若年層の大麻汚染が深刻です。警察官の大麻犯罪も相次いでいます。
京都府警警察学校初任科生の巡査は大麻を所持し、警察学校で同期の腕時計を盗みました。京都地裁は2019年10月9日、懲役2年、執行猶予3年と大麻草2袋の没収(求刑・懲役2年と大麻草2袋の没収)の判決を言い渡しました。
兵庫県警尼崎南署留置管理課の巡査は2020年5月13日、大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されました。
大阪府警堺署地域課の巡査は2020年6月4日、大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されました。大阪府警では警察学校同期ら4人が大麻を使用しました。
山形県警巡査は知人から乾燥大麻を有償で譲り受けたとして、2020年7月13日に大麻取締法違反(譲り受け)の疑いで逮捕されました。
近時の大麻汚染は二つの意味で危険ドラッグが遠因になっています。直接的な要因として規制強化された危険ドラッグの代用として大麻が求められています。「近年流行した危険ドラッグに対する規制強化を受け、若者を中心に大麻への回帰が進んでいるとみられる」(「大麻回帰する若者たち 危険ドラッグの代用 きっかけは好奇心、誘惑、安価 県内検挙前年比4割増 /岡山」毎日新聞2018年6月22日)
大麻が人体を蝕む有害な薬物であることは言うまでもありません。「大麻を吸えば思考能力の低下や記憶障害、幻覚・妄想を招くおそれがある。より強い刺激を求めて、ほかの違法薬物に手を出す契機となることから「ゲートウェイ・ドラッグ」とも呼ばれる」(「「興味本位で吸った」若年層の大麻汚染、警察官にも…」産経新聞2020年6月27日)。
ところが、若年層には大麻が有害という知識の欠如が見られます。「覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?」で育った世代としては大きなギャップを感じます。ここには麻という自然由来だから健康的という誤解があるでしょう。
これも危険ドラッグの弊害です。危険ドラッグも売人は脱法ハーブと称して、ナチュラルなイメージで販売していました。危険ドラッグの法規制は進められましたが、「人間やめますか」くらいに脱法ハーブを社会悪として徹底的に根絶しなかったことが今日の大麻汚染につながっていると言えるでしょう。
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