皆さん、こんにちは。
前回記事「電力のデジタル化を支えるのはブロックチェーンか」では、法的・技術的な変化のおかげでブロックチェーンが活用できる市場が出来てきたとお伝えしました。
しかし、まだ実現に向けては課題だらけ。
例えばこの動画、
これを今の日本でやると違法になる恐れがあります。
なぜでしょうか?
見ていきましょう!
上の動画ではブロックチェーンを使って、普通の市民がP2Pで電力を売買していますよね?
ここで質問。
Q. 日本では誰が電気売っていいんだっけ?
実は、前回記事に答えがあります↓
“免許取ったら誰でもどこでも売っていいよ!”
免許、、、
つまり、電力取引するには免許がいる。普通のご家庭がわざわざ電力小売事業の免許とりますかね?絶対とらないよね(笑)
ということで、"ブロックチェーンを用いた電力融通"を社会実装するとなると法整備が必要となってきます。
この辺りはもちろん認識されていて、以前の記事で紹介したレポートにもこんな記述がでています。(左下の部分です)
現時点ではアウトっぽい。
ただ、やり方は色々あるでしょう。
ビジネスモデル上、小売事業者かアグリゲーターに売った形にして、免許いらないことにする方法もあるでしょう。これなら引っかからないし、P2Pではないけど暫くはこのビジネスモデルなのでは?
が、そもそも
「家庭用ソーラー発電の余剰ごときに免許なんかいらない、勝手に売らせろ!」って考えもあるでしょう。
ただ、小規模事業者を優遇する制度は必ず悪用する人がいます。
<ここで突然の悪用事例紹介>
大きな太陽光発電所って、たくさん電気を流すので電線側に色々設備投資する必要があるんですよね。
が、小さい太陽光発電所は影響が少ないのであんまりいらない。
ここに目を付けた人々、
写真みたいなでっかい太陽光発電所に、
メーターを山ほどつけて、色んな人に譲渡。
譲渡した単位で申請、、、
「うちは小さい発電所なんですよーでへへ」
ってそんなわけあるかい!って話ですが、まかり通っていた時代もありました。
いやぁ、金が絡むと急にみんな天才になるよね。
というわけで、、、
ALISがストップしても人は死にません。
が、電気がストップすると死にます。
ついでにブロックチェーンも死にます。
だから、今回の件も「じゃ、規制なくしまーす」という話ではないと思います。
電力事業がイケイケのスタートアップみたいなノリで規制緩和されたらちょっと嫌ですからね。日本に限らずどの国でも、電力事業が"保守的"なのはこういった理由があります。
大胆かつ慎重に、議論が進んでくれればよいなぁと思っております。
今日は規制の話でしたー!
これ以外にもちょっと考えただけで色々気になるところはありますが、直接的にアウトなのは今日紹介した免許のところでしょうね。
次回は技術面の懸念に挑戦してみたいと思います。皆さんお手柔らかに!
あ、あれ、もう週末?
まさかの長編になる予感。。
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