先日、息子を幼稚園に送って行った時に、
他の園児の母親二人が「これから美容院に行くのー」みたいな話をしていた。
二人の関係は、いわゆる「ママ友」ということになると思うが、
そんな個人的なことをフランクに話すのか、というのが個人的には驚きだった。
ママ友というのは子供の年齢は一緒であっても、親同士の年齢は様々である。
しかも、親同士の結びつきというのはあくまで子供を介したものであり、
必ずしも、自分たちが仲が良いから友達になったというわけでもない。
もちろん、毎日朝と昼の2回顔を合わせていて、
集まりとかもあるので、仲が深まれば、年齢などの壁が取り払われることもあるだろう。
しかし、性別の違いもあるけれども、
自分は「これから美容院に行く」なんていう、どうでもいい個人的な話を
わざわざママ友やパパ友には話さないだろうなと思った。
普通の友達であっても、わざわざ言わないかもしれない。
端的に言えば、内向的ということであり、
以前読んだ「内向型を強みにする」という本にはかなり共感を覚えたが、
同じように内向的である妻も、ママ友に対して
「これから美容院に行ってくる」といった話はしないだろうなと思った。
ママ友に対して「これから美容院に行ってくる」みたいな
個人的なことを気兼ねなく言えるか、どうかというのは、
言葉が正しいかどうかは分からないが、「拡張した自分」の広さの違いではないかと思った。
家族に対しては、だいたいどんな個人的な話でもできる。
これは、家族をほとんど自分と同じように、つまり「拡張した自分」としてみなしているからではないか。
拡張した自分というのは、ある意味自分なので、
遠慮がいらないし、時には厳しいことも言える。
でも、拡張した自分の外側にいる他人に対しては、色々と遠慮を感じる。
社交的な人は、この「拡張した自分」の範囲が広くて、
友達も拡張した自分に含まれているのではなかろうか。
だから、「こんなことを話したら相手がどう思うか」なんてことは気にしないし、
友達の話に対しても、自分の身に起きたことのように共感できる。
より社交的な人であれば、初対面の人でも
「拡張した自分」にすぐ取り込んでしまうかもしれない。
そんなことを考えてみたけれど、
社交的な人なら「拡張した自分」なんてめんどくさいことはわざわざ考えることもない。
ただ、自然にやっていることであって、
「わざわざそんなことを考えなきゃいけないの?」と思うことだろう。
(音声入力29分+編集9分)