深いパープルブルーの空を突き破って
あなたはいきなり
私の前に不時着した
すぐに人を信じる癖と
好きな人を助けなきゃという想いで
あの人の借金を返すために
夜の仕事をしていた私
そんな愚かな私を
あなたはUFOに招きいれ
夜空に舞い上がったふたり
人々の灯す
無数の光に彩られた街を
遥かに見下ろして
やっと私にもわかった
きりもなく繰り返される
男と女の
愛と憎しみ
欲望と献身
もう続けなくていいんだよ
とあなたは言った
僕と一緒に
水瓶座まで飛ぼうと
あなたは言った
UFOは時空を突き破り
極彩色の万華鏡に吸い込まれ
私たちの辿り着いた星は
火星よりももっと
アマゾンに似ていた
・・・・・・・
片田舎の故郷の
自分のベッドで
私は目を覚ました
夢の中の密林で
あなたに抱かれた手触りは
私の体を光の鞘のように包んでいた
その日の真昼間
あなたは本当に
私の近所の書店に現れた
宇宙人のまぐわいについての
幻想的な絵本を立ち読みしていた私は
裏表紙の値段を見ては
あの人の借金を計算していた
突然
背後から声が聞こえた
熱心に見てくれてありがとう
僕が書いた本なんだ
プレゼントしよう
持ってきてくれるかな?
レジへ行こう
UFOから下りてきた人と
瓜二つの笑顔で
あなたは微笑んだ
その日から
私のデスティニーは
四次元の曲がり角を
回ったの!