前回の記事から色々脱線記事を書きましたがw
本題に戻って「何故遊技機業界」が衰退しているのか?を
開発目線でのお話の続きを書きたいと思います。
今回は…
を書きたいと思います。
10年以上前の遊技機メーカーさんとの初顔合わせの時
良くこんな質問をされました。
これ、ほぼ聞かれました。
自分が当時答えていたのが
「〇〇さんの一番好きな機種はなんですか?」
「一番影響受けた機種はなんですか?」
これ、簡単に答えると大変です。
何故ならその後に必ず
「何故それが好きなんですか?」
「どんな影響を受けましたか?」
と聞かれるからです。
これは当時のメーカーさんが、作り手のセンスや、どれだけ遊技機を知っているか?
勉強しているか?
そして遊技に対して、何かしらの自分の哲学を持っているか?
を測っていたのです。
(某S社の部長さんに教えてもらいました)
所が最近(ここ5年は特に)この手の質問が全くありません。
なので、ここ10年前からは初対面のメーカー開発担当者と会う時に
自分から質問します。
そして質問するたびに愕然としてきました。
近年になればなるほど愕然が、落胆、そして絶望に変わっていきました。
質問するとメーカー開発担当者から返ってくる答えが…
「その版権(アニメ)が好きだから」
「良く出るから(勝てるから)」
( ゚Д゚)ハァ?
そしてそういう開発者に限って、
「このゲーム(アーケードとかコンシューマー)みたいな~」
とか
「このパチンコのスーパーリーチみたいな~」
とか、具体的な理論に基づいた演出仕様を言ってきませんw
なので、若い開発者で演出理論をしっかり話せる人が現れると
「ほぉ~!確かに!」とこちらも勉強になる事もあるので
感心するのですが…いや、それが本当は普通なんですよ。
何故メーカー開発担当者がこうなってしまったのか?
それの理由の2つは以前に書きましたが
メーカー社内での開発担当者の振り分け方も問題があります。
何故なら現在、メーカー社内では、開発担当者が少ないためか?
そもそも「好きなら作れるでしょ?」という上層部の考えからか
があります。
もちろんそういう人も努力すれば、良い開発者になり得ると
思いますが、そもそもそれを教える「師弟関係」がありません。
ここで、繋がってきましたねw
メーカーの開発者は、どうやって演出が作られているか?をあまり知りません。
以前は某メーカー(K社)が、社内の開発者を開発会社に数か月送り込んで
どう作られているか?と勉強させていましたが(今はやっていません)
これは素晴らしい事だと思っています。
仕様書の書き方も勉強していない
演出理論もない
人がいないけど「好きなら出来るでしょ?」という会社判断
そもそも「どう作られているか?」をメーカー開発者が理解していない。
こんなので、ゲーム性に優れた、また打ち手が面白いと感じる
機種が作れるでしょうか?
あとここ数年気になったのが、メーカーの周辺でのお話。
メーカー周辺のお店で食事をする事が多々ありますが
10年前は、どこのメーカー近くの食事処でも
「あの機種打った?」
「今度、〇〇の機種が出るらしいね~!?」
という、今流行りの機種や、今後出る話題の機種の話を
みんなで喧々諤々やっていました。
面白い話で、以前三洋物産さんの近くのコメダ珈琲で
業界関係者とお茶をしていた時に、ちょっとしたいたずらで
「最近のマリンちゃん可愛いけど、ワリンちゃんって名古屋嬢のイメージ?」
って少し大きな声で話したら、コメダ珈琲の中の8割くらいの人が
一斉にこちらを見て、その後聞き耳立てているんですよwww
それだけ、皆さん自社他社含め、最新機種や情報には敏感でした。
またメーカーの開発者数人で最新機種のパチンコや、稼働が良い機種を
打ちに行った事も。
その後は飲み屋(時々キャバ)で、機種の感想を言い合ったり。
しかし今のメーカー周辺の食事処や喫茶店等は静かなものです。
理由は簡単。
パチンコのスマホゲームではないですよ。
モンストとかグランブルーファンタジーとかの普通のゲーム。
※まぁ10年前にも一時メーカー打ち合わせと称して「モンハン接待」も
ありましたがw
良くネットで書かれる
「メーカー担当者はパチンコ打っているのか!?」
という書き込みがありますが、
みなさん打っています。
しかし、問題なのは…
「相対的に打っている人は多分、メーカーの映像開発者の半分以下」
「打ってはいるけど、好きな版権の機種のみ」
「(自分なりに)勝てる機種のみ」
「勝った負けたくらいしか見ていない」
のではないでしょうか。
あと企画として言えば、メーカーの人達は…
・最新の映画を観ていない
・流行りの音楽をあまり聴いていない
・最新のコンシューマーゲームを遊んでいない
というのも大きな問題です。
メーカーの今の開発者は…
のです。
あと、自分の好きなゲーム等の演出を強引にIPにぶち込んできます。
メーカーの今の開発者は、遊技機開発者としてのクリエイター気質に
欠けています。
こんな状況で、この先、面白い機種が生まれるでしょうか。
メーカーに入って開発に就いた人は、自腹削ってでも
千葉の「パチンコ博物館」に行ったのでしょうか?
伊東市にある「パチンコプチミュージアム」に行ったのでしょうか?
岐阜県山県市にある「岐阜レトロミュージアム」に行ったのでしょうか?
今のメーカー開発者の半数も行った事はないと思います。
※遊技機開発会社の人もあまり行った事はないと思いますが…。
自分は遊技機開発にクリエイターとして真剣に向き合うなら、
少なくとも上記のお店のうち2つは行っておくべきだと思っています。
次回は「演出過多というエゴ(恐怖心)」か「サラリーマン気質」のお話を
書きたいと思います(多分)。
(※次回【GW特別スピンオフ:人の真価が問われる時】に続く…)