GaudiyのYuyaさんが興味深い企画をされています。
「Dappsコミュニティを考える」というお題で、意見を募られています。
一概にDappsコミュニティ考えると言っても幅が広く奥も深いので、なかなか難しい。
でも、普段から思っていることもあるので、その一部をこの企画の意図に沿う形で書き綴ってみました。
Dappsコミュニティってたくさんあるので、一概にものは言えません。
そこで前提として、ここでは自分が参加しているDappsコミュニティである、
・ALIS
・Gaudiy(最近あまり見てない、ゴメンなさい)
・FiNANCiE(フィナンシェ)
を見て考えていることを書きます。
これらはいずれも最初期から参加しているので、ある程度流れが見えるのではないかと思います。
なお、Dappsゲームは見ていないのでわかりません。ゲーム系コミュニティはややALISやGaudiyとは違うのではないでしょうか。
正直、企画されたYuyaさんはDappsコミュニティについてすごく良く考えておられるのでとても及ばないのですが、一応自分はALISの最古参でずっと見てきているので、理屈ではなく一人のユーザーの経験からの視点として述べさせていただきます。
Dappsの大きな特徴として、そのプロジェクトへの貢献度に応じてトークンをユーザー等に配布することでモチベーションが上がり、コミュニティが盛り上がってDappsのプロジェクトも盛り上がるという仕組みが声高くいわれています。
でも、このことで最近特に思うのは、言われているほどお金がすべてではないという感じです。
例えばALISを見ていると、かなり気合を入れた記事を書いても報酬は日本円換算で微々たるものです。
Dappsの理屈通りなら、この状況では貢献した努力に比べて得られる報酬が少ないので記事を書く人はほとんどいなくなって、ALISトークンは売りばかりで値がつかないほど安くなり、ALISは潰れてしまうはずですが、そうでもない。
どうやらお金は行動を後押しする程度のように感じます。
お金だけではなく、別に人を行動に駆り立てる要素があるのではないでしょうか。
それは、従来のWeb2.0で言われる承認欲求やコミュニティ内で交流することの楽しさであったり、新しい仕組みに触るワクワク感であったりすると思っています。
ALISに限らず、Gaudiyでもフィナンシェでも貢献行動のインセンティブはお金以外の要素も大きいと思います。
Web3.0の解説では金銭的インセンティブが大きく取り上げられますが、やはり金銭以外のWeb2.0的な楽しさは依然として大きいし、Web3.0になってもこれをうまく取り入れてゆくのが大切だろうと、これらのDappsを見ていて思うのです。
さてここで、Yuyaさんが課題として書かれた項目について考えたいと思います。
課題
◆様々な立場のユーザーが熱心に意見やフィードバックを行うことで、逆にその内容を拾い上げ議論し合うことが難しくなっている
◆上記の状況により、運営がユーザーの意見を集約することができていないこの解決法は?
根本的にはDappsは非中央集権なのですから、運営が中央集権的にすべての意見を把握して集約する必要はないはずです。
なので、上記の課題は気にすることではないということになります。
しかし、まだ発展途上のDappsというかWeb3.0の世界では、運営がかなり介入しないとコミュニティは迷走してしまうでしょう。
なので、現状ではWeb2.0的と言われようが中央集権的と言われようが、できるだけユーザーの意見を把握することが必要と思います。
これはGaudiyでもALISも、Dappsゲームでも同様かと。
では、そのためにはどうするか?
Yuyaさんがわからないのに自分にわかるはずもないのですが、以前から考えていてALIS開発運営さんにも提案していたアイデアがひとつあります。
それは、一連の意見や議論を俯瞰できる場所を内部に作ること。
今は意見集約のためにDiscordなんかが使われますが、Discordでもツイッターでも人のふんどしを借りるのでは物足りないので、自サイト内に意見や議論のプラットフォームを作ることがひとつの解決策と思っています。
例としてALISであれば、ALIS掲示板をALIS内に作るというアイデアを提案しています。
それも、5ちゃんねるのようなスレッド型掲示板にすればトピック別にまとまるので、Discordのように一つの流れで様々な話題が錯綜することがありません。
そして見る方は、スレッドのタイトルで何が話題かを俯瞰することができます。
それに、ALIS内に作ることで、Discordのような外部に作るのとは異なりALISユーザーが気軽に見られて参加できるようになります。
ただし、批判や罵詈雑言、喧嘩なども見えて荒れやすいので、Dappsプロジェクトのイメージが悪化する恐れは十分あります。
そんな赤裸々で良いのかどうか?、が問題でしょうか。
あと、ALISの場合には、ALISユーザーではないALISトークンホルダー(主にALISに登録できない海外在住の方)が、掲示板に書けない問題もあります。
これがGaudiyだと、プロダクト内に掲示板があります。
ただ、スレッド式ではないので、Discordと同様にいろんな話題が同じ掲示板で話され、見ている方は議論の流れがわかりにくい面があると思います。
まあGaudiyの場合は、スレッド型掲示板にするとUX的にごちゃごちゃしてしまう弱点もありそうです。
フィナンシェについては、各オーナー(支援を受ける人)別のコミュニティページの中に雑談チャンネルがあるくらいで、あまり意見や議論は盛り上がっていないようです。
でも、フィナンシェのファンコミュニティという性格上、運営やオーナーがファンの意見を集約する必要性は少ないのかもしれませんので、それが一概に悪いとは言えないと考えています。
さらに問題なのは、Dappsがそういう掲示板を作ったとしても、あるいは作らなかっとしても、活発に議論がなされるかどうか?ということかと思います。
Yuyaさんの課題は、運営が把握できないほどたくさん意見が出るのが前提ですが、なかなかそうならず閑散とするのが普通でしょう。
ALISなら活発になりそうですが、それは例外とすら思えます。
いかにして活発な議論を巻き起こすかが最重要だし、それはなかなか難しいと思うのです。
逆に言うと、議論が荒れずに活発であればそれだけコミュニティが活発であるということなので、コミュニティ形成がうまく行っていると言えると思います。
なので、活発に意見が出るコツは、Dappsコミュニティ運営のポイントと同じようなものかと。
そのポイントとは、これらではないでしょうか。
・プロジェクト開発運営がいかに魅力的な理念を持っていて、それに熱心にコミットしているか。
世の中を良い方向に変えるためにこのプロジェクトをやっているんだという、大志と熱意と説得力が人を引きつける。
開発運営が必死にならずしてコミュニティが共感するわけがない。・その上にコミットすると現実的な利益が参加者にあることも必要。Dappsはトークン付与などができるので、この点は優秀。
ただし、トークンあげるから盛り上げてねとコミュニティを使うような態度では盛り上がらなかったり、盛り上がっても質が悪かったりする。・このように開発運営が真摯に対応して、優秀でやる気のある初期協力者を集めることがすごく大切。
彼らを前面に出して、運営はそれをバックアップする形でコミュニティ形成をするのがとても良い形だと思う。
ALISはこのポイントを押さえたのでうまく行ったと考えています。それにファーストペンギンの強みも大きいと思います。
Gaudiyもこの点をかなり努力されていて、その結果活発なコミュニティができているように感じます。
ただ、Gaudiyは基本的にはクリスペやCrypvoなどのコミュニティに細分化されやすい性質があると思います。
今は各コミュニティのメンバーがある程度重なっているしGaudiy自体のコミュニティもあるので、Gaudiy全体のコミュニティとしても成立していそうですが。
フィナンシェは支援を受ける人(オーナー)と支援する人(サポーター)という縦のつながりはありますが、オーナー同士のつながりは概して薄く、異なるオーナーをサポートするサポーター同士の横のつながりも薄いです。コミュニティ形成がオーナー単位となるので、フィナンシェ全体のコミュニティにはなりにくいという性質がありそうです。
でもこれは、先に書いたようにフィナンシェがファンコミュニティという性質上、細分化されるので、コミュニティ間に連携が少なくても良いかとも思うのです。
フィナンシェやGaudiyでは全体のコミュニティは必ずしも重要でないのかもしれないし、コミュニティが大きくなれば細分化されてゆくのは当たり前です。ALISもユーザー数が増えれば細分化されてゆくでしょう。
ただ、細分化されてゆくとますます運営はユーザーの考えを把握しづらくなります。
しかし、細分化されても各コミュニティで自治がなされ成長してゆくのなら、運営がユーザーの意見を集約する必要がなくなるし、それがWeb3.0だと思うので、それを目指して進んでいただきたいです。
識者はDappsとかWeb3.0とかかっこいい言葉できれいごとを言っていますが、それを実際に作ってゆくことはとても泥臭いことだと思います。
なにせto C(対消費者)ですから、わがままで無知で気まぐれなユーザーと付き合い続けないといけません。
しかもWeb2.0のようにユーザーを金や情報を落とす客として距離をおいて扱えばいいのではなく、一緒にDappsプロジェクトを作ってゆく仲間として迎え入れないといけないのですから、そりゃ大変。
コミュニティ作りはDappsやWeb3.0のキモ中の肝であることはGaudiyのYuyaさんをはじめALIS運営陣もフィナンシェの方々も口を揃えて言われることですが、それはとても大変なことだと思います。
泥にまみれて試行錯誤しながら作ってゆくしかないのではないでしょうか。
ぜひ、引き続き頑張ってください。応援しております…。
と他人事のように書くのは、正直、大変すぎて個人的には泥にまみれる余裕がないと思うからです。足の甲を泥につけるくらいが精一杯です。
いくらコミュニティを巻き込むと言っても、メインな仕事としてやっている方でないとできないことがたくさんありますから、そこはぜひやり切っていただきたいのです。
逆に言うと、コミュニティに期待しすぎないことが大切のように思います。コミュニティは運営を救うヒーローではありません。
Web3.0が次の時代を作るとなると、この泥にまみれる努力こそが来たるべき時代の礎になると思っています。
Gaudiy, ALIS, FiNANCiEを始めDappsには、引き続き期待をしております。
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