糸魚川の姫川温泉で日帰りと言えばくさの湯ですが、ホテル国富も日帰り入浴できます。
駐車場に車を止めて歩いていくと、若い仲居さんがダッシュして来ました。何事かと思ったら、泊まり客らしい車を駐車場に入らないよう、玄関へと手招きで導いていました。すごいおもてなし度。
日帰り入浴は15時から。1000円と料金は高めです。
玄関を入ると「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」と声をかけられました。ホテルらしくホスピタリティは高いです。
フロントで1000円払ってタオルをもらいます。私はマイお風呂セットを持参しているので、タオルは自宅にたまってしまいます。畳敷きの通路を辿っていった突き当たりが男湯。
大きな窓ガラスのため、広々と感じる大浴場。中央に楕円形の浴槽。
四角い木の樽のお湯でかけ湯をします。桶でザブザブと湯を汲むと樽の底にたまった茶色い鉄粉?が浮かんできて混ざって樽のお湯が濁ります。このかけ湯樽は、お湯を抜かずにず〜っと流しっぱなしなんでしょうか。浴槽には鉄粉のような温泉成分はたまっていません。たぶん毎日湯を抜いて清掃しているからでしょう。
ありがたくなって、何回もかけ湯しました。
浴槽内には仕切りがしつらえてあって、「熱め」と「ぬるめ」に入ることができます。やっぱり温泉はぬるめにゆっくり入るに限るでしょう。
源泉かけ流しで、お湯がサラサラ浴槽から流れ出ています。
窓の外は、姫川の土手に植えられた桜が満開でした。貸しきりの大きな浴槽で、桜をぼんやり眺めているのもなんとも贅沢な気分です。
姫川の巨岩を配置した露天風呂。
姫川温泉は実にさっぱりしたお湯で、長時間入っていてもそんなに汗をかきません。いいお湯です。
広々とした玄関ホールに畳コーナーがあって、囲炉裏に火がくべられていました。
湯上がりサービス、こんにゃくはお一人様、ひと串とさせていただきます・・・
などと書いてありました。これは食べてもいいのかな?
「すみません、これは宿泊客のみですか?」
と、近くにいた仲居さんに声をかけると、
「はい、いまお出ししますね、どうぞ」
と、ふきのとう味噌をつけてくれました。
「どうぞ、麦茶でございます。」
紙コップに、冷たい麦茶もいれてくれました。
畳コーナーに腰掛けて、パクリと一口で食べます。ふきのとうのほのかな苦みが口の中に広がり、素朴な郷土のぬくもりを感じます。なんかいいな〜、このホテル。
1000円でも、十分その料金に値します。
今度は泊まりで来たい、そう思わせる温泉です。