インド、それは将来的にGDPが世界第三位になることだけが展望されているわけではない。アメリカのGAFAや中国のBATHに続くSWITCHの存在、そしてパキスタンとはその構造を画す多宗教国家としの顔、インドには多くの面があり、細かくみるとそれが本当にすごいものだとわかるときがある。
インドは、長らくして発展を遅くしてきたが、世界の工場になることなくして頭脳立国として立ち上がろうとしている。その姿はまるで象に例えられるが、あながち間違いではなかったりする。というのも、インドのイメージとして象が染みついていることは事実でもあるからだ。
ペティクラークの法則によれば、一次産業があり、二次産業があり、二陣産業があるから三次産業があるとされている。しかし、インドの場合、一次産業の段階を飛ばして三次産業のサービス業が発展してきたという独特のパターンを形成しており、このことが世界の工場になれず発展が遅れたものとされている。もちろん原因はほかにもあるとは思うものの、インドは数十年前の社会構造ではなくなっている。グーグルやアドビなど、多くのテクノロジー企業においてインド人が活躍しており、日本企業もメルカリをはじめとして、インド人に注目している。とはいっても、インド国内ではアメリカやイギリスなど、英語圏へのアプローチは盛んにおこなわれているものの、東アジアの日本に対しては比較的消極的だとも聞く。
インドのITエンジニアが日本に大量進出するには一つ何か工夫が必要だといわざるを得ない。
そんなインドでは、これまで長らくカースト制が存在してきており、モディ首相もカーストでいえば下の階級出身だともいわれている。IT産業ははじめとする「デジタルインディア」においては、カーストの縦割りが溶け出しているということもあり、外資の誘致なども政権が行っているため功を奏しているといえる。
インドのメトロであるデリーメトロは、東京の地下鉄網の規模を超すことが時間の問題だとされているほどに発展している。また、これまでカーストの最下層である清掃員が行う仕事だった人糞の処理も、ビルゲイツの取り組みやスラブ式トイレの開発などで人いらずになることも予測されている。
日本にいると、インドの状況がどうなっているのか全く分からないままでいる。しかしそれは無理もなく、例えば日本の隣には韓国や中国、アメリカが位置しているものの、インドではパキスタンに中国、ミャンマーやバングラディッシュなどである。それらは、GDP的にもアメリカや韓国よりは低い位置にあり、だからこそインド人は近隣諸国から遠く離れた地域まで行くことが多い。そして、インドから世界を見ると西には日本よりも近い位置でアラブ諸国が見えてくる。
カタールワールドカップで働いていた外国人の大半は東南アジアかインド人という話があったが、それは上述したような距離的な要因が強いのではないかと考えたりしている。インドは、世界一の在外邦人を持つ国としても知られているのである。
Infosysやマヒンドラグループは、日本ではあまり知られていないが世界的に見ると、いや、インド的に見ると非常に有名である。日本でいうNTTくらい有名だろう。しかし、世界には様々な企業があり、それはGAFAだけではない。そのGAFA以外の世界企業を見ることができるGlassdoorは非常に有用なツールだと思った。
インドに旅行したことはないものの、インターネット越しにインドを見るのは非常にセレンディピティを感化される。やはり、何かがあるというのはあながち嘘ではないのかもしれない。