メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を目指して、覚えたこと、感じたことなどをアウトプットしていくことで、記憶の定着と自分の考えの整理をしていきたいと思います。なお、内容については間違いなど普通にあると思います。これを見て落ちても責任は取れませんので悪しからず。
第13回目は、前回脱線したので第5章 の続きです。前回はこちら。
次の「2 早期発見のポイント」は、この本の悪いところで、前にやったやつをもう一度なので、バッサリ割愛して、3節に進みます。ちなみに、軽く触れると、ストレス反応の身体面、心理面、行動面における変化と、自律神経の話、3層期の変化、いつもと違うに気づく、自殺のサインなど第4回あたりで触れたりしています。
法令で事業者に実施が義務付けられている健康診断の内容は、基本的に身体面に係る項目であり、精神面については、問診で身体面と併せて自覚症状を聴取する程度です。2015年12月から50人以上の事業場での実施が義務化されたストレスチェック制度は、健康診断ではなく「労働者自身のストレスへの気づきを促すとともに、職業改善につなげ、働きやすい職場づくりを進めることによって、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止ること(一次予防)を主な目的としたもの」です。メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしていません。
精神面の健康診断は、身体疾患以上に見られたくない個人情報であり、検査をすればいいものではなく、本人が自発的に症状を訴えなければ診断は困難というものです。
また、コロナでも話題になりましたが、偽陽性の問題もあります。健康な人が大半の中で、スクリーニング的にテストを行うと、病気ではないのに異常ありと診断される割合が増えてしまうという問題もあります。
ということで、どうすればよいかというと、身近な人が日ごろの変化を発見することをお勧めしています。仕事においては、管理監督者がその役目を担うとしています。管理監督者は医師ではないので、診断する必要はなく、メンタルヘルス不調の疑いがあることに気づくことを期待しています。
例えとして、テキストには例が載っています。
うつ病で見られる言動の変化
・何となく元気がなくなった
・口数が少なくなった
・冗談を言ったり笑ったりしなくなった
・会議などで自発的に発言しなくなった
・理由のはっきりしない休みが増えた
・昼食をあまり食べなくなった(食欲が落ちた)
・新聞や本などを読まなくなった
・よくため息をつくようになった
・疲れたと深刻な表情で訴えるようになった
・気弱なことを言うようになった
・仕事に自信を失い自己卑下するようになった
・仕事がはかどらなくなった(アウトトップが出てこなくなった)
これらの変化に気づいた際、声掛けをしてください。その理由が「分かる」か「分からない」かを確認すべきです。
管理監督者は疾病性の判断はできませんので、事例性の判断をします。誰が何を困っているか?です。例えば、アルコール依存症で手の震えなどの禁断症状を判断するのではなく、飲酒のための遅刻や欠勤、酔った状態での出勤などの問題行動をチェックします。本人にも周りにも迷惑をかけていない場合は受診を強く進めることはできませんので、健康状態が心配だと伝える程度となります。周りに迷惑をかけているなどの職務上の問題行動が認められる場合は、それを解決するためにしかるべき医療機関を受診するように命じるようにします。
ラインケアとして管理監督者には「職場環境等の改善」と並んで、「労働者からの相談対応」を行うように求めています。その一方、セルフケアとして、労働者の自発的な相談の重要性も指摘しています。
相談の意義は、メンタルヘルス不調の早期発見・治療だけではく、相談者の悩みやストレスの軽減・解消という意義があります。悩みというものは、ある問題に対して解決策が見出せない状態です。人に相談する意義は、自分の中で堂々巡りだった考えや、自分には持っていない選択肢、自分では決め切れなったことに対する決定など、自分にはない観点を得られることにより、解決へ進むことできるところにあります。
テキストでは、解決策が見出せない原因を3つあげています。原因別に以下に見ていきます。
a)問題点の正しい把握・整理
相談者が何を言おうとしているか分からないことが多々あります。そのような場合は、以下の手順で問題の理解・整理を促します。
a-1)相談をする側は、相手にわかるように問題を説明
a-2)相談を受けた側がよく分からない点を相談者に質問
※非難するような言い方は避ける。基本的傾聴の連鎖を意識します
a-3)相談を受けた側が問題を整理してフィードバック
b)問題解決の手段・資源への気づき
問題解決のための手段や、利用できる資源・人材を知らない場合は、それに関する情報を提供します。
問題解決に自分より適任がいる場合は、その人に相談するように促すべきです。メンタルヘルス不調の疑いの場合は、専門医に見てもらうことを躊躇してはいけません。
c)気持ちの整理をつける
問題解決のために、ある部分を犠牲にせざる得ない状況で、決心ができず悩んでいる場合があります。この手の悩みは、第三者の客観的な意見や説得が気持ちを整理し決心をつけるうえで有効となります。
相談をするということは、上記であげた解決に有効であるということだけでなく、人間の依存欲求を満たすことで精神健康に寄与するという、より幅広い意義もあります。
人間は誰かに精神的依存ができないと、精神健康に悪影響がでます。依存できる人間がいることにより、困ったときに頼りになると信じられる人が身近にいると感じることができ、安心して生活を送ることができます。
こう書くと、依存してばかりで自立していないと思うかもしれませんが、自立とは依存先を増やすことです。詳しくは以下を引用しておきます。
相談対応の意義についてみてきました。自己責任、自立、責任感、色々な言葉で相談を躊躇させることが多々あります。日頃の良好なコミュニケーションは、相談をしてもらうために重要です。「畳み人という選択」で書いてますが、あいさつ、お礼、相手の名前を言うというちょっとしたことを気を付けるだけでも変わってくると思います。小さな一歩を着実に進めていきたいものです。