ジャライ族は、様々な状況で生贄の儀式を行っています。
色々な不幸な状況が続いた時などに、悪い精霊に呪われていると考えます。
そんな悪霊の怒りを収めるために、様々な動物を生贄に捧げています。
特に病気にかかった時は、精霊の怒りが原因だと考えて、その怒りを鎮めるために彼らにとって貴重な家畜を生贄に捧げます。
ジャライ族にとっての財産保存の手段は基本的には家畜です。
ニワトリ、アヒル、豚、牛、水牛の順に価値が上がっていきます。
各家庭財産として動物を飼ってて、たくさん家畜を飼っている家庭が裕福な家庭だと見なされています。
10数年前にようやくカンボジアの貨幣経済がジャライ族にも浸透しましたが、一昔前まではほとんどが物々交換をするか、家畜を通貨として活用していました。
ですが動物はやがて死んでしまいます。何らかの形で生きているうちに消費しなければ、何もしないで財産を失うことになってしまいます。
そのために食用以外に、生贄で動物を消費することもあるのです。
自分たちにとって一番貴重な家畜を生贄に捧げることで、精霊たちが喜ぶと考えています。
動物を精霊に捧げた後は、儀式に村人みんなでその動物を食べるので、特定の様式にしたがって家畜をコミュ二ティ全体で分かち合うと言った意味合いもあります。
病気になった際には、その病気の重さによって生贄にする動物が変わります。
ちょっと体調が悪いくらいだったらニワトリ、命に関わるような重病な場合は水牛などです。。
実はそんな生贄の儀式を一度自分でも経験することになってしまいました。
その経緯を説明するために、まず私がデング熱に感染した経験を紹介させてください。
当時ラタナキリというカンボジアの僻地に住んでいたのですが、ある日急に身体中がだるくなり、体温を測ってみると39度ほど熱がありました。
そして起きているのが辛くなり、ずーっと横になっていました。
なぜか食べ物や飲み物の味が変わって感じます。
水を飲んでも科学的な味がするのです。
そこで近所の薬局で血液検査を受けることにしました。
(この地域には病院が少ないので薬局で血液検査を受けられます)
薬局に行ってみると、いきなり画鋲で指をさされて、そこから血を絞り出して血液をとって調べるというかなりワイルドな検査をされてしまいました。
ですが検査の結果何も異常はなく、ただの風邪だと診断されました。
そのまま数日経っても熱は下がらずむしろ40度を超えてしまいうなされるようになり、具合もかなり悪いままだったので、首都のプノンペンまで行って再検査をすることにしました。
普段はプノンペンまでの移動は乗合バスで10時間ほどかかるのですが、この時ばかりは幸運にも週に2便だけあるセスナ機で移動することができました。
プノンペンに到着するとすぐにクリニックに行ってまともな検査を受け、すぐにデング熱の陽性反応が出ました。
デング熱は蚊に刺されることで感染する病気で、ワクチンもまだ開発されていません。
しかもこの時は既にデング熱が重症化していて、血小板の数が危険値よりもさらに低下していて、万が一怪我をしたりして出血すると血が止まらなくなり死んでしまうと言われてしまいました。
歯茎から出血したら血が止まらなくなり危険ということで、歯磨きまで禁止されました。
(その5日ほど前の画鋲の検査は血小板の数値がまだ正常値の時だったため、大丈夫だったそうです)
かなり重症化していてカンボジアでは治療できないということで、隣国のタイに緊急搬送されてしまいました(海外保険に入っていたおかげで治療費や輸送費が保険から出たおかげで助かりました)。
2週間ほどタイで入院成活を送り、ようやく熱も下がり血小板の数も正常に戻り、カンボジアに帰れることになりました。
とにかくきつく辛い経験で、2度とデング熱にはかかりたくないです😅
しかしデング熱が治った後も、半年ほど体調不良が続き、やたらと風邪をひきやすくなったり、下痢をしたりする時期が続きました。
そんな状況の中で、ある日ひょんなことから生贄の儀式を経験することになったのです。
次回に詳しく紹介しようと思います。
これまでジャライ族について紹介した記事です🐱