こんばんは、春のプレミアムもずくです。
スマホから記事が書けるようになって便利便利〜
ということで、春のオカルトまつりに参加するよ。
皆さんは「1mmの幽霊」という怖い話を知っていますか?
桜金造さんの怖い話ネタなんですが、私の中では生活に実害を及ぼしている怖い話トップ3の一つです😫
実害を及ぼすというのは、日常生活でついつい想起されてヒャ〜ってなるということです。
引き返すなら今だぞ…?!
ちなみにトップ3の二つ目は、確か渡辺徹の話で、修学旅行のときにホテルの屋上から飛び降り自殺があって、窓の外を落ちていく人と目が合ったというやつ。夜、窓の外を見るたびに思い出してヒャ〜ってなります。
トップ3の三つ目はあれですね、実話という噂もありますが、ホテルのベッドの下に隠れている強盗と目が合ったってやつ。ホテルに泊まるたびにベッドの下の暗闇を見てヒャ〜ってなります。
さて、そのメインテーマの1mmの幽霊という話、一言でいえば、家具と壁の1mmくらいの隙間にこちらを見ている幽霊がいる…って話です。
そういう隙間って家の中どこを見てもあるので、自分が怖い話をするときには
「いるじゃないか、そこに…」
と言いつつ実際の隙間を指させば、みんな簡単にヒャ〜ってなります。
盛り上がること請け合い ( ◠‿◠ )
で、春のオカルトまつりは借りネタでは駄目なので当然ここから実話に展開します。
そうです、私、1mmの幽霊を本当に見たことがあるんです… 😭
それは私が大学生のときのことです。
私の所属していた大学は9割方が下宿生で、飲み会といえば宅飲みでした。
そのときも某グループ(伏せます)で飲み会をすることになったのですが、一人だけ強固に自宅提供を拒否していた人がいたんですね。
理由を聞いてもはっきりとは言わない。部屋が汚いからとか狭いからとか。そんなの誰でも同じだから気にすんなよ〜ってなノリで、半ば強引にその人の家で飲むことになりました。
それは前期の試験が終わった頃の蒸し暑い夏で、夕方くらいから家主以外でスーパーに買い出しに行きました。けだるい湿った空気が充満していて、田舎の広い空に気味の悪い紫色の雲が今にも落ちてきそうな雰囲気でした。
私たちは宅飲みのアパートに乗り込み、お酒やツマミを広げて飲みはじめ、各々、キッチンを借りて料理をしたり、談笑したり、テレビを観たりしていました。
しかし奇妙なことに、そのほとんどの時間、家主はずっと部屋の隅に膝を抱えて座っていました。モノの在り処を聞いても声だけで対応するし、ノリも普段と全然違いました。
まあ、強引に宅飲み部屋にしてしまったし、ふてくされているんだろう… そのときは、みんなそう思って腫れ物に触れないようにしていました。
そのうち、誰かがビデオゲームを始めました。それは「弟切草」というホラーゲームで、ストーリーはちょっとアホなんですが、音楽とか効果音とかがね、いやマジで怖い。
しかも、外は少し前から激しい雨が降っていて、雷もすごくて。これはもう帰れないしゲームもエンディングまで見なきゃ怖くて落ち着かないぞ…ということで、夜を徹してホラーゲームをしていました。
「弟切草」のストーリーが進んで、玄関の脇にあるトイレに行くのも怖くなってきた頃、やめればいいのに、ホラーゲームを見ながら皆が怖い話を始める…という最悪の展開に。家主が「もう怖い怖い怖い…やめろやめろやめろ…」と空(くう)を見ながら呟いてるのが一番怖かったかも。
深夜2時を過ぎた頃、「トイレ行きたいけど怖ぇ〜!」と言ったら、誰かが丑三つ時(2時〜2時半)に鏡を見ると背後に霊が写る…というベタだけど超想像しやすい話をしたので、一人でトイレに行けなくなる私。ムカついたので、私も怖い話をしてやろうと思って始めたんですよ、
1mmの幽霊の話。
本当にやめておけばよかった。
それまでの家主の様子に気づいていれば…と、20年経った今でも少し後悔しています。
でも、話し始めてしまったんです。
仕事に出てこなくなった同僚。
電話すると「女が離してくれない」という。
仕方なく同僚のアパートに行く会社の人たち。
暗い部屋の隅で膝を抱えて座っている男。
「女なんていないじゃないか」
「いや、いるんだよ」
「どこに?」
「ほら、いるじゃないか、そこに… こっちを見てる…」
私は、その話の男と同じように膝を抱えて座っていた家主の後ろを指差しながら、そう言ったんです。
するとね、本当に居たんですよ、
1mmの幽霊がそこに…
ソフトカバーの衣装ダンスと壁のあいだの狭い隙間に、人らしき姿がうっすらと見えました。
人が絶対に入れない幅の隙間から、異様に大きな目玉がこちらを見ているのです。
私の横に座っていた人が「うぁっっっ!!」と叫びました。
その瞬間、何かがさっと動いて、突然真っ暗になりました。
ゲーム画面だけが暗い部屋のなかで白く光っていて、双子の人形の顔が気味悪く並んでいました。
「え?!なになになに?!」
「え、本当にいたの?」
「やばいやばいやばい!」
「怖いって、なんで電気消えたの?!」
部屋は騒然となりました。
そんな演出は不要なのに、稲光とともに雷鳴が響きます。
そのあいだも、私は衣装ダンスと壁の隙間から目が離せませんでした。
部屋が暗くなっても、ちょうどテレビと対面に位置していたその隙間が、さっきよりもむしろ奥まではっきりと照らされていました。
その隙間に、こちらを覗く1mmの存在がいることは、もはや疑いの余地がありませんでした。
私はやっとの思いで家主のほうに目を移しました。
家主は、部屋の電灯スイッチに片手を置いて、こちらを睨みつけているように見えました。
私は申し訳ない気持ちで言いました。
「このポスター、なんだっけ、カードなんとか…さくら?」
キョエェェエ〜!!
声にならないような叫び声を上げて、家主は床に突っ伏しました。
知らないうちにだいぶ飲んでいた彼は、「だからうちで飲むのヤダっていったじゃん!」などとブツブツ言ってました。
誰かが部屋の電灯を点けて、ソフトカバーの衣装ダンスを動かしました。
その後ろから出てきたのは、さきほど私のことを1mmの隙間から覗いていたカードキャプターさくらの等身大?ポスターでした。
いや、家主さん、申し訳ない、せっかく必死に隠していたのに。
てか、折りたたむなりして仕舞っとけよ…と思ったのですが、開き直った彼曰く、折りたたむなんてありえないし、剥がすときに破れたら嫌だから衣装ケースで隠したそうです。
ちゃんちゃん
ちなみに弟切草もそのあと魚人間とか出てきてみんな爆笑し、明け方にはカラッと雨も上がって、みんな和気藹々と家路につきましたとさ。