日銀の黒田総裁のグローバルステーブルコインやキャシュレスに関する考えがまとめられた記事が公開されました。
決済のイノベーションと中央銀行の役割 ―― ステーブルコインが投げかけた問題 ――
Libraに代表されるグローバルステーブルコインやキャッシュレスは一人のユーザーとしての意見しか持っていなかったため、中央銀行からの視点が学べる良い記事でした。
ですので内容を簡単にシェアしようと思います。
日銀はグローバルステーブルコインに決して反対しているわけではなく、インパクトが大きいからこそしっかりと見極める必要があると考えています。
グローバルステーブルコインと言っても特にLibraに対して課題を2つ述べられていました。
共有地の悲劇と決済市場の独占です。
共有地の悲劇とは多くに人が利用できる「共有資源」を自利のために乱獲し次元が枯渇することを指します。
Libraが市場に多く出回り、各国の法定通貨を代替するようになれば、各国の中央銀行の金融政策の波及効果が弱まります。そして、金融政策の効果が弱まれば、 金融や通貨価値の安定に支障を来すようになります。そして、Libraは価値を安定させるために各国の法定通貨を基準にしているため、Libraの価値が不安定化し、多くの経済主体の活動に負の影響が及ぶことになります。
共有地の悲劇とニュアンスは変わりますが、Libraが使われれば使われるほどLibraの安定性が損なわれる可能性があるということです。
「独占は、競争やイノベーションを阻害し、最終的には、消費者の便益にもマイナスの影響を及ぼし得ます。」と書かれてました。
Facebookはすでに20億人ものユーザーがいて、その20億人の決済サービスともなると世界最大規模になり独占が起こりうる可能性がとても高くなります。短期的にはユーザーにメリットをもたらすかもしれませんが、長期的に見るとデメリットが大きくなっていきます。
相互運用性を確保し、独占問題を回避しながら、一方で、競争とイノベーションの両立をすることが重要です。
キャッシュレスに関してはよい傾向である述べてました。
過去、ATMの連携やPasmoとSuicaが相互乗り換え可能になったことなど、ネットワークにおける相互運用性によって市場全体が急速に伸びた例がたくさんあります。
現状のキャッシュレス決済も様々な企業が乱立している状態ですが、キャッシュレス業者、銀行など様々なところが相互運用するとさらに広まることを期待してます。
年末だからか、良質な記事がたくさん出てきています。
忘年会からスルーされているのでたくさん読もうと思います、、