京都は雪景色も素敵です。
市街地ではあまり雪は降りませんが、山里の大原は雪がよく降り素晴らしい景色を見ることができます。
前回と今回の2記事に分けて、そんな雪の大原を訪ねます。
大原は京都市の北の端、山に挟まれた山里です。
のどかな風景と歴史あるお寺、文化財が多数ある、有名観光地ですね。
前回の記事では、雪景色の額縁庭園が素晴らしい宝泉院を訪ねました。
本記事では、宝泉院のすぐ近くにある実光院と三千院の雪景色を拝見しましょう。
宝泉院、実光院、三千院はすぐ近く。
歩いて数分の距離にあるのでとても拝観しやすいです。
では、まず実光院から!
宝泉院から数分歩くと実光院(じっこういん)。
実光院は額縁庭園で有名な宝泉院や大原を代表するお寺である三千院に比べて知名度が少し低いためか訪ねる人はやや少ないようですが、なかなか景色が綺麗で素敵なお寺です。
お堂に上がらせていただいて、客殿から見る庭園。
冬の冷たさが美しいです。
では、そのお庭を見てみましょう。
池泉鑑賞式の契心園(けいしんえん)。
この客殿の南側に広がる庭園は江戸時代後期の作庭で、律川より水を引く心字の池を中心とした庭園とのこと。
雪景色の色が少ない世界で一点、朱色の鯉が目立って素敵です。
そして客殿の西側にも回遊式庭園が広がっています。
旧理覚院(りかくいん)庭園。
ここは降りて回ることができます。
大原の山々を借景とした視界が広がる庭園です。
雪をかぶった万両の赤い実は、色の少ない雪景色の中で目立ちますね。
庭園から客殿を見た写真。
この庭園の中央近くに、珍しいものを見つけました。
なんと、雪が積もっているにも関わらず桜の花が!
この不断桜は、初秋から翌年春にかけて花を咲かせる珍しい品種とのこと。
真冬の雪と桜のコラボ、不思議な気持ちになりました。
次に、実光院を後にして三千院へ行きましょう。
実光院の横の律川(りつせん)を渡る未明橋。雪景色に朱色の欄干が映えています。
この律川の少し先には呂川(りょせん)という小川もあります。
ふたつの川を合わせたら呂律(ろれつ)ですね。
実は「呂律が回らない」という言葉は、この二つの川が語源なんです。
ちょっとした小川なのにそんな由緒があるとは、さすが京都。
律川を渡ると、もう三千院です。
三千院・御殿門。ここから入ります。
そうそう、三千院と言えば有名な大ヒット曲がありますよね。
♪京都 大原三千院 恋に疲れた女がひとり~♪
で始まる「女ひとり」。
えっ、そんな曲知らないって?!
そりゃそうでしょう。調べたら1966年のヒット曲らしいです。
デューク・エイセスが歌っていたとのことですが、知らない…。
しかし! そんな忘れ去られようとしている状況をなんとかしようと、この曲にインスパイアされた曲が2021年末に、なんと55年ぶりにリリースされました!
この気合の入った曲は、その名も「女ふたり」!
えぇっ……。
いやいや、この曲はね、大原などにバスを運行している京都バスさんの創業100周年記念、かつコロナ禍で観光客が減少している事態を少しでも改善しようと一生懸命作られたんですよ。
その証拠に、作曲は京都バスの社長さんなんです。気合入っているでしょ?
そして、作詞と歌はあのクラウソラスなんですよ、奥さん!
って、クラウソラスご存じない??
では、説明しようー。
クラウソラスは女性デュオ。まさに女ふたりなのです。
コロナ禍前はよく大阪梅田の路上で歌っていて、僕は仕事の帰りに出くわすことが結構あって、時々足を止めて聴いていました。CDも2枚くらい手売りで買ったよ。
って、全然説明になっていませんが、まあ下の動画をクリックして曲を聴いてみてください!
さて、本題に戻って三千院の境内に入りましょう。
客殿から見た庭園・聚碧園(しゅうへきえん)。
雪景色、池面は凍っていて冬の情緒満点です。
この時は、なぜか初音ミクの千本桜イベントをやっていました。
確かに三千院は桜もきれいですが、千本桜との関係は不明。
それでも、初音ミクのファンと思われる人が結構来ていました。イベントの効果あるじゃん!
では、三千院の歴史の源とも言える往生極楽院がたたずむ庭園・有清園(ゆうせいえん)を散策しましょう。
有清園は池泉回遊式庭園で、お庭に降りて回ることができます。
池の奥に見えるのは寝殿で、京都御所の紫宸殿を模して大正15年に建てられたとのこと。
三千院名物のわらべ地蔵も雪をかぶって寒そう。
この有清園には、あちこちにお地蔵さんがいます。あっ、こんなところにもお地蔵さんが!と見つけるのも楽しいのです。
詳しくは、ALISにてshumさんが写真入りで書かれています。
弁天池の奥に往生極楽院。
往生極楽院は三千院の歴史の源とも言えるお堂で、重要文化財です。
中には国宝の阿弥陀三尊像が安置されており、間近で拝むことができます。建物の大きさに比べて仏像は大きく迫力があります。
ちなみに、往生極楽院の春はこんな風景です。
4月下旬。
冬とはすっかり景色が違って、苔が美しいですね。
寒い雪の冬、サザンカの鮮やかなピンクがひときわ目立ちます。
さて、ひと通り拝観してかなり寒くなってきたので、そろそろ帰りましょう。
三千院では御朱印をいただきました。
金色の薬壺の期間限定御朱印。金が光って映えますね。
三千院での御朱印は三千院内の土産物屋さんで出されていました。
その横では、先に書いた曲「女ふたり」がエンドレスにガンガン流れていて、さっさと京都バスに乗らんかいーと背中を押されているようなので、京都バスの大原バスターミナルまで戻りましょう。
すっかり覚えてしまった「女ふたり」を口ずさみながら、大原バスターミナルから京都バスで京都市街まで帰ってきました。
ということで、雪の京都大原を満喫した散歩でした。
そしていよいよ、京都にも春がやってきます!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 12-60mm F2.8-4, OLYMPUS 9-18mm F4-5.6, LUMIX 45-150mm F4-5.6
Color Temperature: 3500-4000K
春に三千院を訪ねた記事
雪の大原・宝泉院
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