メンタルへするマネジメント検定Ⅱ種を目指して、覚えたこと、感じたことなどをアウトプットしていくことで、記憶の定着と自分の考えの整理をしていきたいと思います。なお、内容については間違いなど普通にあると思います。これを見て落ちても責任は取れませんので悪しからず。
第3回目は、まだ第1章の企業にとっての意義の話です。前回はこちら。
健康経営という言葉を知っていますか?経産省と東京証券取引所が毎年東証の上場企業から各業種原則1社ずつ選定されるのですが、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」をいいます。また、2014年から選定を行っていましたが、2016年からは「健康優良法人認定制度」を始めています。こちらは、上場企業に限らず、未上場の企業や、医療法人等の法人を「健康経営優良法人」と認定する制度で、大企業、中小企業に分けて選定され、健康経営に取り組んでいる企業を社会的に評価をうけることができる環境を整備することを目的としています。なお、健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置付けられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つとなっています。
健康経営優良法人は大企業、中小企業それぞれ上位500社をホワイト500、ブライト500として認定され、上記のロゴの使用が許されます。
健康経営の考え方は、もとは、アメリカの国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が1996年に提示した「健康職場モデル」の考え方がもとになっています。アメリカで提示されて日本で始まるまで20年…。それはさておき。
これは、従業員の健康、満足感と組織の生産性を両立させることは可能であり、むしろ両者には相互作用があり互いに強化することができるとするもので、ここに、企業がメンタルヘルスケアに取り組む意義があります。ちなみに、NIOSHはこの後、第2章でもう一度でてきますが、職業性ストレスモデルといって、「仕事の要求-コントロール-支援モデル」「努力-報酬不均衡モデル」といったモデルがあるのですが、最も包括的なモデルとして紹介されています。
ストレッサーと引き起こされるストレス反応と病気への進展を横軸に、個人的要因、仕事以外の家庭から等の要因、緩衝要因が取り入れられたモデルで、膨大な研究成果をまとめたものだそうです。上記の図は、東京都HPから拝借してきていますので、公的にも意識しているものであるのは間違いないようです。
企業がメンタルヘルスケアに取り組む意義を3つのステップで説明をしています。
前回も触れましたが、企業が安全配慮義務に違反し、従業員に損害を与えた場合は、民事で損賠賠償責任が発生します。また、このことにより、社内では大きな衝撃が走り動揺が広がるだけでなく、社外からは社名入りで報道され企業イメージ低下は避けられません。過労死まで至らなくても、ストレスによりメンタルをが悪化していれば、集中力や判断力低下を招き、思わぬ事故やミスが発生します。したがって、企業はリスクマネジメントの一環として真剣に取り組まなければいけません。
2007年12月「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」では「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定しました。憲章では目指すべき社会として以下の3点が示されました。
・就労による経済的自立が可能な社会
・健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
・多様な働き方・生き方が選択できる社会
そして、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」では、個々の企業の実情に合わせて、労使で話し合いながら自主的に取り組む活動内容を具体的に掲げ、併せて社会全体として達成を目指す数値目標を設定しています。
最新は↑の2020年ものとなります。テキストでも珍しく2020年の最新がのっていました。「仕事と生活の調和」推進サイトに詳しく載っていますが、ポイントとなるのは、具体的な取り組みの方で勉強のために以下に記載しておきます。
就労による経済的自立が可能な社会
・人物本位による正当な評価に基づく採用
・パート労働者などが正規雇用へ移行しうる制度作り
・就業形態にかかわらない公正な処遇や積極的な能力開発
健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
・労働時間関連法令の遵守の徹底
・長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進などのための、
労使による業務の見直しや要員確保
・取引先への計画的な発注や納期設定
多様な働き方・生き方が選択できる社会
・育児・介護休業、短時間勤務、短時間正社員制度、テレワーク、
在宅就業など、柔軟な働き方を支える制度の整備と利用しやすい
職場風土づくり
・男性の育児休業などの取得促進に向けた環境整備
・女性や高齢者などへの再就職・継続就業機会の提供
・就業形態にかかわらない公正な処遇や積極的な能力開発
促進⇒強制など言葉を少し変えたひっかけ問題や、具体的な取り組みがどのカテゴリーのモノであるかを問う問題も出てくるので、カテゴリーとその内容にしっかり目を通しておくといいと思います。
順番が前後しましたが、ここで登場するのが先に説明したNIOSHの健康職場モデルの考え方です。ワーク・ライフ・バランス憲章や行動指針にのっとっているだけではなく、組織の生産性向上を目指して、従業員の健康や満足度と組織の生産性の両立を目指します。詳しくは既に↑に記載してしまったのでここでは割愛します。
組織の生産性向上をもっと進めて、業績向上、社会的評価を得るべく、マイナスをゼロにする観点だけではなく、プラスをよりプラスにポジティブに変えていく文化を育てていく、健康で活力のある組織の実現を目指していきます。
第1章はあとメンタルヘルスケアの方針と計画、管理監督者の役割ですが、他の章でも出てくる内容なので、第1章はここまでとします。
単なる試験対策として最初に読んで勉強した本では、公式テキストのような背景や突っ込んだ説明、引用などが抜け落ちている印象がありました。練習問題の中で初めて出てくる言葉や指針がいたるところにありました。そういうもんだと割り切って勉強をしていましたが、公式テキストを読んでいる今となっては、情報量が心地よいとすら感じています。願わくは、公式テキストは図表で説明したほうが分かりやすい部分が多い気がするので、図表があるのは引用で他から持ってきたものだけではなく、自分で図表を作って説明をしてほしいなと思います。このあたり改善ができれば、「公式テキストいいじゃん!」ってなるので、メンタルヘルスマネジメント検定からメンタルヘルスケアがもっと身近になるなんてことになるはずです!大阪商工会議所の担当者様!ご一考ください!お手伝いも可能なので、必要であれば、ご用命ください^^。