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常識化の力

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  • ton
  • 2018/10/19 17:38
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Zの法則ってご存知ですか?

元々は紙広告、新聞のチラシだったと思うのですが、
目の動線をとらえると、まずは左上から始まり、そして右へ、端に行き着くと下段に移り左端へ、そしてまた右端へ、という動きをする法則の事です。

大体においてそれは当てはまり、それを利用した広告が提供されています。
一昔前のWEBはPCでディスプレイで見るが当然でしたのでこれが応用されていました。
しかし、現在はスマホを視野に入れなくてはいけないので、ちょっと変わってきています。

ここに、法則化すればそれが自己増強される性質を見ることができます。
1)まず、なんとなく人の共通動作がまとめ上げられる
2)特に名前がつくと強いのだが、それがナレッジ・コツとして活かされ成果を上げていく
3)成果を上げているため、そのコツはさらに使われ広まる
4)利用する側も、「こういう感じ」という法則に則ったものを無意識も含め前提にしてしまう。重要なのは、ここまでくると、法則に則っていないものに違和感を覚え「気持ち悪い」等の否定的な感情を持つ事さえある点。
5)なので、その法則を利用することは常識を超え、半ば強制されることもある。「あるとプラスになる」ものではなく「ないとマイナスになる」ものに変わる


このような性質は他にも見ることができます。

例えば、株価のテクニカル分析。
外れることはママありますが、皆がその法則を信じていれば信じているほど、その法則通りに動きます。そして法則はさらに信じられるものになります。

例えば、暗黙の了解。
あるコミュニティにおいて、「こういうものだ」とされたものは共有化され、時に侵入者を区別する際に使われます。閉鎖された村などを想像してください。「よそもの」なんてことばもありますよね。一方でそれは参入障壁になるとともに踏み絵ともなり、そこでの「こういうもの」を共有したものは仲間として認められます。
仮想通貨でいうのであれば、私はCEXの自主規制などを思い起こしました。彼らは自分たちが守れるルールをリーダーに促されながらも作っています。それは顧客のためでもあり自分たちのためでもあります。


法則化すると他にもいいことがあります。
省エネになるんです。
阿吽の呼吸で物事が進みますし、同じようなことの繰り返しが増えるので成長が実感できやる気がわきます。自信が付きます。


面白いのが、同じ現象が悪いものとしてとらえられることがある、という点です。

「コモディティ化」という言葉、聞いたことありませんか?
これは、今まで特徴を持っていた商品が、各社の競争激化、商品の高機能化により、行きつくところまで行ってしまったことを指します。
A社の製品とB社の製品に明確な違いがない状態です。

例えば洗濯機。
どこのメーカーのものでも、大して違いはありません。
そりゃ、乾燥機付きのものか否かとか、ドラム式か否かとかでは大きな違いがあります。しかし各社ともそれらのラインナップを取り揃えているわけで、同じようなモデルであれば、差別化する点は価格位しかありません。

そして皆さんご想像の通り、価格競争に巻き込まれると、その事業から高い利益を得ることは叶わなくなります。レッドオーシャンの状態です。

これは冒頭のような「法則化」という文脈で見ると、「洗濯機はこういうものだ」という法則に則った形でとても良いもののように思えます。
しかし、具体例の通り悪手であった。
法則化するととても楽になります。省力化につながります。
しかしそれは、レッドオーシャンへの片道切符であったようです。

これを成功者バイアスなんて言ったりします。
成功者バイアスがあると「俺たちはこうやって成功してきたんだ」という他のやり方へ転換する障害になります。それはとても強力です。
個人で考えても、なかなか方向転換できる人は少ない。これが組織だとどうなるか?
ある組織が成功して法則を作ります。成果を出した人は出世し上司になります。その法則が成り立たなくなっても上司であり続けます。当然ですね。ここで、方向転換をしなければいけないときに、過去の成功者である上司が成功者バイアスにかかっていると、未来への障害になる可能性があります。


なるほど。と。
実は法則化してはいけなかったのは、多分そうなのだろう、と。
ではどうすればよかったのでしょうか?

私は、外部環境へ注目する事と差別化を忘れてはいけなかったのだと思います。そして非常にズルい言い方なのですが、利用者(=消費者)の常識を半歩リードするくらいの差別化でないといけないのだと思います。

それが、掃除機の世界のダイソンであり、ルンバ等であったのだと。

これは閉鎖的な村社会の例えでいえば、ある程度の連携を取ってもらえるような融和を図りつつ、自分を保つことに例えられます。そしてそれは仲間になってしまうことに等しい。この例えは同調圧力が強い組織をイメージしています。そこで機動的に動くには「染まる」必要があるようです。

法則化を促進し効率化を図るにしても、法則化を打破し差別化を図るにしても、その見極めは外部環境に依るものです。
なので、判断力と決断力を発揮する前に必要な、材料を集めるための外部環境を分析する手段が必要なのだと思います。

(* PEST分析とは

ではでは

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公開日:2018/10/19
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