NHK大河ドラマ『どうする家康』第16回「信玄を怒らせるな」が2023年4月30日に放送されました。武田信玄が中心の回のためかタイトル画面の背景が赤です。百足が描かれます。信玄の使番の旗指物が百足だからでしょうか。
信玄は具合が悪そうです。阿部寛さんの信玄は『テルマエ・ロマエ』を連想します。寿司のワサビなど慣れないものを食べて腹を壊したのでしょうか。
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武田家は人質の扱いが悪いです。現代日本の人質司法と変わりません。徳川家は忍の扱いが悪いです。ドラマではコミカルに描きますが、実際に人間扱いしていなかったのでしょう。
家臣は徳川家康に「信玄を怒らせるな」と言いますが、家康は「こちらの態度が何であれ、信玄は侵略を狙っている」と見抜いています。ウクライナを侵略するロシア連邦と同じでしょう。
家康は信玄を尊敬し、信玄に学ぼうとしたと描かれることが多いです。しかし、『どうする家康』の信玄は強大ですが、敬意の対象とは異なります。弱肉強食の侵略者に映ります。これは宮城谷昌光『新三河物語』の信玄観と重なります。
武田家の人質虐待は人質だけを虐待したものではありませんでした。真田信繁(幸村)や信之も、このような訓練を受けたのでしょうか。『テルマエ・ロマエ』から武田家をローマ帝国と呼ぶ向きがありますが、ローマというよりもスパルタでした。
人質だけを虐待したものではないから人質虐待ではないとはなりません。武田家全体がブラックになります。織田家に続いて武田家もブラック大名でした。今川家のホワイト大名ぶりが際立ちます。
信玄は家康に戦国を生き抜く厳しさを伝えます。今川義元も信玄も徳川家康には良い教育者になっています。しかし、義元も信玄も自分の息子には良い教育者とは言えませんでした。他人が教えたくなる人、家臣が支えたくなる人というのは一つの才能になるでしょうか。
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