書名 日給300万円のSS級トレーダーが明かすbotterのリアル
著者 richmanbtc
発行 幻冬舎
ページ数 251
会社を辞め、お金があまりなくなってしまった著者は、起死回生を狙い仮想通貨のトレードに足を踏み入れます。彼は前職でシステムエンジニアをしており、機械学習とプログラミングの技術を持っていました。徐々に成果が出るようになり、1年半で億を稼ぐようになった著者のサクセスストーリー。読者の参考になるように、チュートリアル(botのサンプルソースとその説明)も記載してあります。
まず、縦書き・右から左と横書き・左から右への書き方が混在しているのがまったくいただけません。ソースプログラムを載せるような本は、左綴じとして横書き・左から右へ書くのが常識です。これは著者の責任ではなく企画・発行元の幻冬舎の責任です。これだと、本屋での立ち読みの時点でこの本を購入しない人も出てくるかもしれません。
それはともかく、この本の読者の99%(言い過ぎかな?95%でもいいです)は「ふーん」で終わると思います。プログラミング言語を学んでbotを作ろうとは思わないはずです。まず著者は機械学習に詳しく、どのようにデータを食わせたらどのようにシグナルが出てくるか、それなりに知っている状態でbot作りを始めています。そのため、多少プログラミングを知っている読者も一足飛びのような感じがします。最初は機械学習を使わないbotの話があると読者をもっと引き付けられたと思います。(実際、筆者は機械学習を使わないbotは作っていないようです)
この本は、ネットにあるチュートリアルの場所を教えている意味で資料的価値はあります。世の中すごい人もいるもので、そのチュートリアルを読み解いて勉強している人がいます:
筆者のgithubやそのような勉強サイトにたどりつけるのがいいところではあります。
筆者は東大院卒で大変頭がよく(それ自体、読者のあきらめを誘うかも)、文のところどころにちょっとしたヒントを埋め込んであります。それを流して気づかないか、ん?と思ってそれを調べるかでも得られるものの大きさが変わってきます。
筆者は予測をしています。先日読んだこの本(小次郎講師著 真・トレーダーズバイブル)は「予想はしても予測はするな」と解説しています。
本の言う通りにするかは自分次第ですが、成果を出せた人でもやっていることが真逆というのが面白いですね。
あとは、「ATR(Average True Range)」というキーワードも出てきました。真・トレーダーズバイブルでもATRを活用しています。小次郎講師はATRをユニット(取引量の単位)計算と損切りに使用しています。richmanbtcがATRをどう活用しているか、私もこれからチュートリアルを勉強してみます。
(敬称略)
以上