テニスの大坂なおみ選手が2021年6月28日から始まるテニス4大大会の1つ、ウィンブルドン選手権を欠場します。大坂選手は5月に全仏オープン後の記者会見を拒否して話題になりました。大阪選手は、うつ病を告白しましたが、記者会見拒否の投げかけがメンタルヘルスの問題で収束することは残念です。
テニス選手の目的は試合に出て勝利することです。勿論、卑怯な手を使って勝つことは軽蔑に値しますが、勝つために条件を整えることは当然考えることです。記者会見がメンタル面で悪影響を及ぼすならば、試合後に記者会見が控えているだけで試合にベストコンディションで臨めなくなります。それ故に記者会見をカットすることは自然な考え方です。
試合にも出られないようなメンタルヘルスの問題を抱えているから記者会見を拒否するのではなく、試合に勝つために記者会見を拒否するという発想です。マイナスになる無駄をなくしていくことが改善であり、改革になります。大坂選手は「Change makes people uncomfortable.」(変化は人々を不快にする)とTweetしました。記者会見に出て当たり前という前時代的意識からの変化を主張しています(林田力「DXと飲食店の注文用タブレット」ALIS 2021年6月13日)。
大阪選手の記者会見拒否に対して、批判する側は「記者会見は大会を成り立たせるために必要」という理由で正当化する傾向があります。これは必要だからやらなければならないというだけであり、改革も改善も生まれません。この必要だから頑張ってやれという論理がメンタルヘルスの問題を生み出しているように感じます。
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