ガチのエンジニアで真のビットコイン伝道師“アンドレアス・アントノプロス”さんの動画をカタコト流に翻訳して行く“それアントノプロスさんならなんて言うかちょっと聞いてくるわ。”
今回は彼のスピーチ・テーマとしては珍しいビットコイン投資に関する話題をとりあげて翻訳しています。
タイトルは“次なるビットコインは何か?” シリーズの第2回目です。
原題は"Why Bitcoin is 'The Next Bitcoin'"(なぜビットコインが次なるビットコインか?)ですが、ビットコイン新規参入者にも読んでもらいたいのであえてこの翻訳にしています。
それではではどうぞー。
私が初めてビットコインを買った時の話をしましょう。
ビットコインの事はそれまで一年ほど見聞きしていました。あらゆる関連する科学論文を読み漁り、ビットコインがどうやって動くのかを理解しようとしていました。
コンピューター科学者である私にとって非常に面白く、大変な興味を持っていました。そしてまた使ってみたいと思うようになりました。
そう、使ってみたいと思ったがゆえに少量のビットコインを買う必要があったのです。
その時点で、気軽に買える金額は100ドル分位だったので2012年に、その分だけのビットコインを購入する事にしました。
そのためには、“マネーグラム”というサービスを利用するため雑貨屋に出向く必要があり、アメリカの赤い電話の前に立って担当者に電話し、送金のための代金をクレジットカードから引き落としてもらう必要がありました。
このサービスは、主に銀行口座を持たない貧しい人々の請求書の支払いに使われていました。お金を機械に入れるか、雑貨屋の店員に渡してそれがいったん承認されると送金が行われ、電気代や電話代として支払えるといった仕組みです。
銀行口座を持たない人々によって利用されるサービス。
私はそのサービスを、その時点でビットコインのための唯一の取引所であった“マウント・ゴックス”と呼ばれる日本の取引所に、100ドル送金するのに利用しました。もし“マウント・ゴックス”について知っているなら、のちに起こった大変な出来事についても知っている事でしょう。でも、その時にはそのような事は私の身には起こらず、私はこのようにしてどうにかいくらかのビットコインを買う事ができました。
私の周りの人は一人残らず、私の事を頭がおかしいと言いました。
私の頭がおかしかっただけじゃなく、お金が実際になくなってるわけですからね。でもまあ100ドルくらいなら全然大丈夫です。
そして今日、人々は同じ答えを欲しがっています。
今、一体何に投資したらいいのか、その答えを見つけ出そうとしています。
私が100ドルを機械にぶっこんだような、次なるビットコイン。ビットコインが成してきたような事をまた実現させる次なる暗号通貨。
それに対するシンプルな答えは、“そんなものは存在しません”です。
そんなものが存在しない理由は、全世界中が次なるビットコインを探していて、皆がそれを探している時に起こる事は、あなたよりもマーケットの経験が豊富にあって、そしてより多くのお金を持った人々が、興味を持ち出すという事です。
そして、彼らが“これはうまく行きそうだ!”という何かを見つけたとして、ここで言う“うまく行きそう”って一体どういう意味でしょう?
ここでの“うまく行く”は、彼らがこれがビットコインを置き換えるテクノロジーだと考えているという意味ではありません。彼らは“あなた方”が、これがビットコインを置き換えるテクノロジーだと考えるだろうと考えているのです。
彼らは“投資に関して何も知らない多くの人々”が、それを次なるビットコインだと思うと考えているわけです。
洗練されたマーケティングがなされ、ウェブサイトにはインフルエンサーや著名人、クォンタム・AI・ドローン・オートノマスといったファンシーなワードが並んでいて、次なるビットコインを探している、このマーケットの事を何も知らない人々は、これこそが次なるビットコインだと信じ込んでしまいます。
彼らがしている事は、価格が早期の頃に大金をつぎ込んで参入し、そしてその後、皆がやってくるのを待っているのです。
(そして、みんなこんな感じでやってきます。)“ちょっと100ユーロぐらい突っ込んで見るわ。まあ最悪失っても100ユーロだし。”
これが実際にマーケットで起こっている事です。そしてこうした投資の仕組みは、“パンプ&ダンプ(価格操作)と呼ばれます。
彼らがやってるのは、私たちのお金を投資させ、SNSに出向いていって、著名人・インフルエンサーを買収し、“これぞ次なるビットコインだ!絶対に投資すべきコイイン!”と煽り散らかせ、“ちょっと試しに100ユーロぐらい投資してみよう。もしかしたらラッキーが得られるかもしれないし、宝くじ買うよりいいだろう。”と思わせる事です。
“プロッポ(ギリシアのサッカーくじ)やるよりいいだろ。”です。ところでプロッポってまだありますか?
こうした“パンプ&ダンプ”に関して何も知らされていない多くの人々が、少額のユーロでそういったコインを買いだすや否や、彼らは計画の第2のステージに移ります。
そうダンプと呼ばれるステージです。
パンプ(価格急騰)が完了したから、次はダンプ(価格暴落)です。彼らがやるのは持っているありったけのシットコインを売り抜けて、価格をクラッシュさせる代わりに自分たちは投資への巨額のリターンを得ます。そしてもしかしたらと少額のユーロを投資していた人々は“あぁ、これじゃなかったんだな。”としょんぼりです。
“でも次のは、IoT関連だしAIにドローン、そしてクォオオオオンタムなわけだからこれこそ次なるビットコインに違いない!” あとはずーっとこれの繰り返し。
私が言いたいのは、歴史においてビットコインは誰一人としてそれがうまく行くとは期待していなかった時に始まり、初期に関わった誰一人として、それが良い投資だなどとは思っていなかったという事です。
彼らはそれを面白いテクノロジーだと思い、私がしたように、そのテクノロジーを実際に試して利用するために、いくつか手に入れて試す必要があったわけです。
いわばある意味、事故的に投資になってしまったわけです。
ところで、さっきの話みたいに雑貨屋に行って、赤い電話機を持ち上げて2ドルのビットコインを買ったなんて言ったら、私が金持ちになったと思うでしょう?
でもそうはなりませんでした。
確かに実際に起こった事ですよ。私は100ドル分のビットコインを買いました。1BTC≒2ドルだったので50BTCぐらいです。そして次の週にもう50BTCくらい買いました。
そしたらしばらくしてニヤニヤですよ。なんだかすごい事になってきた。
そして実際に起こった事はこうです。3カ月後、ビットコインは2ドルから8ドルになりました。「やったぜ!すっげぇ!投資が4倍になった!つまり現在の200ドル分のビットコインを売れば、やっべー!800ドルになりやがる!X BOX買えるじゃんか!」
んで、全部売り払ってX BOX買いました。
後はこれの繰り返しです。これは私だけじゃなく初期に関わっていた人全員に起こった事です。
なぜって考えるのは簡単ですよ。“私はこの投資が何千ドルもの価値になる事を即座に理解した!”って。
でも2012年の時点で価格がまだ2ドルの時に、あなたが私に“2019年には13000ドルになりますよ。”と言ったとして、“がははははは!はいはい。そうですね。つか、そんな事絶対ありえないし。”って思うのが関の山です。
同じ実験をしてみましょう。
もし私が、今後3年でビットコインが15万ドルになると言ったとしたら、何人がそう思いますか?
(聴衆挙手。わりといる。)
そうですか。非現実的です。完全にあり得ないです。もしかしたらそうなるかもしれないし、ならないかもしれない。でしょ?
で、そういったリスクを取りたいですか?
いつかの1月みたいに“今3,000ドルか。2年間もマーケットがクラッシュし続けていたから今が買い時に違いない。”
誰もがそう考え、実行に移す。戦略は表面上は極めてシンプルに思えます。
“底で買って天井で売れ”(Buy low Sell high)
でも現実では、ある意味こんな戦略に陥る羽目になるのです。
“天井で買って底で売る”(Buy high Sell low)
何でそうなるかって、皆が興奮に沸き立っている最中に慌てて買って、クラッシュしたらパニックになって、最低価格で売ってしまうからですよ。その後も同じ事の繰り返し。
何で知ってるかって?私も経験者だからです。
皆そうでしょう?実際の話、そんな経験のない人っていますか?
(会場、5人くらい挙手)
5人いますね。それは良かった。
言いたいのは、我々全員が次なるチャンスを探しているけれども、決してそれが起こらないのはその独特な状況があるがゆえです。
私はこの状況を生態学と比較して考えるのが好きです。
<<その3に続く>>
アンドレアスさん、初期の100BTCでXBOX買ってはった😭