NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は2022年10月9日に本編放送を休止し、「応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~」を放送しました。スタッフの働き方改革のための番組ですが、脚本家の三谷幸喜さんが最終回について語り、見逃せない内容になりました。
三谷さんは最終回が意外な終わり方になると指摘しました。北条義時が幸せに亡くなって良いのかと述べます。義時の意外な死因としては伊賀の方による毒殺説や近習による刺殺説があります。『鎌倉殿の13人』の伊賀の方(のえ)は裏表と野心のある悪女に描かれており、毒殺説は成り立ちそうです。
刺殺説も多くの人を死に追いやっている因果応報として成り立ちます。義時は殺し屋としてトウを使っています。殺し屋に殺される展開も考えられます。
三谷さんは「北条泰時が希望」と述べました。そうなると評定衆と御成敗式目が希望になる。北条泰時は御成敗式目制定を伝える手紙で以下のように書きました。「地方では律令に通じている者など万人に一人もいないのが実情です。そのような状態なのに律令の規定を適用して処罰したりするのは、まるで獣を罠にかけるようなものです」。ここには騙し討ちを否定するフェアな精神があります。評定衆と御成敗式目がラストになるならば義時死後も物語は続きます。
鎌倉殿の13人は評定衆と両執権か
『鎌倉殿の13人』は歴史に沿いながら、定説と異なるキャラクターを描いているところが魅力です。これまでの物語では悪役であった上総広常や梶原景時が退場時に惜しまれました。
北条政子も定説では悪役キャラです。これに対して三谷さんは「政子は悪女に見えない」と述べます。最後まで政子は悪役と感じられなかったとします。比企能員の変や源頼家暗殺は北条時政や義時が主導し、政子は陰謀に関与していないという話も成り立つでしょう。
しかし、義時没後の伊賀氏の変は政子が陰謀を糾弾する主役になります。『鎌倉殿の13人』が泰時まで描き、かつ、政子が悪人にならないならば伊賀氏の変は伊賀の方の陰謀が本当に存在したことになるでしょう。義時毒殺説の可能性も高まります。
『鎌倉殿の13人』第35回「苦い盃」畠山重忠の冤罪
『鎌倉殿の13人』第36回「武士の鑑」冤罪の追及にも陰謀が必要
『鎌倉殿の13人』第37回オンベレブンビンバはombre per un bimboか
『鎌倉殿の13人』第37回オンベレブンビンバは難しく考えすぎ
『鎌倉殿の13人』第38回「時を継ぐ者」牧氏事件