新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の世界的な感染拡大は私達の生活に大きな影響を与えています。どこにいっても新型コロナウイルスが話題になります。新型コロナウイルス対策でSocial Distanceが推進された結果、日本では自殺が減少しています。
日本全国の2020年4月の自殺者数は1,455人です。対前年同月比359人減少しました。約19.8%の減少です。2020年1月から4月までの累計自殺者数は6,260人です。対前年比709人減少しました。約10.2%の減少です(厚生労働省自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」2020年5月12日)。
報道では以下のように分析されています。「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、家族ら同居する人が外出せず家にいることや、職場や学校に行く機会が減り、悩むことが少なかったことなどが要因とみられています」(「4月の自殺者数、前年比約20%減」TBS 2020年5月12日)
職場や学校に行く機会が減ると悩みが少なくなるとの分析は本質を突いています。自粛自粛で経済的にも心理的にも苦しくなって自殺者が増えるとの主張がありましたが、逆の結果になりました。むしろSocial Distance以前の対人関係が自殺の原因でした。Social Distanceは日本社会の生き辛さを減少させます。
新型コロナウイルス感染拡大で自殺減少という事実を見ても、昭和の感覚では生きることの大変さを再確認して自殺を思いとどまるようになったというような分析が出て来そうです。その種の自殺者を甘えと見る昭和の精神論根性論は自殺防止に最も有害です。