どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
皆さんは、仮想通貨の銘柄を選ぶ時、有名人がオススメするものをよく調べもせず、飛びついたことはありませんか?
今回は、そうした行動をとってしまう原因を理解する上で参考になる、『影響力の武器[第三版]』が説く「権威」についてご紹介します。
《6つの心理学的原理》
返報性のルール/コミットメントと一貫性 /社会的証明/好意のルール/権威/希少性
人生の早い時期において、親や教師が私たちより多くのことを知っており、彼らの忠告に従えば自分のためになると私たちは学習します。それは、1つには彼らが私たちよりも多くの知識を持っているからであり、もう1つには彼らが私たちの賞罰を決められる(※コントロールしている)からです。
成人になっても、従う相手が経営者や裁判官、政府のリーダーに変わりこそしますが、同じような理由で服従することは利益をもたらします。
権威ある地位にいる人はそれだけ情報や権力を握っているわけですから、政党に確立された権威者の意向に従うのは、理屈に合っています。実際、理屈に合いすぎているせいで、私たちはしばしば、まったく理屈に合わないような場合であっても、思わず権威者に従ってしまうのです。
—— 『影響力の武器[第三版]』
「権威者に服従すれば報われることが多い」と一度知った途端、人はこの便利な自動的服従に頼るようになります。考える必要がないので、考えることをしなくなるのです。
権威者に服従するだけの人は、自ら考えるのではなく単に反応しているだけなので、時に不適切な行動をとってしまう場合も出てきます。
例えば、今年発覚した日大アメフト部のパワハラ問題や、財務省による情報の隠蔽などでは、この原理が働いたが故に、実行者は権威者に異議を唱えることもなく、盲目的に指示に従ってしまったのだと考えられるでしょう。
では、権威者の影響力による有害な効果から自分自身を守るには、どうしたらいいのでしょうか?
著者のロバート・D・チャルディーニは、権威の命令に従うべきか否かを決める上で、次の2つの質問が役立つといいます。
①この権威者は本当に専門家だろうか?
②この専門家は、どの程度誠実なのだろうか?
①の質問は私たちの注意を権威のシンボル(肩書きや高価な装飾品など)からそらし、権威者の地位を示す証拠へと向けます。それにより、自動的な服従という落とし穴から逃れることができます。
②の質問を発するのは、たとえ権威者(=専門家)が多くの情報を持っていたとしても、彼らがその情報を正直に提示しないかもしれないからです。その状況における専門家の知識だけでなく、彼らの誠実さも考慮すべきです。
上記2つの質問を自らに問いかけ、疑問を感じた場合は、権威者に無批判に従うのは避けることが賢明だといえるでしょう。権威者の策略に引っかからないよう、2つの質問を活用して、自分なりの考えをしっかり持つ習慣を築いていただければと思います。
ではまたー。
返報性のルール
→【100】なぜ、親切にされるとお返ししたくなるのか?
コミットメントと一貫性
→【099】重い腰はなぜ上がらないのか
社会的証明
→【102】なぜバラエティ番組では笑い声が入るのか?