ブロックチェーン・仮想通貨をめぐって、いろんな技術が日々開発され、さまざまなサービスの実現が模索されるようになってくると、それらをどのように多くの人に広めるかということが課題になってきます。
前回書いたスタービットによる初心者向けサイトの開設は、そうした取り組みのひとつとして挙げることができますが、こうした取り組みはネット上だけではなく、リアルでの取り組みもいろいろおこなわれています。
台湾でも日々、ブロックチェーンや仮想通貨に関する勉強会や公開シンポジウムなど、一般の人々に向けた活動がいろいろなところで展開されているようです。
今回はそうした動きのなかで、「陽明山未来学社」というところが開催したシンポジウムの記事が気になったので、少し書き留めておきたいと思います。
・「ピザの日」に「鏈接未来高峰論壇」を開催
・サミットの参加者とプログラム
・「陽明山未來學社」って?
・現実世界のプラットフォームとして…
台湾のサイエンス系ニュースサイト「TechNews科技新報」が2018年5月25日に報じた記事によると、5月22日から23日の二日間、「陽明山未来学社(陽明山未來學社)」が主催する「鏈接未来高峰論壇(Block-ChainingTheFutureSummit)」が台北で開催されたとのことです。
サミットの開催について報じた「工商時報」の記事によると、サミット開催をこの日にしたのは、「8年前の5月22日に1万ビットコインで2枚のピザを買った」ことに合わせたと書かれています。
ALISも背景にピザがあしらわれていました、あの日ですね。
参加者には、前行政院長の毛治國さん、前金融監督管理委員会(金管會)主任委員の張秀蓮さんといった行政の中核にいた人々のほか、台湾玉山科技協会などの業界団体、理慈国際科技法律事務所などの法律家、Maicoinなどの仮想通貨交換業者など、台湾のブロックチェーンや仮想通貨の主要メンバーが集まったようです。
サミットの参加申込サイトをみると、スポンサーにはHuobi(火幣)やCoinsuper(幣成)など、中国や香港の仮想通貨交換業者の名前も見えます。台湾・香港・中国の、いわゆる「両岸三地」の人々が集まっている様子がうかがえます。
同じサイトにはプログラムも公表されていますが、講演タイトルからキーワードを簡単に挙げてみると、「ブロックチェーンニューエコノミー」、「次世代ブロックチェーンアプリ」、「AI+ブロックチェーン」、「資源問題とブロックチェーン」、「コミュニティ」、「ICO」などなど、オーソドックスなテーマが幅広く論じられたようです。
また、ブロックチェーン開発企業の人々を集めたラウンドテーブルでは、「HiggsBlock」、「OBITO」、「UUNIOKOREA」、「GIFTO」、「DALICHAIN」、「BCB」、「ioeX」といった、著名なフロントランナーが集まっており、どんな議論がなされたのか非常に興味があります。
ちなみに、HiggsBlockについてはこちらの記事で、GIFTOについてはこちらの記事で少し触れています。他の企業についても、追って記事にできたらと思います!
今回のサミットを主催した「陽明山未來學社」は、公式フェイスブックによれば、2015年に台北で開設され、「探討人類未來的經濟、文化、社會和科技(人類の未来の経済、文化、社会、テクノロジーについて探求する)」ことを目的に結成されたとのことです。
「陽明山」というところは、台北市内から車で1時間弱北上したところにある小高い山です。避暑地や温泉地として有名で、桜の名所としても名を馳せている場所です。「未来」を語るにはうってつけの場所なのかもしれません。
創設者は朱嘉明さんという経済学者です。ネットニュースサイトの「今日新聞NOW NEWS」には現在の主任である前交通部長の葉匡時さんのインタビュー記事が掲載されていますが、この記事によれば朱嘉明さんは北京生まれ、1980年代の中国の改革開放政策においては、「改革四君子」のひとりに挙げられたというほどの著名な経済学者です。
この記事によると、葉匡時さんは2018年から主席に就任し、現在はおもにブロックチェーンと仮想通貨に関する議論を推進しているそうです。今回のサミットは、まさに中心的な活動として大々的に開催されたもののようですね。
この結社がブロックチェーンや仮想通貨に注目する理由として、葉さんは以下のように述べています。
區塊鏈技術已應用在食品履歷、旅館訂房上,其實與民眾生活息息相關。(ブロックチェーン技術は既に、食品トレーサビリティやホテル予約に応用されていて、実際に民衆生活と密接につながっています)
結社の役割が、ブロックチェーンという最新技術と、一般の人々とを結びつけるところに見出されていることが、こうした現状認識からもうかがうことができますね。
ブロックチェーンや仮想通貨をめぐるニュースを追いかけていると、日々、様々な技術が開発され、多様なサービスへの応用が模索されている様子を感じることができます。
ただ、意識的に情報を追いかけていれば、そうした様子を感じ取ることはできますが、自覚的に情報を集めなければ、なかなかその「熱」を感じることはできないのかなとも思います。
そうしたときに、一般の人々へこうした技術の盛り上がりを届けていくためには、「陽明山未來學社」のような民間団体の存在が、重要な要素のひとつであるように思います。
多様に開催される勉強会やシンポジウムの動きを逐一把握することはなかなか難しいのですが、こうした民間団体の動きは可能な限り追いかけていきたいと思います!
kazの記事一覧はこちらです。よろしくおねがいします。(下のアイコンからもご覧いただけます)https://alis.to/users/kaz
文中に挙げた記事はこちらです。合わせてご覧ください!
仮想通貨市場の裾野を広げよう!スタービットが新たなサイトを開設しましたよ!(クラウドマイニングや慈善事業も!?)