
近道はそれ自体の発見が難しく、そしてそう簡単に進めるものではない。だが時折ガードレールの下や草むらに隠れているのを見つけることがある。
わずかな違和感を感じとり、周りの景色を疑ってみる。
近道は気づくまで環境や景色に同化していて、そんな道に行くなら…と、つい険しい道のほうに行ってしまいたくなってしまう。
なぜなら取り越し苦労を正当化できるからだ。
だが近道に気づけた瞬間、目標までの到着時間は格段に縮まる。私はそう思う。
現在開発中のコミュニティーサービスをどのようにしてネイティブアプリ(App storeからダウンロードできるいわゆる一般的なアプリ)に落とし込んでいくかを1日考えていた。
今は主にウェブサービスの開発に特化しているBubble.io(https://bubble.io/)と言うノーコードツールでプロダクトの開発を行っているが、現在のアプリケーションの状態はウェブ上で動作するものであり、スマートフォンやタブレットなどにダウンロードして使うと言う行為ができずにいる。
その方法を見つけるために海外のフォーラムを当たっていた。
調べていく中であるツールを用いてXcode(iOS開発者ツール)上でアプリケーション化を行うと言う説明を見つけたが、バグが頻発してしまい前に進めなかった。
複数のフォーラムを当たってもなかなか適した答えが出なかったり、そこそこ費用がかかる選択肢などであったりして、なかなかはっきりとした解決策が見つからないままでいた。
しかしあるアイデアに目がとまった。それは表面上の動きとアプリの内部における動きを別々に処理してしまおうと言う考え方だった。つまりBubbleで作成したウェブサービスに手を加えるのでなく、ウェブサービスそのものをアプリ上で表示してしまうと言う考えだ。
Thunkableと言うウェブサービスではなくモバイルアプリの作成に特化したツール上で、Bubbleで作成したアプリのリンクを貼り付ける。するとあたかもモバイルアプリ上でウェブサイトが動いているかのように見せることができるのだ。
複数の手段を当たってもネイティブアプリができないかのように見えたが、そもそも開発者ツールを使わないと言う逆転の発想でネイティブアプリ化をするにあたってのヒントが得られた。
この経験から感じたのは、そもそも前提を疑うことが何よりも重要だということだ。
現在行っている事は本当にその方法でしかできないのか? 更なる近道は無いものだろうか? 少しでもコストをかけず結果を出すことができないか?
これらの問いを重ねていくうちに、前提を間違えることはその後の結果を大きく左右しかない。このことの重要性に改めて気づいた。
近道だからと言って楽な道ではないが、近道に気づくために周りを見渡す心の余裕は、常に持っておかなければならないと感じる。