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憲法学からALISのルール作りについて考えてみた part1

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  • ふっくん
  • 2018/11/07 00:32
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どうもふっくんです


コピペ問題について書いてやろうと思いつつ、自分なりの考えがまだまとまっていなかったのでずっと放置していたのですが、いろんな事件が今日ALISに起きたので、もう投稿しちゃえ!!(笑)と思い、投稿することにしました。



これとか、、、(そういう問題じゃないんだよな~)

これとか、、、(塾長、、、笑)


見ていていろんな事件が起きるのでALISは楽しいです(笑)


事件が起きる度にALISISTAのみんなはいろいろ記事にしていると思うんですけど、ぼくも少し憲法学の視点から考えてみたいと思います!(実はぼくは憲法学専攻で、表現の自由ガチ勢なのです!)

冗長になるのもあれなので、2部に分けて書いていきたいと思います。

今回は、学説だけの紹介ですがよければ読んでいってください~


【目次】
1、アーキテクチャ論って?
2、4つの分類の関係性
3、ネット空間の特徴
4、まとめ



1、アーキテクチャ論って?


アーキテクチャ論というのは、アメリカ憲法学者ローレンス・レッシグが考案したものです。別名、コード論とも言います。レッシグは物事の「規制」(法的意味での規制ではなく、単純に制限されるという意味での規制です)の方法には4つの側面があると考えます。それが、「」「規範」「市場」「アーキテクチャ」です。人の権利はこの4つの側面から規制、制約されると考えます。

例えば、たばこについて考えてみましょう。

たばこは「」で20歳以上じゃないと吸えないと決められていて、田舎に住んでいる人でたばこを買える場所が自販機しかないという人は、たばこの選択肢が自販機の中だけに制限されます(「市場」)。また、たばこは家で吸う分には問題ないですが、嫌煙家の友人の前では家であってもたばこを吸うのは憚られます(「規範」)。そして、煙の出るたばこの方が、出ないものよりも吸える場所は限られます(「アーキテクチャ」)。


レッシグはこの規制のイメージを、「無制限な権利が4方向から形作られることで実体化する」と考えています。ぼや~っとしたものが4つの方向から押されて〇の形になるイメージで、下の図のような感じなんですが分かりづらいですかね

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実際はこの4つの方法からの規制はこんな形で平等にはなっていることはほとんどなくて、場合によってはそれぞれの方向からの規制が強く働いたり弱く働いたりします。

たとえば、飲み会でからあげを食べていて最後の一つになったとき、なかなかだれも手を付けませんよね?「遠慮のかたまり」というやつです。そのときは下の図のようなかたちでそれぞれの方向から規制が働いています。

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飲み会での「遠慮のかたまり」の実態



2、4つの分類の関係性


この4つの分類は正確に区分しきれるものではなくて、複合的になることもあります。例えば、万引きは立派な犯罪で、「法」により規制されていますが、これが、看板に書かれていたるところに置いてあると「法」だけじゃなく、「規範」からの規制がなされることにあります。


それぞれは互いに牽制しあう関係にあります。例えば、「市場」による過度な規制、つまり独占市場は独占禁止法により「法」で制限されています。このおかげで、1方向からの規制による権利侵害が防がれています。


また、レッシグは4つの分類の関係性として、「法」が根源にあり、その派生で「規範」、「市場」による制約が形成され、「アーキテクチャ」によりそれらを統括的に規制すると考えています。つまり、「アーキテクチャ」というのが物理的手段による規制のことなのですが、「法」が制定されたおかげで「市場」と「規範」がそれに付随する形で形成され、「法」でカバーしきれないものや「規範」「市場」ではグレーゾーンとなっているものを「アーキテクチャ」によりまとめて規制するということです。

いろいろ書きましたが、ここで一番言いたいのは、4つの規制分類が互いにバランスをとることで人の権利は制約されながらも保障されていて、「法」が権利を保障するうえでの最大の盾、「アーキテクチャ」が権利を規制するうえでの最大の矛の役割を担っているということです。



3、ネット空間の特徴


レッシグはアーキテクチャ論で規制の在り方を4分類することが目的なのではなくて、この4分類によりネット空間の怖さを伝えることを最大の目的としています。要は、上の話は今から説明することの前置きって感じです。

ネット空間の特徴は、国境を無視できることと匿名性にあります。ネット空間は、世界中の人が匿名のもとでいつでもどこからでもどこへでもアクセスできる状態にあります。そうなると、空間内において「法」「規範」「市場」による規制は意味をなさず、「アーキテクチャ」による規制、つまりコードによる規制しか働かなくなります。(これがコード論と言われる理由です)

権利を保障する最大の盾である「法」は、ネット空間で実質意味をなさないため、ネット空間はコードによって人の権利が無制限に制約できる状態にあることになります。

もちろん、法からの解放こそ「自由」なんだ!と考えることもできますが、レッシグは法からの解放を「自由」としてとらえるのはインターネット初期時代に終わっていて、今の時代は、ネットサービスの運営の思惑次第で自由に権利が制約される状態になっていることを主張しています。おそらく、GoogleやFacebookなどを念頭において懸念しているのだと思います。



4、まとめ

・「規制」には4タイプある!
・ネット空間ではコードによる規制が無制限なのが特徴!

超ざっくりまとめるとこんな感じです。

ALISと関係ないことをずっと説明してきましたが、ぼくはこのアーキテクチャ論がALISでのルール作りの上で一つの視点を与えることにつながるんじゃないかなと思います。みんなの記事を読んでみて、テクニカルなところで実現可能なのかどうかは全く分からないのですが、「これはこの側面からの規制だなー」とか、「この側面を固めないと保障部分が崩れて結局自分の首を絞めることになるんじゃないかなー」とか、いろいろ考えていたので、次回にこのアーキテクチャ論に基づいてみんなのアイデアを参考にしつつALISのルール作りについて考えてみたいと思います。



以上、ふっくんでした!

参考資料:
水野祐「法のデザイン」
ローレンス・レッシグ「Code2.0」
みなさんの記事(ありすぎるので省略です笑)





公開日:2018/11/07
獲得ALIS:61.07
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表現の自由ガチ勢大学生🔥弁護士志望です。ALISは法律メインでいろいろ書いていきます。

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