絵本のコーナーを見るのは面白い。
絵本自体も面白いが、絵本を見るのではなく、本の種類やそれらを手に取る客層、年齢層を観察すると本当に面白い。
例えばこの
もうじきたべられるぼく(2022.8.9)
は、見本を残して全て売れてしまっている。
後で見たら在庫補充されていたが、手に取る人は多く、売れていた。
きみのことがだいすき(2022.2.14)
は、展示スペースいっぱいに在庫が残っている、Amazonの評価的にも売れているハズだが補充もしっかりしているのだろう。
単純に発売日が若いのでまだ所有していない人が多いであろう「もうじきたべられるぼく」の方が売れているだけかもしれないが、そこはあまり重要ではない。
なんと書店を二つ見てみたがどちらも
さらに子連れで買っているというよりは大人が手に取って買っている、つまり親が買っているのだろう。
親子で読んでもらうという名目で子供の為に大人に買わせるのが目的の絵本。
「もうじきたべられるぼく」は食育、「きみのことがだいすき」は愛を。
シンプルですがテーマがテーマだけに他の絵本のように「自分の解釈で読んでね」というには少し際どい内容。
大人が解釈を補助しなければちょっとおっかない連想にも繋がりかねません。
大人の為の絵本なんて書かれても大人は買えないだろうから、ちょっとした自己肯定感が押し付けがましくても、癒されたい傷付いた大人たちは喜んで「子供の為」という免罪符が自動で発行されているのであれば買ってくれる、つまりこれは
の一種なのかもしれません。
肯定されれば安心出来るし、突っ込みどころを残しておけば心でマウントを取って現実にはなかなかしてもらえない、出来ない満足を提供してくれるワケですね。
子供には難しい内容だなぁ…大人の自分なら理解出来るが子供には無理、しょうがないな…かみ砕いてあげよう。という、本当に大人向けに作られたのなら分からない人には売れませんが、子供にとっては難しい程度なら理解できる人は多い。
マスクする能力が異次元ですね、売る人も企画する人も天才すぎる。
TikTokの再生回数でも成立するし、動画クリエイターの意見だけでも成立する。
マーケティングは高度になっていきますねぇ。
絵本っていいなぁ。
ではでは。