NFTが発展した先にあるメタバースが流行ると、”裸”ではいられません。 そうなると、『デジタル特化のアパレルブランド』が流行るよね! 今回はそんなお話です。
メタバースは、「1兆円規模の投資宣言」をしたMeta社(旧Facebook社)をはじめとして大型投資をする企業もたくさん出現し、”時代の針”が一気に進んできています。
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NFTもまだ世間には浸透しきっていませんが、NFTコレクションを購入し、Twitterアイコンに設定した方であれば、単にJPEG画像をセットした時とは違う感覚を持たれていることと思います。 その差はなぜ生じたのかといえば、自分自身を現すSNS上の「顔」が、NFTによって価値がつき、ちゃんとした『質量』を感じ取れるようになったからでしょう。
リアル世界でいう、「自分を着飾る腕時計」と同じような意味合いのものでもあります。 SNS上で自分をあらわすアイコンが無料だった時には、誰も何も気にしませんでした。 しかし、ブランドによって価格差が出てくるようになると、途端に、否が応でも意識せざるを得なくなる、そんな感覚です。 外見やファッションに敏感な人ほど、この感覚は強くなると思います。
また、私の実体験として興味深いのは、NFTをアイコンにしたことである種の責任感が生じたことです。 TwitterをNFTアイコンにする行為は、「私は、このNFTコレクションの一員です」と宣言しているようなものです。 つまり、NFTアイコンが、それぞれのNFTコレクションのコミュニティと連動しているのです。 そうすると、使用者の心の中にはある種の責任感が出てきて、「より良い自分でありたい」という気持ちが芽生えるのです。 Twitterの投稿がある種の”徳”のようなものだと意識すると、より良い方向に影響のある投稿をしたくなる、という感じです。 この感覚は、恐らく私だけが感じている物では無いはずです。
これまでなんでもなかった「ただのTwitterアイコン」が、NFTの出現で"質量"を持ったことにより、人々は途端にSNSで生活するときの"顔"を、より強く意識することになったわけです。 リアル社会において、誰もが人の"顔"を意識して生活しているように、ネット上で過ごす時間の比重が高まっている現代においては、ネット上の"顔"もまた、しっかり整えていくべき対象となります。
Twitterがウォレット接続機能を実装し、アイコンがNFTに直接連携するようになると、どのような影響があるでしょうか? ネットが生活の一部になっている多数の日本人にとっては、ここが「メタバース」の入り口にもなり得ます。 メタバースというと、VRのリッチな空間を思い浮かべるでしょうが、なにもそんな空間だけがメタバースではありません。 Twitterも、広い意味ではメタバースです。 Twitterでは、ニュース・告知・友だちと会話・音声通話ができます。 それらは、3D空間に比べればまだまだ貧相ですが、コミュニケーション方式としては非常に洗練されている2D空間です。
SNSでの表現が次第にリッチになっていくと、どうなるでしょうか? (リッチになるというのは、2Dから3Dへといったイメージです。) 普段私たちが住んでいるリアルな生活に似た空間を、SNS上で再現できるということになります。 そうすると、よりスムーズに、リアル世界からSNS(=メタバース)の世界へと行き来する事が出来るようになるでしょう。
次世代のSNS=「メタバース」が、ネット上で生活し、仕事をする場になるとしたら…? アイコンの”顔”に加えて、次に”身体”が必要とされます。
すでに人気のNFTコレクションの中には、こうした将来を見据えているものも多くあります。 Twitterアイコンに最適なバストアップの画像を元にして、3DCGやボクセルアートで全身を表現するNFTを作成し、メタバース上の”自分”を準備していっています。
メタバース内では、「顔だけ準備してそれ以外は裸」というわけにはいかないので、必ずアパレルを身にまとうことになりますよね。 しかし、考えてみれば自分の生身の肌を露出するわけではないのに「恥ずかしい」という感情が起こるのは、なんとも不思議なものですね。 メタバース内でアバターとして存在する自分を、生身の自分として捉えてしまう人間心理は興味深く、本質的です。
仮に、毎日起きている時間の8割をメタバースで過ごす時代が来たとしましょう。 毎日同じような服を着て生活するよりも、日々の気分によって服装をガラッと替えたくなるのが人情ですよね。 人は、同じことを繰り返すことを苦痛に感じる生き物です。 そう考えると、自己表現方法のひとつとして「デジタルアパレル」のニーズが爆発的に高まるはずです。 adidasがメタバース事業へ参入することを決め、BAYCとコラボしたりするのも、このような時代の流れを汲み取っての動きでしょう。
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「デジタルアパレル」は、これまでのアパレルの作り方とは違い、布を織ったりする代わりに、グラフィックデータをNFT化するという「システム開発」が必要な領域です。 また、販売はネット上になるので、デジタルマーケティングもより重要になってきます。
こうした分野は、これまでのアパレルブランドが不得意だった部分です。 この間隙を縫って、「デジタルだけに特化した新興アパレルブランド」が爆誕することになるでしょう。 これは遠い未来の話ではありません。 既に国内外で成功事例が出てきています。 実は私自身も、今後のテンプレートになり得るある企画を進行中で、近々発表できる手はずです。
奇しくもコロナ禍も重なり、人類は物理的な社会から、ネット上のデジタルな世界に多くの時間を過ごすようになってきています。 このトレンドはもはや不可逆化の流れです。 デジタルネイティブが主導する、これまでの常識が180度ひっくり返る革命がいま起きているとワクワクが止まりませんね!
※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)