日本では、「宗教はうさんくさい」という観念をもつ人が多い。
しかし、現代社会に生きている人間は皆、何かしらの「宗教」を信じているとおもう。
これは、世界中の人々を、キリスト教・イスラム教・仏教などに振り分けられるという話ではない。
これは、「宗教」というものをもっと広い意味で捉えたら言える、という話であり、そのほうが現代社会の解像度が上がるだろうという話である。
まず、「宗教」ってなんだってところ。
wikipediaから丸パクリすると、
宗教(しゅうきょう、英: religion)とは、一般に、人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする観念であり、また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことである。
ってかんじ。
要するに、宗教とは、
個々の人間や各地域の自然を超越した規範や価値観
といえる。
そこから考えると、「資本主義」や「共産主義」といったイデオロギーも宗教と同じだ、といえる。先入観なしで考えたらそう言える。
資本主義は、個々の人間が個々の利益を追求すれば、関わる人全員の幸福が最大化される、というイデオロギーで、
共産主義は、個々の人間が全体の利益を追求すれば、全体の幸福が最大化されるというイデオロギーである。
それぞれのイデオロギーは、絶対に成り立つという保証がないにもかかわらず、個々の人間を越えて広い世界に布教され、多くの人に信仰されている。要するにイデオロギーも宗教である。
だから、「自由主義」から生まれた仮想通貨(暗号通貨)を使う人も、人間同士でつくりあげた「国家」で使われる法定通貨(ドルや円)を使う人も、それぞれの価値を信仰するから売買ツールとして使えるのである。お金を使う人は何かしらの信仰者である。
そういうふうに考えると、人って、いろんなものを信仰することで、コミュニケーションを成立させたり、価値を交換していることに気づくことができる。
たとえば、「挨拶はしなければならない」とか「先生や親の言うことは聞かなければならない」とかも全部「宗教」だということが見えてくる。絶対的でないのに広く信仰されているからだ。
だから、「宗教」というものは特別なものではなく、日常のあちこちに転がっているものである。だれもが何かしらの宗教を信じている。
以下に参考にしている本の情報を貼っておきます
サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福www.amazon.co.jp
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