NFTに触れていると「a16z」というキーワードを見かけることがあると思います。 これは一般の方にはまだあまり知られていない米国にある組織の名称です。 a16zとはいったんどんな組織なのか? 社会を影で操る闇の組織なのか? サクッと解説します。
「a16z」は略称で、「Andreessen Horowitz」と書きます。 読み方は、「アンドリーセン・ホロウィッツ」です。 aからはじまってzで終わるまでの間に入ったローマ字が16個なので、「a16z」と略されているのです。
ちなみに、会社としての正式名称は、「AH Capital Management, LLC」です。 2009年に、マーク・アンドリーセンとベン・ホロウィッツによって設立されたベンチャーキャピタル会社です。
お察しの通り、社名の由来は、2名の共同創業者の名前から来ています。
公式サイト:https://a16z.com/
マーク・アンドリーセン氏は、世界初のウェブブラウザの「Mosaic」や「Netscape Navigator」の開発者です。
a16zの中の人たちは、文字通り、インターネットの歴史を創り出してきた人たちです。 言ってみれば、「インターネットを一般化するために作られたブラウザの原型」を創ったのが、a16zの創業者なのです。 その後、SNSやネットサービスが来ることを予見し、大型の投資を仕掛けてきて、圧倒的な成果(投資リターン)を上げてきた投資会社だったのです。
日本に限らず、スタートアップのエコシステムにいる業界関係者(=投資家やベンチャーキャピタルなど)から見ても、泣く子も黙る存在がa16zです。 投資会社のもっとも大切な役割は、「未来予測を当て、多くのの資産家や企業から預かったファンドの資金を運用し、期待するリターンを返すこと」です。
2021年10月には、NFTコレクションファンド「Meta4」の100億円規模の資金調達の主導&投資を発表しました。 簡単に言えば、「NFTに巨額の投資をしようぜ」と資金をがっつり集めたということです。 このファンドはBAYCやメタバース上の土地などゲーム系NFTを購入し、運用予定とのこと。 なんだかすごいですね。
a16zはまた、NFTゲームとして名高い「Axie Infinity」の開発会社にも170億円の資金調達を主導しています。 その前には、2400億円の暗号資産ファンドも設立しています。
更に、「NBA TopShot」で有名なDapper Labsにも出資していたことも判明しています。
更に更に、世界一の暗号資産取引所であるコインベースに出資もしています。
圧倒的存在感です。
えっ。なにこれ。もはやチートでしょう?
と思ったあなた、大正解。
そうなんです。 これまでインターネットの世界の中心にいたa16zが、ほかの投資会社がまだ気付く前にいち早くブロックチェーン投資を始めてしまったという経緯があるのです。
a16zのインターネット時代の活躍も紹介します。
SNSの雄、フェイスブック・インスタグラム 民泊のエアビーアンドビー Slack
など、錚々たるグローバル・サービスに投資を行ってきた組織、それがa16zです。 そんな抜群の先見性を誇るa16zが、いま、暗号資産やNFTに大型の投資を仕掛けているのです…。
これまでインターネットの世界で数多の実績を誇るa16zが、今まさに暗号資産とNFTにフォーカスしている事実。 この事実は、業界人からしたら見逃せません。 少なくとも私は、インターネットの骨の髄まで知り尽くし、リスクを張って巨額投資を行っているa16zと未来予測の精度では適わないと認識しています。
米国のシリコンバレーのコア中のコアであるa16zのスーパーエリートたちが、日々の膨大な情報の中から、次なる成長領域と、投資領域を見定めました。 その領域が、まさにNFTや暗号資産を生み出すブロックチェーンだということは、ビジネスパーソンは知っておいて損はない知識でしょう。
ちなみに、10月にAdobe社が発表した「NFT/クレデンシャル対応」は、時代がまた一歩、a16zが予測する未来に近づいた事象です。
関連ニュース:アドビ「Photoshop」でNFTの真正性示す情報付与が可能に
既に市場を独占しているAdobe社が、なぜこの早いタイミングでNFT対応に歩みを進めたのでしょうか? それは、OpenSeaが多くの小売ECを抑えて成り上がったのを目の当たりにして、早くNFTに対応しなければ、Web3時代に別のベンチャーが勃興して飲み込まれてしまうかも知れないと危機を感じたのでしょう。
NFTは、、最早デジタルビジネスをしている企業にとって無視できない存在となりつつあります。 それは、a16zが無言のプレッシャーを与えているかのようです。
※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)