前回に続き、サッカー日本代表の個別の活躍をsorareのスコアを通して見ていきたいと思います。
sorareを知らない人のために説明しますと、sorareは自身の持っている選手カード(NFT)の試合毎の点数の合計で競い合うゲームです。
選手の点数は、実際の試合の活躍度にリンクしており、一定の活躍をすると一気に点数が伸びる仕組みです。
選手の点数は(基本点数±評価点)で決まります。
基本点数は、ゴールやアシスト、レッドカード等で大きく変わります。
例えば、先発して何もなければ35点、途中出場なら25点、ゴール数1なら60点、レッドカードで15点…といった感じです。
評価点は、細かいプレイひとつひとつで変動していきます。
相手からボールを奪ったら+0.5点、パスミスで-0.2点、ファールで-2点…などです。
最低点は0点で、最高点は100点です。理論上は100点以上になりますが、そのような活躍をしても100点以上は上がりません。
サイドの選手は点数が出ずらい(クロスを上げた時に相手ボールになって減点されてしまう)など、完璧な採点というわけではありませんが、採点者の好みの介入が無いシステム化されたシステムとなっています。
今回は、3戦の中で大きく活躍した選手をピックアップして見ていきたいと思います。
板倉選手
グループリーグ3戦で守備の面で欠かせない存在となりました。
板倉選手のスコアは、初戦で最も高く、そのあと少しずつ降下していきました。
試合を重ねる毎に何かがあったのか、対戦相手によってスコアが変動したのか、sorareのスコアから分析したいと思います。
こちらがドイツ戦の採点です。
まず、アシストがあったために基礎点が60点となりました。
その一方で、スコアの積み増しは出来ず、むしろマイナスという結果となりました。
なお、sorareでは、基礎点が60点となった選手は、それ以降に減点要素があっても減点はされない仕組みとなっています。
減点の主な原因は、ファールの多さです。sorareではファールは1回につき2点の減点となります。
また、ディフェンスポジションの選手は1失点につき-4点となるので、こちらも大きな影響を受けています。
こちらが、板倉選手のドイツ戦でのディフェンス部分のスタッツです。
効果的なクリアやタックルの成功、クロスのブラックなど、ディフェンダーとして大きく躍動していたことが数字に出てきています。
ポゼッションについては、少し減点要因となっていました。
パスについては、とても高い数字を残しています。ディフェンスだけでなく、パスを通しての攻撃部分への貢献が数字を通して分かります。
続いてコスタリカ戦の数字です。こちらは、ゴールやアシストは無かった為、基礎点は35点スタートとなっています。
10点積み増して45点となっています。体感的にはもう少し伸ばせそうな勢いでしたが、イエローカードによる減点もあり、このようなスコアとなりました。
ディフェンス部分では、ドイツ戦に比べてタックルでボールを奪うことでの貢献シーンが増えました。
トータルの加点でもドイツ戦を上回る結果となりました。
ポゼッションについては、減点要因とはなりつつもドイツ戦に比べて改善していました。
パスについても、ドイツ戦よりも高い数字が出ています。
一方で、攻撃関係の加点は0となりました。
このことから、板倉選手はコスタリカ戦では、守りの部分やパスの部分に貢献部が寄り、攻撃面での活動が減っていたことが見えてきます。
続いて、スペイン戦のスコアを見ていきます。
基礎点が35点で、そこから7点積み増しがあり42点となりました。
イエローカードも要因の一つかと思いますが、3試合の中で最も低いスコアとなりました。こちらについて分析したいと思います。
こちらについては、タックルとクリアで5点の加点となっています。これは、3戦の中で最も低い加点となっています。
ポゼッションとパスについても面白い傾向が出ています。
ポゼッションは3試合の中で唯一のプラス、バスは3試合の中で最低の数字です。
攻撃面では、コスタリカ戦とは一転して攻撃性が復活しています。
ただし、パスのスコア減少から、繋ぐことよりも一気に攻めていくことに重きを置いた印象を受けます。
以上、板倉選手のスコアの分析から考えられることは、以下の通りです。
ドイツ戦はパスの起点になりつつ攻撃にも参加した。コスタリカ戦は攻撃には参加せず、パスの起点となることに終始した。スペイン戦では、奪って攻める為の動きをし、パスを減らした。
実際の日本代表の姿勢にもシンクロするところがあり、大変興味深い結果となりました。
田中選手
スペイン戦では、グループリーグ突破を決めるゴールを決めました。
コスタリカ戦のDNPは、出場しなかったことを示しています。
スペイン戦は1ゴールの為、基礎点が60点あります。
こちらがドイツ戦のスコアです。
基礎点35点から4点積み増しています。
sorareで普段見かけるスコアの中では、あまり高いスコアではありません。
加点部分について詳しく見ていくと、加点の大部分は、守備の貢献によるものが大きいことが見えてきます。
パスについては、ポジションを考えると少し少ない印象です。
攻撃については、ペナルティーエリアへの侵入は2回していますが、守備面での貢献に比べれば加点への貢献度は少なくなっています。
こちらがスペイン戦のスコアです。
基礎点60点に更に18点加点となっています。この点数は、日本代表のMFでは最高点となっており、第3戦に出た全てのチームのMFの中でも12番目の非常に高いスコアです。
守備の水準は初戦のままに、ポゼッションの面で大幅に良化しています。
ボールを奪われる選手からボールを奪う選手になっています。
さらに、パスの加点と攻撃による加点も増えています。
パスの加点について少し興味を引かれるのは、パスミスは増えている点です。それでは、何でそれを取り返しているかというと、得点に繋がるような決定的なパスの数を増やしているのです。
以上、田中選手のスコアの分析から考えられることは、以下の通りです。
ドイツ戦では、攻撃より守備の面で貢献した。スペイン戦では、守備の水準はそのままに攻撃的な動きを見せた。パスについてもリスクを持って得点に繋がるパスを出した。
田中選手の攻撃面のコンディションアップが見られる結果となりました。
三笘選手
3戦とも途中から出場し、攻撃面守備面両方で大活躍しました。
sorareでは、途中出場の基礎点は、先発選手より10点低い、25点となります。
そのような背景の中で、特に3戦目では高いスコアを記録しました。
初戦のドイツ戦では、基礎点25点から11.4点積み増して36点となりました。
36点と聞くと物足りないですが、積み増し分の11.4点を短い出場時間の中で稼いだわけですから、途中出場の選手の中では高い点数になるかと思います。
得点を要求されるポジションの中で、三笘選手は、守備でも一定の加点を得ています。
そして、ボールを奪う選手としても活躍しています。
三笘選手といえば、ドリブルでペナルティエリアに侵入していくイメージが大きいですが、意外にもドイツ戦では、その部分よりも高い精度のパスでスコアを稼いでいます。
三笘選手の万能性を示す数字となっています。
コスタリカ戦では、一転してスコアを下げてしまう結果となりました。
原因はどこにあったのでしょうか。
ドイツ戦とは違い、守備面での加点は0となりました。
また、ボールを奪う選手から奪われる選手となってしまいました。
ボールを持ってから対峙しなければいけない人数が増えていたのかもしれません。
パス部分の加点も少なくなりました。攻撃の加点については、ドイツ戦と同じとなりました。
三笘選手からのパスが減る、三笘選手がパスしやすい環境になっていないことは、試合の勝敗に直接影響が出てくるようです。
スペイン戦では、ゴールアシストにより基礎点が60点、更に10.5点の積み増しで71点となっています。
ドイツ戦で見られた守備面での加点が復活し、ボールを奪うことでの加点もありました。
ポゼッション面での加点は、ドイツ戦以上の数字となりました。
後ろ気味のポジションでの起用ということもあり、攻撃面での加点はありませんでした。
ここで、注目したいのは、パスの質と成功率の高さです。パスでの加点6点は、ここまで見てきた板倉選手や田中選手のスペイン戦の加点を大きく上回ります。
以上、三笘選手のスコアの分析から考えられることは、以下の通りです。
勝利を飾ったドイツ戦とスペイン戦では、ボールを奪って決定的なパスを送る力とパスミスの少なさがかなり際立っていた。
三笘選手は、ドリブル能力に尖った選手ではなく、ドリブルも出来る万能型の選手なのかも知れません。
今回のレポートは以上です。
次回は、クロアチア戦の中で注目された選手を初戦から振り返る形でレポートできればと思います。