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オンライン授業の準備記録とともに、こんな経験が活きましたよということを書いておきます

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  • kaz
  • 2020/05/09 16:41
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久々のみりんさんイラストのアイキャッチ!やっぱりいい!

急遽、大学でオンライン授業を実施することになって、ここ1か月は自分の授業だけではなく、大学全体の授業のオンライン化にも関わることになってしまったkazです。

こんな時だからこそ日常を記録しておこう!」と思って書き始めた日記でしたが、ほぼオンライン授業の準備記録になってしまいました。

昨日書いた日記は、こちら。

日記の内容も、仕事の内容も、全然そんなことになる予定じゃなかったんですけれど…

まあ、ケセラセラ、なるようにしかなりません。

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学生さんと教室で対面する形の授業ができないなかで、必要に迫られてバタバタと始めた「授業のオンライン化」は、日々、いろいろな課題に直面しながら進めていくことになりました。

直面した課題は、大きく分けると…

☑️学生さんのICT環境

☑️大学のICT環境

☑️教員のICT能力

という3点にまとめることができます。

まず、「学生さんのICT環境」については、うちの大学では、「オンライン授業、なかでもZoomなどを使ったリアルタイム・双方向授業が問題なく受けられる環境を持っている学生が半数に満たない」ということに集約されます。

ここで挙げた「充分な環境」というのは…

1)自分のプライベートスペースがある

2)wifiもしくは有線・無線LANに接続できる環境がある

3)いつでも使える自分専用のパソコンがある

4)リアルタイムのやり取りが可能なスペックを備えたパソコンがある

といったあたりが必要な条件ということになります。

とりわけ、2と3については、リアルタイムではないとしてもオンライン授業に必須の条件ではあるのですが、特に1年生や2年生では条件を満たせていない学生さんが多いということが、今回の準備のなかで徐々にわかってきました。

もちろん、大学生活というのは履修登録、先生や事務とのやり取り、レポート提出などなど、入学時からパソコンを使うことが求められる環境ではあるのですが、うちでは多くの学生がいまだに大学のPCルームや自習室を使っていました。

今まではそれでなんとかなっていたのですが、「大学立ち入り禁止」となっている現状では、こうした大学の施設が使えないなかでオンライン授業を受けなければならなくなってしまったわけです。

当然、この1か月のうちにすべての学生がこうした環境を整えることができるわけもありませんから、大学の授業すべてを「パソコン利用を前提としたリアルタイム化」するわけにはいきませんでした。

ただし、今の学生さんはほぼ全員がスマートフォンを所持しています。

なので、パソコンが無くても(使えなくても)オンラインのリアルタイム授業というのもできないわけではありません。

ただ、この場合は契約通信量の上限の問題がありますし、やっぱりwifi環境は持っておいてほしいところです。

ということで、うちの大学ではだいたい…

☑️学生さんのICT環境が把握可能な小規模の授業(ゼミなど)で、上記のような環境が整っているようならリアルタイム授業を実施

☑️そのほか、大規模な授業などでは、学内のLMSを活用したオンデマンド型の授業を実施

といったような方向性で準備を進めていくことになりました。

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上のような方向性は、「大学のICT環境」や「教員のICT能力」ということとも関わっています。

まず、「大学のICT環境」ですが、うちのような情報系や理工系の学部がない小規模大学のICT環境は、きわめて貧弱なものでした。

そもそも、授業で学内のLMSやその他のプラットフォームなどを使う先生はごく少数に限られていたので、貧弱なサーバー、貧弱な回線、貧弱なシステムでも問題なかったわけです。

新しいモノ好きで、授業でもいろんなデバイスを持ち込んでLMSもバンバン使っていた僕なんかは、まあ「物好き」だなあと思われていた感じですね。

それが、突然、すべての授業をオンラインで実施するということになったのですから、当然、今ある貧弱な環境のもと、処理できる範囲のなかでやりくりするしかありません。

そうすると、まあ、「すべての授業をリアルタイムで配信」なんてことは絶対ムリ!ということになりますよね。

そんなわけで、基本的にはオンデマンド型の授業がメインということになりました。

その際にLMS上に載せる資料も、動画は外部のクラウドストレージに保存してリンクを貼るようにするとか、PDFなどは解像度を調整して容量に注意するとかいったことが求められるようになりました。

あとは、学生さんが定められた期限内(だいたいは1週間)のうちにちゃんとLMSにアクセスして、指示どおりに学習して、課題を提出できるように、アナウンスの内容をきちんと整えて発信するという感じですね。

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さらには、「教員のICT能力」にずいぶんと差があることがはっきりと白日のもとに晒されることになり、そのサポートをどうするかということが大きな課題となりました。

これも、情報系の学部や情報サポートをするスタッフが整備されている大学なら、そうしたところが中心になってサポート体制が作られるんでしょうけれど、うちはそういうわけにはいきません。

とりあえず、僕も含めて、ICTに触れてきたような先生たちがボランタリーに、他の先生たちのサポートに回るというような形になりました。

一応、大学全体としての方針もアナウンスされるわけですが、それらはあくまで「全体としての方針」ですから、それをさらに各セクションや先生個人、ひいては学生さんの抱える問題を解決するためにローカライズする必要がありました。

まあ、そもそも、大学全体の方針自体も、ボランタリーに関わっている先生たちがそれぞれに作ったり提案したりしたことが反映されているわけですが…

さらには、「ICT能力」が低いことを理由に、端からオンライン授業の実施を諦めてしまう先生、距離をとってしまう先生、モチベーションが低下していく先生が出てきてしまいました。

本音を言えば、「自分でなんとかしろや!」なんですが、そうした先生のもとで学ぶことになる学生さんのことを思えば放っておくわけにもいきませんので、それぞれに粘り強くサポートしていくことになりました。

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というような形で、いろいろな課題が出てくるなかでオンライン授業の準備を進めてきたわけですが、以下の日記にも書きましたように、とりあえず授業実施にまでたどり着くことができました。

まあ、まだまだこれからいろいろな課題が出てくるのでしょうけれど、とりあえず基本的な形はできたのでホッと一息です。

そんな形でオンライン授業の準備を進めてきたのですが、その際、個人的にいろいろな経験が活きてきたなぁと感じました。

こんなツイートもしましたが、まず、ALISで記事を書いてきた経験は確実に活きたなぁと感じます。

これは「ALISで」ということよりも、「記事を書いてきた経験」のほうが活きたということですが、ALISで記事を書いてきたことで…

☑️なるべく、読みやすい表現で書く

☑️できれば、何かを得ることができたと思ってもらえる内容を盛り込む

☑️できるだけ、見た目にも気を配る

といったようなことを、オンラインで見てもらう資料学生さんへのアナウンスなどを作ったり実行したりするときに、自然と考えることができるようになったと思います。

これは論文やオフィシャルな文章を書く場合とは違うトレーニングが必要だと思うので、そうしたトレーニングが知らないうちにできていたなと感じます。

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また、「個人サイトをWordPressで作った経験」というのもまた、授業のオンライン化の過程で活きたと思います。

授業をオンライン化するということは、オンライン上に自分の授業空間を作り出すということです。

その空間に学生さんに入ってきてもらって、自分の考えや伝えたいこと、学んでほしいことを提示しながら、学生さんに学んでもらうわけです。

そうした空間を作るときには、もちろん、空間デザインに気を配ることになるわけですね。

☑️学生さんにどうやって学んでもらうか?

☑️どんな形で空間をデザインすれば学生さんにとって学びやすいか?

☑️自分にとっても授業がしやすい空間とはどのようなものなのか?

といったようなことを考えるうえで、自分でサーバーを借りて、ある程度イチから自分だけのサイトを構築した経験から多くのヒントを得ることができました。

一言でまとめれば、「自分の発想・アイデアとそれを発信して受け取ってもらう方法を技術的に実現する」ということを少しでも経験してきたことが、授業のオンライン化にも応用できたという感じですね。

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その前提として、ALISやWordPressなども含めて、ICTをめぐるいろいろな動きに興味を持っているということも、今回、急遽降って湧いたような授業のオンライン化にそれなりに対応できた大きな要因だったと思います。

オンライン授業への対応に四苦八苦している周りの先生たちを見ていると、もともと苦手だという人も少なくありませんが、それ以上に、「なんでこんなことやらなあかんねん…」と、ネガティブな感情を持ちながら向き合っている人も多いなと感じました。

それに対して、僕も含めて少数ながら一所懸命に授業のオンライン化を実現するために動いていた人たちは、みんななんとなく「大変だけど楽しそう」な雰囲気で動いていました。

こういうふうに、ICTやデジタルなことに対して、どこか前向きでポジティブな気持ちがあったからこそ、ボランタリーにいろいろと動きながら、自分の授業も上手く作っていくことができたんじゃないかなぁと思います。

もちろん、「オンライン授業万歳!」「オンライン授業が未来の授業だ!」「オンライン授業が日本の教育を救う!」なんてノーテンキなことを考えている人はひとりもいません。

今回、ボランタリーに授業のオンライン化に尽力した人たちも、どこかでオンライン授業のデメリットやネガティブな側面も頭に入れながら動いていました。

そうしたことを考えながら、一方でいろいろな可能性もあることに期待をしつつ、なによりも自分が「楽しい」と感じていたことが大切なんだろうなと思いました。

何事も、ポジティブに向き合うって大事なんでしょうね。

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今回の授業のオンライン化の動きは、おそらくこれから本格的にいろんなことが起きてくるでしょう。

そこには、ネガティブな問題もポジティブな可能性も含まれているはずです。

しかもそれは、うちの大学だけではなく、日本のすべての大学、あるいは世界中の大学で起こる「教育の大変革」につながる可能性あるいは危険性があるものだと思います。

そんな真っ只中にいるというのは、幸運なことなのか不幸なことなのかわかりませんが、少なくとも貴重な経験をする機会が訪れているということなのかもしれません。

だとしたら、少しでもこの貴重な経験に参加して、できる範囲のことをやりながら、記録を残していくこともまた、貴重なことなのかもしれないなと思います。

記録を残すことが継続できるかどうかはともかく、そんなことを意識しながら、これからも今の状況に向き合っていきたいなと思います。

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