フィリピン、リサール州カインタ市の市長、ニエト氏。
市長であるニエト氏の知事室には、毎日二百人程の市民が陳情に訪れる。相談は、金銭、洪水、麻薬犯罪、教育、貧困等多岐に渡る。中には、「誕生日だからプレゼントが欲しい」とせがむ市民も。相談内容によっては市長自ら現場に足を運ぶ。この日は建設中の堤防を自分のスクーターに乗って視察。
課題の一つであるスラムの解消については、毎月800円の返済が義務付けられた25年間ローンで家が入手できる仕組みを整備。多くのスラム住民が、働きながらローン返済可能に。
他にも、家政婦の仕事で月9千円稼ぎ、子ども4人を育てている女性が露天商を出すための資金(約9千円)の補助や、大学の学費無料化、市民の誕生会等の行事の実現等、ニエト市長は市民に寄り添う形の行政活動を実施。
ニエト氏が市長に就任後、税収が1.5倍に増加。「税金が適切に使用されている」と考える市民がニエト市長を支持している模様。
たまたまテレビを付けたらこの番組が放送されていた。市長がTシャツ姿でデスクに座り、次々に訪れる市民と言葉を交わす。「建設会社の社長が従業員を監督しているのかな?」と思いながら見ていたので、市長だと後で分かり驚いた。
市長のような行政の人間が、このように身近な存在であることは、市民にとって大変喜ばしいことだ。どこかの国のどこかの自治体の市長は、陳情に訪れた市民から逃げてしまうことがあるので、ニエト市長の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいと思う。
市民から逃げる市長というのは、例えば、沖縄の前那覇市長の故・翁長氏である。2012年6月21日、久茂地小学校統廃合に反対する市民が知事と対話するために那覇市役所を訪れた。
しかし、翁長氏は市民と会おうとしなかった。
■翁長市長 市長室から飛び出さず 久茂地問題で市民ら市長室前を占拠
https://web.archive.org/web/20121004073150/http://okinawa-am.net/report/kumoji_nahasihcho.html
https://www.youtube.com/watch?v=vrCNOoZ53Lg
結局、翁長氏は市民との対話を避け続けて、一方的に久茂地小学校統廃合を決定した。翁長氏の態度は、民意を無視して事を進めるという点で、辺野古新基地建設を強引に進める日本政府と全く同じ態度である。
翁長氏は沖縄では、「辺野古新基地建設に反対した勇気ある知事」として賞賛されている人物であるが、市長たるもの、堂々と市民と対話すべきだろう。市民から逃げる市長は、その時点で市長失格である。どこを見て市長しているんだこの野郎と石を投げたくなる。