですが、その理由をムリヤリ一行でまとめますと「積み上げるデータが不足していた」としています。
「クズネッツ・カーブ」とは「経済発展の初期段階では経済成長によって所得不平等が拡大するが、経済発展の後期では成長によって格差が縮小する」というものです。
ところが1980年代から、先進国で「ジニ係数」が上がり始めていました。
この「ジニ係数」とは「上がると、不平等度が上がる(ことを表す)」という指数ですが、クズネッツの仮説に反して「世界の不平等化が進んでいる」ということが示されていたわけです。
以下は厚生労働省様のこのページより、参考までに。
確かに1980年以降、全体的に上がってきていますよね。
では、この「ジニ係数」はどうやって出しているんですかと。
新たな疑問が出てきましたので、さらに調べてみました。
富山県様の公式Webサイトで、以下の記事を発見。
「ジニ係数」と「ローレンツ曲線」についての解説です。
「ローレンツ曲線」について、上記リンク先から引用させて頂きます。
ローレンツ曲線とは、世帯を所得の低い順番に並べ、横軸に世帯の累積比をとり、縦軸に所得の累積比をとって、世帯間の所得分布をグラフ化したものです。
もしも、社会に所得格差が存在せず、全ての世帯の所得が同額であるならば、ローレンツ曲線は45度線と一致します。所得や富の分布に偏りがある限り、ローレンツ曲線は下方に膨らんだ形になります
つまり、格差があればあるほど、「ローレンツ曲線」は45度線から離れて(線にならないで)、下の方に膨らんでいくということになります。
そして「ジニ係数」についても以下、引用させて頂きます。
ジニ係数は、ローレンツ曲線の下方への膨らみ具合を、45度線とローレンツ曲線にはさまれた部分の面積と45度線の下の三角形の面積の比で表します
つまり、「ローレンツ曲線」の膨らみ具合が大きければ大きいほど(45度線から離れていけばいくほど)、「ジニ係数」は大きくなるわけであり、この数字が上がれば上がるほど、格差が大きくなっていることを表しているわけですね。
えーと、私は正直、ここまでの話でお腹いっぱいになりました。
最後になりましたが、クズネッツ先生の名言をご紹介させて頂きます。
「世界には4種類の国がある。先進国と発展途上国、そして日本とアルゼンチンだ」
日本は「発展途上国→先進国」で、アルゼンチンは「先進国→発展途上国」になった国ということで例外らしいです。
参考までに、その財務省様の以下の記事も。
……日本も結構やばいですけど、なんか他人事っぽい……えーんですかい?
というのは、アルゼンチンはかつて農業国として非常に裕福だったのが、工業への移行と金融で失敗して貧しくなってしまったわけですけれども。
日本は工業国から、新たなテクノロジーや観光、中でもラグジュアリーや芸術等のビジネスに上手く移行できずに、より貧しくなっているじゃないですかと。
というわけで、もしかして以下のように変わるかもしれませんよ?
「世界には3種類の国がある。先進国と発展途上国、そして日本とアルゼンチンだ」
日本とアルゼンチンがセットで一種類ってことで。
もちろん、そうなることは望んでいないので、何とか阻止したいのですけれども。
……って、お前は何様やねーん!(笑)