むかーし、昔、とあるお家に、男の子と女の子が生まれました。
男の子は、良き労働者として。
つまり、嫁と子供を養う能力を持つほど稼げて、幸せになるように。
そのために、誠実に黙々と働くために……
「要らんことをしゃべらず、ただひたすら誠実に仕事をしなさい」
……という教えを受けて育ちました。
女の子は、良き妻良き母親として。
つまり、誠実な男性と結婚し良い子を出産し育て、幸せになるように。
そのために……
「夫と子供を補佐するために家事労働や、その他の務めを果たせるように」
……と育てられました。
~中略~
めでたしめでたし。
……って、略し過ぎやん。
とまぁ、この昔話にあるような教育って、ちょっと前まで日本全国で大真面目にやっとったヤツなんですよね。
私の子供時代のド田舎な実家周辺が、まさにこれでした。
昔または田舎になればなるほど、男性の職業は農業かつ農夫が多くて。
ちょっと時代が進むか都会になると、工業かつ工員やそれ以外の仕事も増えて。
まぁ、何が言いたいのかと言いますと、男性の場合「一人で黙々とする作業系の仕事が豊富でかつ賃金も高いのであれば、概ね問題はない」というのがこの状態です。
今現在でその状態を満たす一般的な職業って、プログラマーみたいな仕事しか思いつかないのですが、他にもありますでしょうか?
(私の想像が乏しいっていうのもありますが、実際の話、そういう仕事って昔に比べると激減していますよね?)
その一方、以前はできなかった消費者間の取引が、今は可能となっています。
特にメルカリやヤフオク等で中古品の売買をするのが有名ですが、中にはそれを副業にされている人もいます。
そうなると如何に取引の成立しやすいお客さんの喜ぶ商品を扱えるか、あるいはその時の対応が良いかなどを問われる状態になるわけで。
このような仕事は、無言で黙々と与えられた仕事をこなすことしかできない人にとっては、かなり難しいのではないかと思います。
それで男性が皆、寡黙でお金を稼げなくなると、そんな男性と結婚したいと思う女性も少なくなるわけで、そうなりますとこれは少子化の遠因にもなっていますよね。
で、タイトルの話ですが、ちょっと前にどこかで「褒められたと思って喜んでいたら、それが社交辞令だとわかってショックだった。社交辞令なんかなくなれば良いのに」みたいな男性のご意見を拝読しました。
正直、気の毒だと思いました。
多分ですが、この男性は私と同じぐらいかそれ以上の世代か、ではないでしょうか。
で、私はこう見えて(いや、見えちゃーいないが)、女性の端くれなわけですが。
女の世界では「社交辞令はできて当たり前のスキル」であり、それ故にいつも「社交辞令ぐるぐる巻き」状態なんですよね。
できなければ、あっという間にハブられ(仲間外れにされ)ますから。
まず何かもらうかしてもらうかしたら、お返しをするのは当たり前です。
そしてさらにそのお返しの能力が高いと、一目置かれる存在になれます。
「この人は気が利く人だ」
という、女性の中では高い評価を得ることができるからです。
(もうちょっと詳細に言えば、例えば……
「あっ、これ(お返し)を好きだって言っていたの、覚えてくれていたんだー」
……とか、そんな感じ)
で、男性の場合には、お返し等がなくとも「それは男性だから仕方がない」でスルーされて終わりです。
しかし逆に言えば、男性でこういうことをできる人って少ないですから、ものすごい武器にもなります。
そう言えばメンズファッションバイヤーで大成功されているMB氏は、ビジネスで成功した理由に「母親と姉の影響の強い家で育ったこと」を挙げておられました。
このことで、まずは女性にモテるようになって、その対象を女性からお客さんに変えたらビジネスでも成功できたとか、そういうお話だったと思います。
(って、以前もこのような話を書いたことがありました。
忘れとったわー、ご興味のある方はよろしくお願い致します)
で、長くなりましたが、最後に大事な話をしておきたいと思います。
社交辞令って、今となってはシャレならんことなわけですよまじで。
これができなければ、先ほど書いたように、ハブられる対象となります。
どこから、または誰からハブられるのか?
それは時と場合によって変わるものですが、この能力がないと「常にハブられる対象となり得る」ということになりますので、身に付けておかないとヤバいでしょう。
むかーし、昔、ブロック経済にABCD包囲網というものが世界にできました。
それに対するために、日本は「大東亜共栄圏」をつくろうとしました。
……と、この話をしようとすると長くなるので割愛しますが。
何が言いたいのかと言いますとですね。
通信の時に使うプロトコルってありますよね。
プロトコルが違ったり、正しくなかったりすると通信できないというアレです。
プロトコルの元の意味は「手順」「仕様」「規定」「議定書」「儀典」などであり、最も有名なのは「国家間の儀礼上のルール」です。
以下、外務省のWebサイト内の記事です(本来の発音は「プロトコール」ですね)。
上記の記事より以下、引用致します。
(1)プロトコールとは
国家間の儀礼上のルールであり、外交を推進するための潤滑油。
また、国際的・公式な場で主催者側が示すルールを指すこともある。
つまり「プロトコール(以下、プロトコルに戻します)」とは「国家間の儀礼上のルールであり、外交を推進するための潤滑油」ですけれども。
これが個人間に下りてきたものが「社交辞令」であり、それは「日常からビジネスや催し物などの行事を、上手く推進するための潤滑油」です。
(さらに末尾の「潤滑油」を具体的に言うと「決まり文句の挨拶や、相手を誉める言葉」であります)
というわけで、プロトコルが個人間に下りてきたものである社交辞令は、時代が進んだことで、女性のみならず全国民にとって概ね「できて当たり前のスキル」になったということなんですよね。
もちろん先ほど挙げた例のような、作業系の仕事で十分な報酬を得られている人もいれば、昔のように夫婦で役割分担をして妻がそれを一手に担う形で上手くやっている人もいるでしょう。
そのような人はこのスキルを使う必要がありませんので、一概に言えませんが。
ただし、少なくとも「社交辞令はあって当たり前」ぐらいには、思っておいた方が良いでしょうねこれからの時代は。