もずく@教育・子育てカテゴリ推しです。
日本の急激な少子高齢化を受けて、文科省からは大学に対して特色を持たせよ…という指令がやんわりと下されています。
学生数1万人を超える規模の大学が代わり映えのしない新学部設立&定員増で若者の囲い込みを進めるなか、尖った戦略を実行に移してうまく志願者を増やしている小・中規模の大学も出てきました。
思い切った舵取りのできるトップがいる大学は羨ましい!
さて、motokoさんが「教育・子育て」カテゴリに投稿された記事に対する私のツイートでのやりとりにマッチしたニュースが入ってきたので共有します。
この記事です。
データサイエンスを前面に押し出した大学改革によって、滋賀大学をはじめとした3大学が一気に志願者数を増やしているというニュースです。
「データサイエンス」という情報科学の一分野をとりあげた、学科じゃなくて「学部」ですよ。
情報学部や情報工学部と同列にデータサイエンス学部が並ぶのは、ブロックチェーンでいうとプラットフォームであるEthereumやEOSとサービスであるALISが横並びに配置されるような感じです。
これは、「データサイエンス」という領域が“大学における修学領域"として情報学や情報工学と同列と見做されるようになったということです。
理由の一つとして、データサイエンスという学問が一つの学部を担う領域として成立するほどに大きくなったということはあります。AIやビッグデータの応用については話題も事欠きませんし。
もう一つの理由は、データサイエンスが理系から切り離されて「文理融合系」に移ってきたということです。
これはプログラミングという技術における一つのターニングポイントだな…と私は感じています。
つまり、データサイエンスのプログラミングをするために、ガッチリ4年間、プログラミング演習で鍛える必要がなくなったということです。
実は、画像処理については20年ほど前にその段階に達していました。OpenCVというライブラリ(簡単に利用できるプログラムの集まり)が登場して、応用に使うためなら画像処理そのものの知識が不要になりました。
ただ、画像処理の場合は学部どころか学科に分離できるほどの応用範囲はありませんでした。
データサイエンスが学科を飛び越えて学部に独立できたのは、マーケティングなどの経営学と併せて学ぶことができるからです。
経営学のうち、データサイエンスと関係する部分を抜き出して、ついでに工学部から品質管理みたいなところを抜き出して、ウェブにも結構絡むのでそのへんの演習も取り入れて。
ああ、確かに学部にもできそう…
motokoさんとのツイートのやりとりからは少し話題が離れてしまいましたが、伝えたかったのは、こういう尖った学部や学科に人気が集まるようになれば、偏差値偏重の大学選びが変わるだろうなということです。
がんばって勉強するのは偏差値の高い大学に行くためではなくて、自分のやりたいことについて大学で専門的に学ぶため…になります。
大学なんてどこでも大して差はないから、偏差値的に行けるところに進学する…という昨今の流れは大学教育をとてもつまらないものにしています。
大学は遊ばなくては損。単位は楽に取れる科目を選ぶ。もしくは最初から就職予備校としてしか捉えていない。もちろん狙うはどこでもいいから有名企業。
そんなことでは大学の講義が楽しいはずもありませんよね。
大学や学部の特色が明確になり、新聞広告に入っている〇〇教室のチラシのようにバラエティに富んでいれば、大学選びからして楽しいものになりますよね。
そして大学に入れば、勉強したかった講義や演習がたくさん開講されているのです。将来の仕事についても情報が得やすいですし、同じ夢を目指す仲間たちも周りにいます。
そんな未来が近い将来に訪れるかもしれません:)